海水浴場でイルカに噛まれる事故が起こっているそうです。
イルカといえば、水族館の人気者です。
おとなしくてかわいいイメージがあるイルカが、なぜ人を噛むのか気になりますよね。
そこで今回は、イルカが人を噛む理由とその危険性を調査しました。
噛まれないための注意点もまとめています!
イルカはなぜ人を噛むの?
人を襲う理由は何?
イルカが人を噛む理由として考えられるのは、次の4つです。
①遊びたいから
②エサと間違ったから
③発情期で気が立っているから
④威嚇や攻撃の意思があるから
それぞれご説明しますね。
【理由①】遊びたいから
人にかまわれたり、撫でられたりした経験があるイルカは「もっともっと」という思いで人間にじゃれついてくることがあります。
このとき、人に体をぶつけたり、つついたり、嚙みついたりするようです。
つまり、イルカが人を噛むのは「遊んでほしい」「かまってほしい」というサインの可能性があるんですね。
実際に2022年6月のニュースで、群れからはぐれたと思われる野生のイルカが人に噛みつくような仕草を見せる様子が紹介されています。
人の脚に向かって口をパクパクさせていますね。
人に慣れた様子から、確かにじゃれついているように見えますね。
【理由②】エサと間違ったから
海外の水族館で起きたのは、イルカのプールに向けて伸ばした子供の手をイルカが噛んでしまった事故。
このとき、水族館側はイルカが噛みついた理由を「ご褒美のエサと間違った」と説明したそうです。
水上に差し出された子供の手を、ごほうびのエサをもらえるサインと勘違いした可能性があるといいます。
【理由③】発情期で気が立っているから
イルカが人に噛みつく理由の1つに、発情期が関係しているという推測もあるようです。
「発情期の動物は、気が立っているから気を付けなさい」
そんな注意を受けたことはないでしょうか。
イルカの発情期は春から秋だそうですが、この時期のイルカはやはり普段と異なる様子を見せる場合があるそうです。
- 喧嘩をする
- 他のイルカにじゃれつく
- 飼育員(トレーナー)のサインやエサに反応しなくなる
春から秋の時期にイルカが人を噛んだ場合、発情期で気が立っていたのかもしれません。
【理由④】威嚇や攻撃の意思があるから
人間に友好的でおとなしいイメージがあるイルカですが、残念ながら攻撃的な行動をとる個体もいるといいます。
特に、若いオスは気性が荒い場合があるとか。
若いオス同士の喧嘩や子供のイルカに対する攻撃行動などが確認されているそうです。
そんなイルカですから、人間に対しても攻撃意思を持つ可能性は考えられます。
以上の4つが、イルカが人を噛むおもな理由です。
出典:「イルカはおとなしい」はイメージにすぎない⁈ 福井ではかまれるなど被害相次ぐ 「本来は大型の肉食動物」(東京新聞 TOKYO Web)(https://www.tokyo-np.co.jp/article/263975)(2024年8月17日に利用)
出典:「イルカ」はどれくらい「危険」なのか(Yahoo!ニュース)(https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/3ff9d715bbeb708b270cbce9567dc048621b83dc)(2024年8月17日に利用)
遊んでほしくて軽く噛みつくくらいなら、あまり問題はないんじゃない?
エスカレートすれば大怪我につながりかねないので、問題がないとは言えません。
噛む理由が「遊んでほしいから」なら、あまり問題はなさそうだけど…
攻撃の意思がないからといって、危険がないわけではありません。
イルカが、人間が怪我をしない程度に噛む力を調節してくれるとは限らないからです。
①じゃれているうちに噛む力が強くなる
②触れ合っているうちに威嚇や攻撃に移る
③海中に引きずり込まれる
【危険①】じゃれているうちに噛む力が強くなる
最初は甘噛みに過ぎなかったとしても、徐々にエスカレートする可能性もあります。
イルカは遊んでいるつもりでも、人間にとっては大怪我になるような強さで噛まれかねません。
人懐こくておとなしく見えても、相手は大型の動物だと意識したいですね。
【危険②】触れ合っているうちに威嚇や攻撃に移る
最初はじゃれていただけでも、何らかのきっかけで威嚇や攻撃に移ることだって考えられます。
野生動物の感情のスイッチを私たちが正確に把握するのは難しいですよね。
【危険③】海中に引きずり込まれる
イルカに噛まれると、体に傷がつくだけでなく、噛む力の強さで海中に引きずり込まれる恐れもあります。
人の体をくわえたままイルカが泳ぎ出してしまったらと想像すると、とっても怖いですよね。
以上のように、じゃれているだけだから危険はないとは言い切れません。
野生の大型動物とかかわるのに危険が伴う点は、強く意識したいですね。
イルカって肉食?
歯で噛みちぎってエサを食べるの?
イルカは、肉食動物です。
エサを食べるときは、歯を使わずに丸飲みにします。
イルカは肉食動物
イルカは肉食で、自然界では魚やイカを食べているそうです。
水族館のイルカには、栄養の偏りに注意して複数の種類の魚が与えられているようですね。
大阪市にある水族館「海遊館」のイルカは、1日に約10キロの魚を食べると紹介されています。
- サバ
- シシャモ
- ホッケ
- オオナゴ
食事をするときは噛まない
イルカの口には歯がありますが、食事のときには使いません。
エサを食べるときは、歯で噛みちぎるのではなく丸飲みにするそうです。
じゃあ、イルカの歯はいつ使われるの?
エサにする魚をつかまえるときです。
野生のイルカは、当然自分たちでエサを確保しています。
エサにする魚をつかまえるとき、逃がさないようにするために歯を使うそうです。
出典:「イルカたちは何を食べてる?」(ブログ「海遊館日記」)https://www.kaiyukan.com/connect/blog/2021/01/post-2036.html(2024年8月17日に利用)
出典:「歯と口の健康週間 カマイルカ編」(のとじま水族館)(https://www.notoaqua.jp/diary/624)(2024年8月17日に利用)
出典:「イルカはごはんをどうやって食べるの?」(城崎マリンワールド)(https://marineworld.hiyoriyama.co.jp/417-2.html)(2024年8月17日に利用)
イルカが人を噛むのを防ぐにはどうしたらいい?
私たち人間が、イルカとの距離の取り方に注意するのが重要です。
①触らない
②近づかない
③速やかに砂浜に上がる
④エサをあげない
1つずつご説明しますね。
【注意点①】触らない
人が触ったり撫でたりすると、イルカが「人間は遊んでくれる」「撫でてくれる」と覚えてしまいます。
そうしてイルカが人間に執着して近寄ってくるようになれば、噛まれる危険性は高まります。
また、触っているうちにイルカの機嫌を損ねてしまう可能性もあります。
野生の動物を怒らせると危険なのは、イルカだけに限りませんよね。
【注意点②】近づかない
イルカに近づいて触ってしまうと噛まれる危険性が高まります。
海の中で野生のイルカに遭遇しても、安易に近づかないほうがいいようです。
海の中で噛みつかれた場合、そのまま深い場所まで連れて行かれてしまう恐れもあります。
【注意点③】速やかに砂浜に上がる
海で泳いでいるときに野生のイルカに遭遇したら、できるだけすぐに砂浜に上がるのがいいようです。
イルカが姿を見せれば気になる気持ちはよくわかりますが、安全のために陸地から観察するのがいいですね。
自分ではイルカの出没に気がつかないケースもあります。
監視員の方がいれば、海から上がるようにアナウンスしてもらえるそうなので指示に従いましょう。
海水浴には、監視員がいてアナウンスの設備が整っている海水浴場を選ぶのも大切ですね。
【注意点④】エサをあげない
エサをもらえることを覚えると、イルカは人間に執着するようになります。
こちらが距離をとろうとしても、イルカのほうから近寄ってきてしまう可能性があります。
イルカと人間が適切な距離をとれるように、決してエサを与えないようにしましょう。
「野生の動物にエサをあげないでください」っていうのは、イルカ以外にも聞きますね。
野生のサルにエサを与えないように注意が呼び掛けられていたりしますよね。
「人間はエサを与えてくれる存在」と野生動物に認識させないのが大切です。
まとめ
- イルカが人を噛む理由には、次の4つが考えられます。
①遊びたいから
②エサと間違ったから
③発情期で気が立っているから
④威嚇や攻撃の意思があるから - エスカレートしたり海中に引きずり込まれたりする恐れがあるので、最初は弱い力であってもイルカに噛まれるのは危険です。
- イルカは肉食動物で、普段は魚やイカを食べています。
- イルカはエサを食べるとき噛まずに丸飲みします。
- イルカの歯は、エサにする魚をつかまえるとき、逃がさないようにするために使われます。
- イルカが人を噛むのを防ぐには、私たち人間がイルカとの距離の取り方に注意するのが重要です。
- イルカとの距離の取り方には、次の4つの注意点があります。
①触らない
②近づかない
③速やかに砂浜に上がる
④エサをあげない
イルカが危険な動物というイメージがなかった人も多いのではないでしょうか。
水族館のショーで見るとかわいいイルカも、大型の肉食動物といわれるとハッとしますね。
イルカが人を襲う理由を頭に置いて、きちんと距離をとるように気をつけたいです。