【個人視聴率とは】どうやって調べてる?どのくらいが高い?目安の数字も知りたい!

第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の試合中継が、高視聴率を連発しているそうですね!
報道によれば、準々決勝は平均世帯視聴率が48.0%と今年放送された全番組の中で1位!
個人視聴率も30%を超えたとか。

ところで、この「個人視聴率」という言葉。
いつの間にか「世帯視聴率」と並んで使われるようになりましたが、実はまだよく意味を知らない人も多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では以下のような疑問についてまとめてみました。

個人視聴率とはどういうもの? 世帯視聴率と何が違うの?
個人視聴率、どうやって調べているの?
個人視聴率はどのくらいが高い? 目安は?
個人視聴率の1%って何人?

個人視聴率について気になる方は、ぜひ読んでみてください!

目次

個人視聴率とは? 世帯視聴率とどう違うの?

個人視聴率とはどういうものなのでしょう?
世帯視聴率との違いをもとに説明してみると、

「何世帯で見られていたか」を測定するのが世帯視聴率
「何人に見られていたか」を測定するのが個人視聴率です。

世帯視聴率と個人視聴率

家族全員がリビングに集まり、1台のテレビで同じ番組を見る。
以前はそういうことも多かったのですが、近年事情は変わってきました。

テレビは寝室や子供部屋にも置かれ、「一家に一台」とは限らなくなりました。
同じ家の中にいても、家族がそれぞれ別の番組を見ていることも増えました。

だとすると視聴率も、世帯ごとに計測するより、個人を対象に計測するほうが実態に近いのではないでしょうか?

これまで主に使われていたのは、世帯ごとに測定された世帯視聴率でした。
しかし近年、テレビ局などから「何世帯で見られていたか」ではなく「何人に見られていたか」を測定した個人視聴率を重視する動きが広まったようです。

個人視聴率は、どうやって計算されているの?

視聴率の計算方法を簡単に説明すると、以下のようになります。

世帯視聴率=(テレビを見ていた世帯の数)÷(テレビを所有している世帯の数)

個人視聴率=(テレビを見ていた人の数) ÷(人口

世帯視聴率を計算する場合、1つの家の中で何人がテレビを見ていても式は変わりません。
一方、個人視聴率の場合は、

  • 1つの世帯で、1人だけがテレビを見ていた
  • 1つの世帯で、3人がテレビを見ていた

このふたつの状況で、式と答えが変わってくるのです。

計算例

10世帯のうち、5世帯が「A」という番組を見ていた

この場合、「A」の世帯視聴率は以下のように計算されます。

 5(世帯)÷10(世帯)=0.5

パーセントで表すと、「A」の世帯視聴率は50%となります。
一方、個人視聴率を計算する場合、計算に必要となるのは世帯数ではなく人の数です。

人口25人のうち、5人が「A」という番組を見ていた

上のような場合、「A」の個人視聴率は以下のように計算されます。

 5(人)÷25(人)=0.2

パーセントで表すと、「A」の個人視聴率は20%となります。

個人視聴率を計算するときは、「その世帯に住む人の数」を数えます。

世帯視聴率が同じでも、個人視聴率は異なる場合がある

では、以下のような「B」という番組についてはどうでしょう。

10世帯のうち、5世帯が「B」という番組を見ていた
また、人口25人のうち、10人が「B」という番組を見ていた

「B」を視聴していた世帯の数は「A」と同じですね。

 5(世帯)÷10(世帯)=0.5

「B」の世帯視聴率は、「A」と同じ50%となります。

しかし、「A」と「B」では番組を見ていた人の数が異なるようです。
「A」は5人だったのに対して「B」は10人。

 10(人)÷25(人)=0.4

「B」の個人視聴率は、40%となります。

個人視聴率は「A」が20%、「B」が40%でした。
世帯視聴率は同じ2つの番組ですが、実は「B」のほうが多くの人に見られていたようです。

このように、個人視聴率を測定すると、世帯視聴率だけでは見えなかった部分が見えてくるようになるのです。

個人視聴率の計算方法を簡単に表すと以下のようになります。
  個人視聴率=(テレビを見ていた人の数)÷(人口)

参考:福岡放送Webサイト(https://www.fbs.co.jp/rating/)
   2023年3月19日参照

個人視聴率、どうやって調べているの?

個人視聴率は、ピープルメーターという測定機を使って調べています。
リモコン操作によって、誰がどの番組を見たかというデータを取得しています。

2020年4月から、視聴率の調査方法がすべてのエリアでPM式という方法に統一されたそうです。
PMとは、ピープルメーターという測定器のこと。
調査協力者のお宅にこの測定器を設置して、データを収集するそうです。

調査協力者はどうやって選ばれるの?

視聴率を調査しているビデオリサーチという会社が、ランダムに抽出しているとのことです。

誰がどの番組を見たかどうやってデータをとるの?

特別なリモコンを使ってデータを収集するそうです。

個人視聴率の測定には、「誰が」どの番組を見たかというデータが必要です。
そのためには、測定器を設置した家に住む人のうち、誰がどの番組を見たのか情報を集めなくてはなりません。
調査に協力する世帯では、テレビを見るときにそれぞれ特別なリモコンを操作するのだとか。
このリモコン操作によって、家族のうち誰がどの番組を見ていたか、個人のデータを取得することができるのだそうです。

個人視聴率って、調査対象は何歳から?

個人視聴率の調査は、4歳以上を対象としているようです。

ビデオリサーチのウェブサイトによると、調査世帯に住む4歳以上の人のデータが個人視聴率に反映されているようです。

個人視聴率はピープルメーターという測定機を使って調査されています。
・誰がどの番組を見たかという個人のデータは、リモコン操作によって取得されています。

参考:テレビ朝日公式サイト
   お役立ちコラム(https://www.tv-asahi.co.jp/ex/sales/column/rating/)
   2023年3月19日参照

個人視聴率ってどのくらい? 数字の目安は?

個人視聴率は、世帯視聴率より数字が小さくなります。
世帯視聴率の5〜6割がおおよその目安になるようです。

前述のように、個人視聴率は、世帯視聴率とはまったく別の計算式によって求められます。
そのため、当然数字も違うものになります。
しかし、だいたいこのくらいになるという目安はあるようで、それが世帯視聴率の5〜6割だということです。

個人視聴率は世帯視聴率より低くなる

数年前、テレビ局の局内に掲示された高視聴率獲得を祝う貼り紙が、SNSなどで話題になったことがありました。
「高視聴率獲得!」とありながら、貼り紙に大きく掲載されていた数字は5%、6%前後。
テレビ番組の視聴率低下がよくニュースになっていたこともあり、
「テレビ局は5%や6%で高視聴率と有難がるようになったのか」
とからかう声が多く寄せられていました。

もうおわかりでしょうか?
そうなんです。
実は、貼り出されていた数字は個人視聴率だったんですね。

すでにテレビ局内では世帯視聴率に代わって個人視聴率が使われるようになっていたようですが、一般視聴者にはまだそれが浸透していませんでした。
そのため、誤解が生じてしまったようです。

個人視聴率の数字は、世帯視聴率にくらべて低くなります。
個人視聴率と世帯視聴率では、高視聴率の目安となる数字も異なるのです。

個人視聴率は、世帯視聴率の5〜6割まで数字が小さくなるとされます。

個人視聴率、どのくらいが高いの?

では、個人視聴率はどのくらいが高いとされるのでしょう。
1週間に放送された番組を個人視聴率が高かった順に並べると、

上位の番組はだいたい6〜9%台を記録しているようです。

ただ、放送される時間帯などの条件によって、高視聴率とされる数字の目安も変わってくるでしょう。
その点は、世帯視聴率と同じですね。

個人視聴率の1%って何人?

  • 個人視聴率1%は、約42万2000人(関東地区)

ビデオリサーチによれば、個人視聴率の1%は、関東地区なら約42万2000人にあたると考えられているそうです。
1%でもすごい人数ですね。

10%以下でも高視聴率

6〜9%台で高いとされる感覚には、慣れないかもしれません。
しかし、通常の番組で個人視聴率10%を超えることは、なかなか難しいようです。
10%あるいはそれ以上の数字を記録するのは、オリンピックなどのスポーツ中継や注目度の高い特別番組などが多いようです。

最近でも大きく報道されるのは世帯視聴率

たとえば、先日のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の視聴率。
個人視聴率も非常に高かったようですが、ほとんどのニュースは世帯視聴率を大きく報道していたように思います。

ニュースの見出しにするなら、インパクトの大きさを考えて高いほうを使いたくなるのかもしれません。
また、これまで長く世帯視聴率が使われてきましたから、過去の番組とも比較しやすく、わかりやすいのは世帯視聴率のほうだという判断もあるのでしょう。

長く使われてきた世帯視聴率の感覚はすぐには抜けません。
個人視聴率という測定方法を知らない人もまだいるはず。
たとえば「7%の高視聴率!」と報道しても、視聴者や読者にはぴんとこないという事態を招いてしまうおそれがあります。
そのため、個人視聴率が重視されるようになっていても、世帯視聴率の数字を報道することがあるようです。

通常の番組のうち個人視聴率が上位のものは、6〜9%台を記録していることが多いようです。
注目度の高い特別番組は、10%以上の高い数字を記録することもあります。

参考:Screens
   編集部 2021年11月8日(https://www.screens-lab.jp/article/27287)
   2023年3月19日参照

まとめ

  • 「何世帯で見られていたか」を測定する世帯視聴率に対して、「何人に見られていたか」を測定するのが個人視聴率である
  • 個人視聴率の計算方法を簡単に表すと「個人視聴率=(テレビを見ていた人の数)÷(人口)」となる
  • 個人視聴率はピープルメーターという測定機を使って調査されており、個人のデータは、リモコン操作によって取得されている
  • 個人視聴率は、世帯視聴率のおよそ5〜6割の数字になる
  • 通常の番組のうち個人視聴率が上位のものは、6〜9%台を記録していることが多い

いかがだったでしょうか。
同じ視聴率でも、世帯視聴率と個人視聴率ではいろいろと違いがあるんですね。
まだ馴染みの薄い個人視聴率について、少しでも疑問が解決できていれば幸いです!

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