学生に限らず、最近は大人にもリュック派の人が多いですよね。
リュックといえば、電車に乗るときリュックをおなかの前で抱えている人が増えたのが気になります。
なぜリュックをおなかの前で抱えるの?
電車内ではリュックを体の前で持つのが正しいマナーなんでしょうか?
いわゆる”前リュック”について調べてみました。
なぜ電車に乗るときリュックを体の前で持つの?
電車内でリュックを体の前で抱えるのには、2つの理由があるようです。
- 周囲に迷惑をかけないため
- 防犯のため
周囲に迷惑をかけないため
なぜ電車に乗ると、リュックを体の前に回すのか?
そうすることが周りの人に迷惑をかけないためのマナーであると考えている人が多いようです。
リュックを体の前で抱えると、次のような理由で乗客の迷惑になりにくいといわれています。
前で抱えたほうがなんとなくスペースをとらない気がする。
満員電車を利用したとき、ほかの乗客が背負った大きなリュックを邪魔に感じた経験はないでしょうか。
乗客同士が密着せざるを得ない混雑した車内で、背中側にスペースを確保されるのはちょっと迷惑な気もします。
一方で、リュックを体の前で持つとつま先の上方に空いたスペースが利用できます。
体の前で抱えて前かがみになるほうが、リュックが占めるスペースは小さくなると感じる人が多いようです。
リュックが知らないうちに人にぶつかるのを防げる。
乗客同士の距離が近い混んだ車内では、リュックが人にぶつかってしまう可能性も高くなります。
知らないうちに背負ったリュックを後方の乗客にグイグイと押し付けているかもしれません。
無自覚に周囲に迷惑をかけないように、リュックを自分の目が届く体の前に抱えるようにしているという人もいます。
防犯のため
もう1つ、防犯を意識している人もいるようです。
背負ったリュックがほかの乗客にぶつかっても気づかないというなら、その逆もありえますよね。
万が一リュックから貴重品を抜き取られたとしても、背中側では気づけない可能性が!
知らないうちに盗難やいたずらの被害にあわないように、電車内ではリュックを体の前で抱えている人もいます。
- 周囲に迷惑をかけないように、電車に乗るときリュックを体の前で持つ人がいます。
- ほかに、防犯を意識して体の前で抱えている人もいるようです。
電車内ではリュックを体の前で抱えるのが正しいマナーなの?
実は、そうとも言い切れないようです。
近年、鉄道会社からリュックなどの荷物を体の前で抱えるように呼びかける例は少なくなっているといいます。
マナーポスターから消えた呼びかけ
鉄道会社が乗客に向けて車内のマナー向上を呼びかけるキャンペーンポスターを見かけたことがあるでしょうか。
2018年ごろまでは、そのポスターに荷物を体の前で抱えるのを推奨するような描写があったそうです。
ところが、近年のキャンペーンではそういった描写がなくなっているケースが認められるとか。
鉄道会社からの呼びかけは以下のように変化したようです。
- リュックは手に持つ
- 大きな荷物は網棚に乗せる
- 大きな荷物は足元で持つ
呼びかけが変化した理由
電車内での荷物の扱いについて鉄道会社の呼びかけが変化したのには、次のような理由があるそうです。
- 身体的な理由などで、体の前で荷物を抱えるのが難しいケースがある
- 混雑した車内では、荷物を前に抱えていても邪魔になる
体の前で荷物を抱えにくい人もいる
たとえば妊婦さんなんかは、体の前でリュックを抱えるのはしんどいかもしれませんね。
人にはさまざまな事情があり、荷物をおなか側で抱えるのが難しい人もいます。
この指摘を受けて、関西鉄道協会ではマナーの呼びかけ内容を見直したそうです。
前に抱えても邪魔になる
別の鉄道会社では、ポスターの打ち合わせの場で、荷物を前で抱える行為について疑問の声があがったようです。
荷物を前に抱えたとしても、混雑した電車内では結局邪魔になるというのです。
この会社では、荷物は体から降ろして足元で持つように呼びかけを変更したそうです。
出典:混雑時にリュックを前に抱えるのは「マナー違反」…鉄道各社が「荷物は手に持って」と呼びかける理由(PRESIDENT Online)(https://president.jp/articles/-/67471)(2024年4月25日に利用)
- 近年、電車内でリュックを体の前で抱えるように呼びかける鉄道会社は少なくなっているようです。
結局、電車内でリュックを前に抱えても意味ないの?
周囲に迷惑をかけないようにする点では、リュックを前に抱えただけでは足りない部分があるのかもしれません。
リュックを前に抱えても邪魔になることはある
混雑した電車内では、たとえ体の前で抱えたとしても大きなリュックは周囲の邪魔になってしまいます。
「”前リュック”なんて意味ない」と主張する人の多くは、実際にぶつけられたり、スペースをとられたりした経験があるのでしょう。
網棚や手持ちにもデメリットはある
鉄道会社が呼びかけているように、リュックを網棚に乗せたり、足元で手に持ったりするのが正解なのでしょうか?
ただ、これらの方法にもデメリットがあるといいます。
リュックを網棚に置くデメリット
- 置き忘れや盗難の面で不安がある
- 満員電車では、降りるときに網棚からリュックを下ろせないことがある
- 会社で禁止されている
リュックを足元で手に持つデメリット
- 重たいリュックを手で持ち続けるのは難しい
- 満員電車では足元にもスペースはないし、見えない位置にある荷物は危ない
- 手の位置が下になると、痴漢と間違われる不安がある
重要なのは、周囲に気を配っておくこと
どの手段をとったとしても、忘れてはいけないのが周囲に対する気配りではないでしょうか。
おしゃべりやスマホに集中していると、抱えたリュックがほかの乗客を圧迫しているのに気づかないかもしれません。
「リュックを体の前に抱えたから大丈夫」「手に持ったから大丈夫」ではなく、乗車中は周囲の様子を気にかけていたいですね。
- リュックを体の前に抱えただけでは、周囲の人に迷惑をかける可能性はゼロにはなりません。
- 周囲の乗客に気を配るのを忘れないことが、リュックの持ち方以上に大切なのかもしれません。
まとめ
- 電車に乗るときリュックを体の前で持つ人のおもな理由は「周囲に迷惑をかけるのを防ぐため」または「防犯のため」
- さまざまな意見を考慮して、近年、電車内でリュックを体の前で抱えるように呼びかける鉄道会社は少なくなっている
- 呼びかけが少なくなったのには次のような理由がある
1. 身体的な事情で体の前で荷物を持てない人がいる
2. 混雑時は前で抱えた荷物も邪魔になる - リュックを体の前に抱えただけでは、周囲の人に迷惑をかける可能性はゼロにならない
- 周囲の乗客に気を配るのを忘れないことが、リュックの持ち方以上に大切なのかもしれない
私も、電車に乗ったらリュックは前で抱えるのが正しいマナーだと思っていました。
鉄道会社のポスターでは推奨されなくなっていたと知ってびっくり。
周囲に気を配るのを忘れず、状況に応じてできるだけ邪魔にならないように努力しようと思います。