日常生活では欠かせない食事。
自宅で食べる時もあれば、外食する時もありますよね。
記念日には、格式の高いお店を利用する人もいるでしょう。
そんな時、テーブルマナーを理解していないと相手やお店に対して失礼にあたる場合や、ゆっくりと食事を楽しむことができない場合が考えられます。
今回は、そんな時に役立つテーブルマナーについて日本料理と西欧料理の二点からお伝えします。
普段の生活から少しずつ意識して取り入れてみてください。
日本食のマナー
食事前に
日本食ではお店が座敷の場合もあるため、女性の場合はフレアスカートなどの足を崩した様子が見えにくい服装を選ぶと良いです。
また、テーブルを傷つける場合のあるアクセサリーや時計類は外します。
長い髪はまとめて、コートは入り口で着脱しましょう。
大きな荷物がある場合は、受付で預かってもらいます。
料理は五感で楽しむものであるため、香水やタバコなど他の香りには気をつけると良いです。
食事中に席を立つことのないように、お手洗いは事前に済ませておき、携帯もマナーモードに設定しましょう。
食事中
日本食は一般的に、前菜・椀物・刺身・焼き魚・煮物・ご飯・甘味の順番で運ばれてきます。
まず「前菜」では、器が小さい場合には器を持っていただきます。
次に「椀物」では、左手で椀を押さえて、右手で蓋を取ります。
もし蓋に水滴がついている場合は、椀の中に落としてから蓋を上向きにして左手で受け、右手に持ち替えて右側に置きます。
いただく際には、一口飲んでから椀種を食べるようにしましょう。
食べ終わりには、蓋をもとの状態に戻してください。
「刺身(生もの)」では、わさびは醤油に溶かず刺身につけます。
その後、刺身を醤油につけ、小皿を持っていただきます。
「焼き魚」では、切り身と尾頭付きの場合があります。
切り身は、端から一口大を取っていただきます。
尾頭付きは、ひれを外し頭の方からいただきます。
肩身を食べきった後は、裏返さずに骨を外して下の身もいただきましょう。
食べづらい時には指を使い、おしぼりで指を拭きます。
食べ終わった後には、骨類はお皿の中央に集め、懐紙を被せるとさらに良いです。
「煮物」は、お箸で一口大に切り分けていただきます。
煮物の汁が気になる時は、器を持って食べます。
最後に「ご飯」は、おかわりの際に一口ほど残してお茶碗を渡します。
お茶碗は両手で受け取り、一度お茶碗を置いて、改めて持ち直していただきます。
受け取った後そのまま食べることは「受け食い」「受け取り」というマナー違反となるため気をつけましょう。
懐紙の使い方
「懐紙」とは、懐に入れて持ち歩くための小ぶりで二つ折りの和紙です。
和食や茶席の際に使用することが多いため、携帯しておくと便利です。
和食では、以下の使い方が挙げられます。
- 受け皿
二つ折りにして、折り目を自分の方へ向けて使用します。手皿はマナー違反にあたるため、受け皿が必要な際には懐紙を使いましょう。 - 口、指をぬぐう
- 口元を隠す
魚の骨や果物の種を口から取り出す際には、懐紙で口元を隠します。 - 焼き魚を押さえる時
焼き魚の骨を取る際に、懐紙で魚を押さえると手の汚れを防ぐことができます。 - 食べ終えた後の魚の骨などを隠す
- 杯や箸をぬぐう
箸の使い方
箸の上げ下ろしは必ず両手で行います。
- 持ち方
箸を利き手で持ち上げ、利き手と反対の手を箸の下に添えます。利き手を横に滑らせて箸を下から持ち、人指し指と中指で挟んだ上の箸のみ動かして使用します。 - 置き方
利き手で箸を持ったまま、反対の手を箸の下に添えます。利き手を滑らせて箸を上から持ち、反対の手を離してそのまま置きます。 - 箸と器を持つ時
器を利き手で持ちます。反対の手に器を持ち替え、利き手で箸を持ちます。箸先を利き手と反対の手の薬指と小指に挟み、利き手を横に滑らせるようにして箸を持ち替えます。 - 良くない箸の持ち方
付き箸、刺し箸、渡し箸/、迷い箸、寄せ箸、探り箸、握り箸、舐り箸、込み箸、逆さ箸、差し箸、そら箸、竹木箸、こすり箸、たたき箸、立て箸、ちぎり箸、振り箸、もぎ箸、楊枝箸
これらは嫌い箸と呼ばれ、マナー違反の箸の使い方となるため気をつけましょう。
西欧料理のマナー
食事前
コートや大きなバッグは受付(クローク)で預けます。
食事の途中で席を立つことが無いように、事前にお手洗いを済ませておきます。
ワイングラスに口紅が付かないようにティッシュオフしておくと良いですね。
椅子には、左側から座り、立ち上がります。
女性用の小さめバッグは、椅子の背もたれの前に置きます。
テーブルとの間隔は握りこぶし二つ分くらいあけ、脚や腕を組む行為やひじをつくのはNGです。
食事中
- お肉
-
洋食では、お肉の焼き加減を選ぶことができます。
レア:表面に焼き色を付け、中心部は生の状態
ミディアム:程よく全体に火を通し、中心部は半生の状態
ウェルダン:中心部まで火が通り、しっかり焼き上げた状態お肉の食べ方は、左端から一口大に切って、切った分だけフォークで食べます。
一度にお肉を2、3切れ切っておき、ナイフをフォークに持ち替えて利き手で食べることも可能です。 - パン
-
パンはかじらずに、一口サイズにちぎって食べます。
バターを塗る際には、一度パンのお皿にバターを取り、パン皿の上でバターを塗ります。
格式のあるフォーマルなお店では、パンを料理のソースやスープに付けて食べることは控えましょう。 - ワイン
-
選び方
好みのワインを選ぶことも良いですし、あまりワインに詳しくないという方はお店のソムリエの方に頼むことがおすすめです。
その際には、以下3点をお伝えすると好みに近いワインを選んでもらうことができます。- 予算
- アルコール度数
- 好みのテイスト(甘口・辛口)
ワインが運ばれてきたら、ボトルのラベルとオーダーが合っているか確認します。
その後、ワインの味や香りを確認するテイスティングをします。
品質に問題がなければ、ソムリエの方に「結構です」と伝えます。
この時に、好みの味では無かったと言って、ワインを交換してもらう行為は控えましょう。注ぐときワイングラスはテーブルに置いたまま、ソムリエやサーバーまたは同席者にそそいでもらいます。
自分自身で注ぐことは控えましょう。
グラスの4分の1、一番膨らんでいるところを目安に注ぎます。飲むとき乾杯の際には、グラスを胸の高さに持ち、相手の顔を見て「乾杯」と言います。
グラス同士をぶつけないでください。
グラスの持ち方は、日本ではステム(細い部分)を、海外ではボウル(膨らんでいる部分)を持つため、状況に合わせて対応します。
テイスティング
「テイスティング」とは、ワインの栓を開けたときに状態を確かめるために飲むことです。
- 親指、人差し指、中指の指先でグラスの脚を持ち、向こう側に少し倒してワインの色を見ます。
- グラスの縁に顔を近づけて香りを確かめます。
- グラスの脚を人差し指と中指で挟んで、反時計回りに回しワインと空気を混ぜます。
- もう一度香りの変化を確かめます。
- ワインを口に含み、ゆっくり息を吸い込みながら味を確かめます。
- 品質に問題が無ければ、ソムリエに「結構です」と伝えます。
グラスに口紅がついた際には、親指と人指し指でグラスの縁を滑らすようにふき取り、ナプキンで指を拭きます。
カトラリーの使い方
テーブルに並べられている状態で、外→中の順番で使用する。
デザート用のカトラリーは、真ん中のお皿の奥に置かれています。
カトラリーは脇を締めて持ち、ナイフの背には人差し指を添えます。
フィッシュナイフの場合のみ、ペンの持ち方で持ちます。
食事の途中では、皿の上にハの字になるように置き、ナイフの刃は手前側に、フォークは下向きに置きます。
スープを飲む際には、スプーンを手前から奥へ動かし、スプーンの横側から飲みます。
ご飯をフォークで食べる際には、フォークの腹に乗せます。
食べ終わった後は、ナイフとフォークを3・4時の位置に置きます。
この時はフォークを上向きにします。
ナイフレストがある場合には、ナイフの刃を左側に向け、フォークは上向きに置きます。
もしもカトラリーを落としてしまった場合は、自分で拾わず、お店の方を呼んで拾ってもらいましょう。
ナプキンの使い方
取るタイミング
タイミングは状況によって変わるため注意しましょう。
パーティなどでは、乾杯が済んでから取ります。
上司や主賓がいる際には、その方々が取ってからです。
それ以外の場合は、席についてすぐに取って良いです。
ナプキンを取ったら、二つ折りにして山になった側を自分のお腹側に向けて、膝の上に置きます。
主にナプキンを使用する場面は、二つあります。
口を拭う時と手を拭く時です。
その際には、二つ折りにしているナプキンの内側上部を使用します。
中座する時には、椅子の上に軽くたたむ、または背もたれにかけます。
落とした時には自分で拾わず、お店の人に拾ってもらいましょう。
また、同席している人が落としている場合には、気づかないふりをします。
これは、相手に恥をかかせないためです。
(参考)テーブルマナー|マナー事典|NPO法人日本サービスマナー協会 (j-manner.com)
(参考)エレガントな大人のテーブルマナー!カトラリーの正しい使い方講座!| キッチンTips (kitchen-tips.jp)
まとめ
- マナーは食事前から始まっている
- 料理によってマナーを使い分ける
今回は、日本料理と西欧料理のマナーについてお伝えしました。
それぞれに特徴がありましたね。
マナーはあくまでも、その場の雰囲気や料理を楽しむうえで必要となる知識です。
マナーを意識しすぎて、食事が楽しめないという状態にならないように気をつけてください。
練習をかねて普段の生活に少しずつ取り入れ、マナーに慣れていきましょう。