よくテレビや新聞、SNSなどで「Z世代」という言葉を目にしませんか?
最近の若い人は全部この世代なんでしょ?と一緒くたにしている方も多いはず。
Z世代とは具体的にどの年代に生まれた方のことをさすのでしょうか。
そもそもZ世代の「Z」とはどういう意味なのか?身近にいるZ世代の方の特徴を理解して、より円滑なコミュニケーションを取っていきたいですよね!
この記事では、何歳から何歳までをZ世代と呼ぶのか、Z世代のZの語源、Z世代の特徴、関わり方などを紹介しています。
Z世代は何歳から何歳までの世代?
Z世代とは何歳から何歳までの方を呼ぶのでしょうか。
Z世代とは、1990年代半ばから2012年頃までの間に生まれた方のことをZ世代と呼んでいます。
年齢にすると、2023年の時点で10歳から27歳くらいまでの方がZ世代に該当します。
大学を卒業して入社1年目の方はZ世代のまっただ中ということになりますね。
※2023年時点
Z世代のZはどういう意味?発祥はアメリカだった!
Z世代の「Z」についても知りたいです。意味はあるんですか?
Z世代というのは元々アメリカで呼ばれていた呼称でした。
年代を遡ると1960年代半ばから1980年頃に生まれた方のことを「X世代」と呼び、1981年から1996年頃までに生まれた方のことを「Y世代(ミレニアル世代)」と呼んでいます。
Z世代は1996年頃から2004年頃までに生まれた方のことを指すので、イニシャルの並びで「X」「Y」「Z」となったのでしょう。
※諸説あります。
○○世代の始まりとなったX世代のXはなにが由来になっていますか?
X世代の「X」は、カナダ出身の作家・ダグラス・クープランドさんが1991年に執筆した「ジェネレーションX~加速された文化のための物語たち」のXが語源となっているようです。
こちらの書籍は、ダグラス・クープランドさんと同年代の読者に非常に人気があり、爆発的なヒットになりました。このような社会的影響もあり、ダグラス・クープランドさんの年代はX世代となったのです。
ダグラス・クープランドさんは1961年生まれなので、X世代と呼ばれる年代にぴったり当てはまっていますね!
Z世代の特徴とは?
各年代で世代を分けていますが、Z世代にはZ世代特有の特徴がありますか?
日々テクノロジーは進化していますし、毎日少しずつ世間の情勢も変わっています。当然ですが、生まれた年代によって本質が左右される部分は多少あると思います。
Z世代には以下のような特徴があります。
- デジタルネイティブ・スマホネイティブ・SNSネイティブ
- 自己承認欲求・発信欲求が強い
- タイパ(時間対効果)重視
- 自分の時間を大切にする
- 多様な生き方に肯定的
デジタルネイティブ・スマホネイティブ・SNSネイティブ
Z世代の大きな特徴としてまず第1に挙げられるのは、生まれた時には既に「インターネット」が幅広く普及していたということです。
今では多くの方が使用しているスマートフォン。
ですが、スマートフォンの代表格・iPhoneの初代が日本で初めて発売されたのは2008年であり、スマートフォンは普及し始めてまだ15年ほどしか経過していません。
それまで人はガラケーを使用していましたが、ガラケーだった時代はSNSも全盛期ではなく、画面も見づらかったためパソコンを使用してWebサイト等を閲覧していた方も多かったのではないでしょうか。
ところが、ガラケーがスマートフォンに置き換わってからはWebサイトをスマホで見ることが主流になり、出先でも気軽にWebサイトを閲覧することができるようになりました。TwitterやInstagram、Facebookなど様々なSNSも普及し、今やスマホは片時も手が離せないほど便利な道具になりました。
Z世代の中にはガラケーを持ったことがないという方も数多くいるのではないでしょうか。
それくらいインターネットやスマホ、SNSが身近な存在になった時代の全盛期を生きているのがZ世代なのです。
ネイティブという言葉には「その土地に元々いた人」「自然」などの意味があります。ここで使用しているネイティブは「元々ある状態」という意味合いが強いです。
デジタルネイティブを例にすると「生まれた時には既にインターネットがあった」といったニュアンスでしょうか。
自己承認欲求・発信欲が強い
次にZ世代の特徴としてあげられるのは「自己承認欲求」と「発信欲」が強いこと。
なぜこのような欲求がZ世代は強いのでしょうか。それは、Z世代がスマホを使いこなす頃には既にSNSが広く普及し、自分でも情報を気軽に発信することができる環境が整っていたということが大きな要因になっていると思われます。
自分の周りが何かをSNSで発信しているのを見て、「いいね」などのリアクションをたくさんもらっているのを見ると、自分も何かを発信したくなりませんか?
何かを発信したいという「発信欲」。発信したものに対してリアクションが貰えることで、「自己承認欲求」が満たされていきます。
そして、より多くの「いいね」を貰うためにZ世代の方は「映える」写真を撮る工夫をしたり、「いま流行っているもの」を日々研究しています。
「良い写真を撮る方法」や、「写真の加工に優れているアプリ」などもネットで即座に検索するので、短期間でより良いものを生み出すことができます!
職場にいるZ世代の方に写真をお任せしたらかなり良いものを作ってくれるかもしれません!
タイパ(時間対効果)重視
最近聞く言葉ですが、タイパってなんですか?
あまり聞き慣れない言葉ですがタイパとは、タイムパフォーマンスを略した言葉です。
時間対効果とも呼ばれ、決められた一定の時間の中でどれだけの効果や価値があったのかを指す言葉です。
タイパは2015年頃から使われるようになりました。
タイパを重視するということは、決められた時間の中でどれだけ自分のやりたいことができたのか、ということです。
現代は良くも悪くも情報過多。あれもやりたい、これもやりたい。けど時間が足りない。というのは現代を生きる人の多くが悩んでいるのではないでしょうか。
Z世代に関わらず、全世代の人がおこなっていることかもしれませんが、Z世代の方もやっているタイパを良くするための行動が以下のようなものです。
- 動画を倍速で視聴する
- ファスト映画を見る(2時間弱ある映画を数分の要点だけでまとめたもの)
- 何か別のことを作業しながら動画を視聴する
- 電車の中でニュースを読む
- テレビを見ない
Z世代ではありませんが動画の倍速は私もよくやります。
Z世代の方はテレビを見ない、そもそも家にテレビが無いという方も多くいます。テレビはリアルタイムだと倍速することはできません。CMもあるので見たい部分以外に使う時間が勿体ないと感じているのかもしれません。
何よりも現在はYouTubeを見る人が多すぎてテレビを見る時間を確保できていない可能性がありますね。
仕事に関してもZ世代はダイパ意識が高く、常にどうしたらタイパを高められるかということを考えて仕事しています。
マルチタスクなども器用にこなすイメージです。
自分の時間を大切にする
「働き方改革」が本格化してきたのもちょうどZ世代の方が社会人になって働き始める時期からです。
ワークライフバランスが整ってきている時代に働き始めたということもあり、Z世代の方は「自分の時間を大切にしている」という特徴があります。
「とにかく出世!」「昇進!」という野心は従来の世代に比べて低く、自分の時間を大切に、プライベートを充実させたい!という人が多い傾向があるため、「昔はもっと残業して仕事一筋だった」「定時で帰るなんて」「上司より先に帰るなんて」という言葉はZ世代にとって居心地の悪い言葉かもしれません。
新型コロナウイルスの影響もあり、テレワークなどの在宅勤務にも積極的な印象です。
在宅勤務なら会社に出社する時間を削減することができるのでタイパを高めることができますね!
多様な生き方に肯定的
マイノリティという言葉は最近よく耳にすると思いますが、こういった少数派の方にも生きやすい世界を、という目標を掲げた時代をZ世代は生きています。
さらに、Z世代は若いうちからSNSを通じて色々な方とコミュニケーションをとっているため、さまざまな価値観や意見を持つ方とも日常的にふれあっています。
「人は人、自分は自分。自分らしく」という感情に重きをおいているため、相手のことも平等な立場で見ることができ、多様性を受け入れることに抵抗が無いのも特徴です。
Z世代との関わり方は?
新しく入ってきた新入社員がZ世代の子なのですが、どのように関わっていったらいいのでしょうか。
この接し方がZ世代すべての方に当てはまるわけではありませんが、これまであげてきたZ世代の特徴を参考に、関わり方をまとめました。
- 頑張ろうという意欲を持たせるように褒める
- 過度にプライベートを詮索しない
- 考えに理解を示して、否定しない
頑張ろうという意欲を持たせるように褒める
現代はパワハラ・モラハラなど色々なハラスメントが存在しています。○○ハラスメントのような言葉が広まったのはここ数年の出来事ではないでしょうか。
そのような言葉が次々に生まれるほど、現代は様々なハラスメントに関心が向けられています。
キツイ叱り方をすると「パワハラ」と呼ばれ、俺たちの時代はこれくらい普通だったという言い分は現代に通用しません。
○○ハラスメントという言葉が溢れている渦中で社会人になったZ世代の方を厳しい言葉で叱るのはNGです。
こんなことを言われた!発信しなきゃ!と、発信欲が高いZ世代の方はSNSに投稿してしまいかねません。SNSの拡散力は凄まじいものです。投稿1つで会社の評判も落ちますし、大切に育てようと思っていた社員は仕事も辞めてしまいます。
ではどうすればいいのでしょうか?
頑張ろうという意欲を持たせるには、良いところを褒めることが大切です。ダメな部分があった場合にも言葉を選びましょう。言い方1つで関係性は良くも悪くも大きく変わります!
過度にプライベートを詮索しない
Z世代はSNSで知り合った相手とネット上のコミュニティを広げるのが上手です。
相手の住んでいるところや、年齢も知らない相手との軽い付き合いが多いため、広く浅い表面的なコミュニケーションに居心地の良さを感じています。
そういった背景もあり、Z世代はプライベートを深掘りされることを好んでいない傾向にあります。Z世代の人と仲良くなりたくて色々と聞きたくなる気持ちも分かりますが、自分と相手の好感度によってはまだ聞かないほうがいい質問もありますので、そこら辺の線引きを考えましょう。
考えに理解を示して、否定しない
世代が違えばジェネレーションギャップを感じる瞬間もあるはずです。
ですが、まずは自分と違う考えだからという理由で否定することはせず、最後まで話を聞きましょう。
ああ、そういう考えなんだな。と理解を示すことでZ世代の方もこちらの考えを理解しようとしてくれるはずです。
Z世代は「自分の時間」を大切にする傾向が強いので働いている会社が嫌だと思ったらすぐ辞めてしまいます。そうならないためにも働きやすい環境を整えることが大切です。中でも人間関係はウェイトを大きく占めているので、ここを改善すればZ世代の方も長く働いてくれるでしょう。
Z世代に関わらず誰にでもいえることですが、思いやりを持って接することが大切です。
まとめ
- Z世代は199年代半ばから2012年頃までの間に生まれた世代のこと
- ○○世代というのは元々アメリカで呼ばれていた呼称
- Z世代の「Z」は、カナダの作家が執筆した書籍のタイトルからとられた
- Z世代はデジタルネイティブ・スマホネイティブ・SNSネイティブ
- 自己承認欲求と発信欲求が強い傾向にある
- タイパを重視し、自分の時間を大切にする
- 多様な生き方にも肯定的
- Z世代は叱るよりも頑張ろうという意欲を持たせるように褒めることが大切
- プライベートを過度に詮索しすぎない
- Z世代の考えに理解を示して、否定しない
いかがでしたか?今回はZ世代についてまとめてみました。時代によって人の性質も変化していくのですね!
特徴や関わり方、すべてのZ世代の方に当てはまるわけではありませんが、コミュニケーションの参考になれば幸いです。