街路樹を勝手に切ると罪になることも…枯らすのもダメ! 切ってほしいときは管理者に連絡しよう

中古車販売会社「ビッグモーター」が、清掃の際に使用した除草剤で店舗周辺の街路樹を枯らしてしまった可能性を認めたようです。

「ビッグモーター」に関連するニュースを耳にして、「そういえば、街路樹って勝手に切ったり枯らしたりしたらどうなるんだろう?」と疑問を持った方も多いのではないでしょうか。

街路樹の枝が邪魔になっていたら、勝手に切ってもいいの?
それとも、街路樹を勝手に切ると何か罪に問われるの?

街路樹にまつわる疑問について調べてみました。

目次

街路樹を勝手に切るとどうなるの?

もし街路樹を勝手に切ってしまったらどうなるの?

街路樹を勝手に切ると、「器物損壊罪」や「道路附属物損壊罪」という罪に問われる場合があるそうです。

器物損壊罪!?

罪に問われることがある

街路樹を勝手に切ると、次の罪に問われる可能性があるそうです。

  • 器物損壊罪
  • 道路附属物損壊罪

それぞれどんな罪なんでしょう。

器物損壊罪

「器物損壊罪」とは、他人の持ち物をわざと壊したりして使えなくした場合に問われる罪です。

街路樹も誰かのものであり、管理している人がいます。
勝手に切ると、他人のものをわざと壊した罪に問われる可能性があります。

器物損壊罪の罰則

「器物損壊罪」の罰則は「3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料」です。
科料とは、納付を命じられる金銭が「1000円以上1万円未満」の場合をいいます。

道路附属物損壊罪

「道路附属物損壊罪」とは、道路法で定められた罪です。
道路の付属物をわざと壊したりして使えなくしたことによって、道路の使用に危険が生じた場合に問われるそうです。

道路附属物損壊罪の罰則

「道路附属物損壊罪」の罰則は「3年以下の懲役または100万円以下の罰金」です。

まとめ
  • 街路樹を勝手に切ると、「器物損壊罪」や「道路附属物損壊罪」という罪に問われる場合があります。

街路樹をわざと枯らすとどうなるの?

勝手に切るのと同じように、勝手に枯らすのもダメなのかな?

街路樹を故意に枯らした場合も、「器物損壊罪」や「道路附属物損壊罪」に問われる可能性があるようです。

罪に問われることがある

街路樹を故意に枯らした場合も、やはり罪に問われることがあります。
わざと枯らしてしまうという行為もまた、他人のものを故意に壊したり使えなくしたとみなされるんですね。

「ビッグモーター」前の街路樹が枯れている件についても、器物損壊の疑いとして警察に相談された例があるようです。

「ビッグモーター」は清掃活動で除草剤を使用したことを認めていますが、街路樹を「故意に」枯らしたかどうかはわかっていません。

まとめ
  • 街路樹を故意に枯らした場合も、「器物損壊罪」や「道路附属物損壊罪」に問われる可能性があります。

街路樹って誰のものなの?

そもそも街路樹って誰のものなんだろう?

街路樹は「道路の付属物」としてあつかわれます。

つまり、街路樹の管理者は、道路と同じ国や都道府県、市町村になります。

街路樹の管理者は国・都道府県・市町村

街路樹も誰かのものであり、管理している人がいます。
そのため、勝手に切ったり枯らしたりすると罪に問われる場合があるとわかりました。

では、街路樹を管理している人とは誰なんでしょう?

街路樹の管理者は、道路の管理者

街路樹は「道路の付属物」であると道路法で定められているそうです。
そのため、管理者は道路と同じです。

つまり、

  • 国道に設置された街路樹の管理者は、
  • 都道府県道に設置された街路樹の管理者は、都道府県
  • 市町村道に設置された街路樹の管理者は、市町村

以上のようになるそうです。

街路樹は「共有の財産」

街路樹を管理する市町村のホームページには、街路樹を指して市民や町民の「共有財産」と表記されていることが多いようです。

共有の財産だとすれば、やはり個人が勝手に切ったり枯らしたりしていいものではありませんよね。

街路樹は市民共有の財産です。

名古屋市:名古屋市公式ウェブサイトから引用
まとめ
  • 街路樹は「道路の付属物」であり、街路樹の管理者は道路と同じ国・都道府県・市町村になります。

街路樹を切ってほしいときはどうしたらいいの?

日当たりが悪かったり見通しが悪かったり。
枝葉が邪魔になることもありますよね。

街路樹を切ってほしいときは、どうしたらいいんだろう?

街路樹の枝は勝手に切るのではなく、管理者に問い合わせをしましょう。

市町村または実際に道路の管理を任されている土木事務所などに相談してみるのがいいようです。

市町村や土木事務所に相談する

勝手に切らない

前述のように、街路樹を勝手に切ると「器物損壊罪」などの罪に問われる可能性があります。
管理者の許可なく切るのは避けたほうがいいでしょう。

たとえば、「伸びた枝が歩道を歩く子どもたちに当たりそうで心配」など、身勝手ではない理由があるかもしれません。
その場合も、管理者に許可をとらずに街路樹を切るのはおすすめできません。

管理者に連絡する

街路樹について気になることがある場合、管理者に連絡してみましょう。
市町村に問い合わせると、窓口を案内してくれることが多いようです。

また、実際に道路の管理業務を任されている土木事務所や建設事務所への連絡を勧められるケースも
土木事務所や建設事務所の連絡先は、市町村の公式ウェブサイトに掲載されていることもあります。

対応が可能かどうかは理由による

個人的な事情は対応されないことが多い

  • 「街路樹のせいで自宅の日当たりが悪い」
  • 「街路樹が邪魔でお店の看板が見えにくい」

以上のような個人的な事情には、対応されないことが多いようです。
街路樹は市民の共有財産なので、個人の事情では切れないのです。

対応してもらえるケースも

  • 「子どもが枝で怪我をしそうで危ない」
  • 「枝葉のせいで信号や標識が見えにくい」

以上のような場合は、市町村または土木事務所に相談してみましょう。
管理を任されている土木事務所などが現地を確認のうえ、必要と判断すれば剪定(せんてい)してくれます

  • 「街路樹の枝が電線や電話線にかかっている」

この場合、電力会社やNTTが剪定(せんてい)をおこなうこともあるようです。
やはり、市町村または土木事務所に相談してみるのがおすすめです。

まとめ
  • 街路樹の剪定(せんてい)の必要を感じたときは、市町村または実際に道路の管理を任されている土木事務所などに連絡しましょう。
  • 個人的な事情での街路樹の剪定(せんてい)には、応じられないことが多いようです。

街路樹の役割って何?

街路樹ってどうして必要なんだろう。
街路樹の役割って何?

街路樹には、

  • 景観(彩り・季節感)
  • 環境(日差し緩和・環境問題に貢献)
  • 交通(交通安全に貢献)
  • 防災(延焼や家屋の倒壊防止)

といった複数の面で重要な役割が期待されています。

景観における街路樹の役割

街路樹は、私たちの生活に彩りを与えてくれます。
無機質なアスファルトやコンクリートのなかに木々の緑が目に入り、ホッとした経験はないでしょうか。

また、街路樹は季節感をもたらしてもくれます。
四季の移り変わりを感じることは、生活の潤いや安らぎにもつながります。

環境における街路樹の役割

街路樹は夏の強い日差しをやわらげてくれます
汗をかいた子どもたちが、街路樹のつくる木陰で一休みしている光景を目にすることがあります。

街路樹はさまざまな環境問題にも貢献しています。
周囲の気温上昇を抑える効果はヒートアイランド現象の緩和に、CO2を吸収する作用は地球温暖化の防止につながります。

さらに、騒音を緩和する役割も期待されているようです。

交通における街路樹の役割

街路樹によって車道と歩道が分離され、歩行者の安全を守ります。
また、街路樹がドライバーの視線を誘導することで事故を防ぐ効果も期待されています。

防災における街路樹の役割

火災が起きたとき、街路樹には熱を吸収して火が燃え広がるのを防ぐ効果が期待されます。
また、万が一大きな地震が起きたときには、街路樹は家屋の倒壊を食い止める役割を担います。

以上のように、街路樹はさまざまな役割を担っています。
やはり大切に管理されるべき私たちの共有財産なんですね。

まとめ
  • 街路樹には、「景観」「環境」「交通」「防災」など複数の面で重要な役割が期待されています。

街路樹のデメリットは?

逆に、街路樹がデメリットになることはあるのかな?

街路樹があることで生じるデメリットには、

  • 落ち葉の清掃問題
  • 倒木による事故の不安

などが考えられます。

落ち葉の清掃問題

街路樹にまつわる不満でよく目にするのが、落ち葉の清掃問題です。

歩道に舞い落ちる落ち葉は街路樹の管理者が片付けてくれるわけではなく、地域の住民に清掃などの協力が求められるケースが多いようです。

その結果一部の住民に負担がかかることになり、市町村に「落ち葉の掃除が大変だから街路樹を切ってほしい」という要望が寄せられることもあるといいます。

倒木による事故の不安

街路樹は適切に点検・剪定(せんてい)などの管理がされているはずですが、稀に腐食による倒木が起こりえます。
倒れてきた街路樹が車を直撃する事故が起きたこともあるそうです。

さまざまなメリットも安全が確保されてこそ。
管理の徹底をお願いしたいですね。

まとめ
  • 街路樹のデメリットには「落ち葉の清掃問題」「倒木による事故の不安」などが挙げられます。

まとめ

  • 街路樹を勝手に切ったり故意に枯らしたりした場合、「器物損壊罪」や「道路附属物損壊罪」という罪に問われることがある
  • 街路樹は「道路の付属物」であり、街路樹の管理者は道路と同じ国・都道府県・市町村になる
  • 街路樹の剪定(せんてい)の必要を感じたときは、市町村または実際に道路の管理を任されている土木事務所などに相談する
  • 個人的な事情での街路樹の剪定(せんてい)は、対応されないことが多い
  • 街路樹には、「景観」「環境」「交通」「防災」など複数の面で重要な役割が期待されている
  • 街路樹のデメリットには「落ち葉の清掃問題」「倒木による事故の不安」などがある

街路樹が景観をよくするという効果以外にもいくつもの役割を担っていたとは!
街路樹は我々共有の財産という意味がよくわかりました。

やはり、個人の都合で勝手に切ったり枯らしたりしてはよくないですね。

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