2022年9月22日、岸田総理は新型コロナについて水際対策の更なる緩和を表明しました。海外からの入国者上限の撤廃や個人旅行の再開をする模様です。
また併せて「全国旅行割」と「イベント割」の開始も発表。これまでの水際対策の流れや、「全国旅行割」についての割引内容などを見ていきましょう。
水際対策で具体的にどんな処置が…?
水際対策と聞きますが、実際にどのような処置がされているのでしょうか?主には日本への入国制限と、検疫の強化です。入国制限に関して、初期段階では指定地域からの新規入国が拒否されていました。日本に到着する航空便で、新規予約が抑制されていたことも。
そしてワクチン接種などにより、入国制限は徐々に緩和されています。今年2022年1月時点では、1日の入国者数が上限3500人でした。これが3月に5000人・4月は1万人・6月に2万人へと段階的に上限を引き上げが実施。
実際に、日本政府観光局の調べによると、上限に対する入国者の比率は1月の20%弱程度から5月の上限1万人制限時点では約45%に増えています。
徐々に上限が緩和されている入国者数の制限は、9月に5万人までに進みました。外国人観光客は、添乗員付きのパッケージに参加しなくても日本での旅行が可能。9月以前まではパッケージへ参加が必要でしたので、個人で行動できるようになったことによって日本への旅行を決めた外国人も少なくないでしょう。
これまで水際対策の一環として入国制限がされていましたが、ついに撤廃することを9月22日に総理が明らかにしました。実施は10月11日。円安も進んでいることから、外国人観光客がさらに増えると予想されています。
ネット上では、「厳しい経営状況だからインバウンドに期待」や「コロナ対策と経済の両立から経済に舵を切った感じ」など賛否両論の声があります。
水際対策の検疫面について
水際対策でもう1つの処置として、検疫の強化が挙げられます。日本への入国前、出国72時間以内の検査証明の提出や入国後の待機期間などです。
ワクチン接種の拡大以降は、検査証明について緩和がありました。有効なワクチン接種証明書を持っていない場合に、医療機関で出国前72時間以内の検査証明を検疫所に提出することです。
また入国後、指定の宿泊施設や自宅などでの待機も必要です。待機期間の短縮が実施されると、話題になっていましたね。初期の段階では、出国した地域によっては待機期間が14日間で公共交通機関の不使用という制限も。この待機期間も入国制限同様、14日間が10日・7日・5日と段階的に緩和されてきました。
最終的に3日間にまで短縮になっていますが、検査で陰性の場合が対象です。
ただ注意点としてどこから日本に入国するかによって対策内容の違いがあり、日本政府が世界の国や地域を青・黄・赤で区分けしています。2022年9月時点で“赤”に該当する国や地域はありません。
そして“黄”には、アジア地域でインド・ベトナム・スリランカなど、アフリカのエジプト・ギニアなど、それから中南米や欧州、中東などを合わせて73の国と地域が指定。それ以外の128の国と地域、アメリカ・イギリス・オーストラリアなどが“青”です。
出国が“青”の地域か、“黄”で有効なワクチン接種の証明書がある場合は入国時の検査と入国後待機が不要になっています。“黄”に該当する73の国や地域を出国しても、ワクチン接種証明書がなければ到着時検査と入国後に自宅での待機が3日間必要です。
全国旅行割がついに開始決定
今回の発表では、入国制限の撤廃と短期滞在のビザが免除になります。そして国内に関しては、「全国旅行割」と「イベント割」が10月11日よりスタートです。以前から割引内容が、平日と休日で異なることは言われていましたね。
9月末までは、東北・関東・東海・近畿・中国・四国・九州など近接する県民が対象。割引を利用できるのは自分が所属するブロック内に限られていましたが、いよいよ全国に拡大です。
今回の決定前から全国版の開始は、何度か検討されていましたが新型コロナの感染者の増加で延期されていました。そのため開始決定を待っていた人は多いかもしれません。
「全国旅行割」の内容は、旅行代金の40%が割引されます。1人1泊あたり交通付き旅行などに上限8000円・その他に上限5000円。お土産や飲食に使えるクーポン券は、1人1泊あたり平日が3000円・休日は1000円です。利用には、ワクチン接種3回か有効期限内のPCR検査などの陰性証明が必要です。このような内容が予定されています。
実施期間に関して10月11日からのスタートが明かされましたが、年末までなのか具体的な期間や詳しいことは後日発表の模様。9月末まで実施の県民割では、宿泊前に宿泊割引券と地域クーポン券を事前に用意が必要です。「全国旅行割」になるとこの割引券がどのような形式になるのか、利用者だけでなく受け取るホテルや旅館などの施設側も気になっているでしょう。
そして早速SNS上に、「秋のお出掛けに使ってみよう! 」や「平日の地域クーポンはすごくお得な気がする」など期待する投稿が上がっていました。しかし一方でホテル関係者からは、「以前のGoToトラベルでは利用手続きがとても面倒だった」や「現状の県民割はホテル側の負担がそこまで大きくないので無理に全国版にしなくてもいい」などの声もあります。また「なぜ今になって言うんだ? 」や「物価上昇中にやる理由や、アメリカ訪問中に表明することもよくわからない」という意見も。
「全国旅行割」によって観光客の増加は見込まれるかもしれませんが、ホテルや旅館は対応に追われることも推測されます。利用者と施設側、双方にとって負担が少ないシステムだと嬉しいですね。またスポーツ観戦・映画館・遊園地などイベントを対象にした、「イベント割」も同じく10月11日より開始と発表。
以前に「イベントワクワク割」という名前で検討されていましたが、覚えていますでしょうか?
それが今回「イベント割」に名称が変更されて実施決定になりました。“イベントワクワク”のネーミングが気になっていた人も少なくないでしょう。新しい「イベント割」の実施期間などの詳細も、後日正式に公開予定です。
まとめ
9月22日に岸田総理は入国制限の撤廃などの水際対策緩和と、「全国旅行割」・「イベント割」の開始決定を発表しました。延期されていた、全国を対象にした旅行割が注目されています。楽しく安全に旅行するため、そしてホテルや旅館などの方のためにも、きちんと内容を理解してから利用するのがいいかもしれませんね。
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