「混乱生じる可能性、政府は手当を」健康保険証廃止・マイナカード一本化、 日本医師会が釘刺す

2022年10月12日水曜日のYahoo!ニュースで、健康保険証の廃止、代わりにマイナンバーカードを医療現場に導入する政策について、日本医師会の松本会長が「医療現場でも混乱が生じる可能性がある。しっかり手当をしていただきたい」との発言が報じられていました。

政府は2024年の秋までに、紙の健康保険証などを原則廃止し、マイナンバーカードに一本化する方針です。
この政策に対して、松本会長と同じく医療関係者からの不安の声と政府からの手当を要求する発言により、私達国民の不安が募っていくのを感じます。

目次

マイナンバーカードとはなんだったのか?

2016年に交付が始まったマイナンバーカードですが、マイナンバー(以降、個人番号)を証明できる身分証明書と思っている方は多いのではないでしょうか。

  • マイナンバーカードについて整理すると、国民一人一人に与えられた個人番号をICチップに登録し、カードにしたものです。

カードの裏には個人番号が書かれており、日本で住民票をもつ方、全ての人がもつ番号です。
これにより税・社会保障・災害対策の法令で定められた手続きを行う際の番号確認に利用ができる、身分証明書です。

マイナンバーカードと保険証の一本化による不満の声で、「実はよくないもの?」と不安になります。

身分証明以外にできることは何か?

カードの作成には、メールアドレスがあればすぐにスマートフォンやパソコンで申請することができます。
他の申請方法に郵送、まちなかの証明写真機から申請することも可能です。

マイナンバーカードを所持することで受けることができるサービスは、行政機関で戸籍や本籍などの書類を、ネットワークで検索でき、身元確認にも使うことができます。

例えば、引っ越しなどでの住民票の変更や、死亡時の必要書類を用意する際に、カードに登録された情報を読み取ることで、書類の記入欄の一部の記入を省略することができます。

さらに、コンビニのプリンターでいつでも住民票の印刷ができることなどのサービスもあります。
今回ニュースに上がった、カードを健康保険証として利用できることもカードの機能の一つです。

マイナンバーカードと保険証の統一化

マイナンバーカードに健康保険証を登録するには、スマートフォンアプリ「マイナポータル」を導入し、健康保険証などを登録することで完了します。

これまで病院で提出していた診察券や健康保険証などをマイナンバーカードだけで、受付作業を済ませることができるので非常に時間の短縮ができます。
また、緊急でかかりつけでない病院で診察される場合も、健康保険証やお薬手帳を持っていない場合もマイナンバーカードを提示することで、診察前に服用薬や病名、かかりつけ医をインターネットを通じて知ることができます。

出典:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08277.html#hokensho1

以上の機能を聞く限り、デメリットはないように思われますが、なぜ不満の声が上がっているのか、次の項目で説明します。

マイナ保険証に対して日本医師会会長は?

2022年6月のマイナンバーカードの保険証としての利用に対し、日本医師会前会長中川氏は「システム導入は日程的に難しい」と述べています。

その理由にコロナ患者の対応と、機材の供給不足の状況を鑑みてスケジュール的に難しいことがあげられています。
さらに、医療現場や患者である国民にシステム導入とその理解などを十分に周知させる必要があるとのことからも、政府からの支援が必要との意見もありました。

このことに関して、現会長である松本会長は10月12日の速報で、「医療現場でも混乱が生じる可能性がある。しっかりと手当をしていただきたい」と述べているあたり、政策には応じるが、医療現場への導入に関しては前会長と同意見であるように見えます。

国民側の意見

これらの報道後、反応した国民のコメントは、マイナンバーカードと保険証の一本化に関して以下のような内容がありました。

  • マイナンバーカードは国民の任意であるはずなのに、紙の健康保険証を廃止した場合はどのように対応すればいいのか。
  • 健康保険証の登録の手続きの方法がわからない。
  • 今後の運転免許証の一本化からマイナンバーカードを紛失した際の身分証明をどうすれば良いのか。
  • 国民に個人番号をつけて、奴隷のように管理するのではないか。

以上のように、不安と反対の意見がみられる中、前述した通り、診察前の記入の省略化に賛成の声もありました。
また、マイナンバーカードと電子カルテの連携に費用と期間が必要などの電子システムに対しての不安も医療現場視点の意見もあげられていました。

今回の問題の要点

医療機関側の準備がまだ整っていないことが今回の問題のポイントです。

  • まず受付でカードリーダを導入してから、使い方や、トラブルが起きたときの対処の勉強が病院ごとに必要です。
  • 普段から診察や受付で忙しい医療スタッフの作業量と手間がさらに増えます。

日本医師会の松本会長はこの点を問題視していると思われます。
また、地方の病院ではデバイスやソフトに慣れていない病院も少なからずあります。

私達を病から救ってくれる医療スタッフの方々と、マイナンバーカードの読み取り設備に詳しい政府側のIT関連のスタッフの方たちの協力がなければ、この政策はとても難しいでしょう。

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