教員免許を取得するつもりの人や取得するかどうか迷っている人のなかには、卒業後すぐに先生になるつもりはない人もいるでしょう。
先生にならない場合、教員免許は持っているだけということになります。
教員免許って、持っているだけでも何かメリットになるのでしょうか?
のちのち「とればよかった」「とらなきゃよかった」となるのは残念。
教員免許を持っていることのメリット・デメリットについてまとめたこちらの記事で、ぜひ下調べをしてみてください!
教員免許、持ってるだけでもメリットある?
教員免許を取得したけど、先生にはならないつもり。
教員免許って持ってるだけでも何かメリットはありますか?
たとえ教員にならなくても、教員免許を持っていることで得られるメリットはあります。
せっかく持っている教員免許、上手に活用できるといいですよね!
メリットその1 履歴書に書ける!
履歴書に書けることが少なくて困ってしまった経験はありませんか?
教員免許を持っていれば、履歴書の「免許・資格」の欄に記入することができます。
業種によっては教員免許を持っていることが多少なりともアピールにつながる可能性も。
アルバイトやパートの面接担当者が「しっかりした人」という印象を持ってくれることもあります。
教員免許状などを確認して正式名称を記入するようにしてくださいね。
メリットその2 非常勤講師ができる!
非常勤講師は、時間給で授業をおこなうアルバイトのような”先生”。
教員として本格的に就職するつもりがなくても、教員免許を持っていれば非常勤講師として学校で働くことができます。
普通のアルバイトとくらべると時給が高いのがうれしいポイント。
しかし、授業がない期間は時給も発生しないため収入が安定しない点には注意が必要です。
メリットその3 いつでも教員になれる!
今は教員になることを考えていなくても、今後状況や考えが変わるかもしれません。
教員免許を取得さえしていれば、後日先生になることも可能です。
一般企業で働いたのち、先生になることもできるんです。
将来の選択肢が広がりますね!
あとで「とればよかった」と後悔しないように、将来的に教員になることを少しでも考えている場合は取得を検討してみましょう。
メリットその4 相手の信頼を得られることがある!
仕事の相手や初めて会った人から、思わぬきっかけで信頼を得られるケースがあります。
特に年配の方など、教員免許を持っていると知ると「この人はしっかりした人なんだな」という印象を持ってくれることが。
教員免許の話をきっかけに、相手の態度が柔らかくなった経験が私にもあります。
- 教員免許を持っていることで得られるメリットには、
「履歴書に書ける」
「非常勤講師ができる」
「いつでも教員になれる」
「相手の信頼を得られることがある」
などが考えられます。
教員免許を持っていることがアピールポイントになるのはどんな業種?
たとえばどんな業種で、教員免許がアピールポイントになりますか?
塾講師・家庭教師をはじめとした教育関連、おもちゃや育児用品といった子どもに関連する業種などが考えられます。
塾講師・家庭教師
塾講師や家庭教師といった生徒に勉強を教える仕事に興味がある場合、教員免許を持っているとアピールポイントになるでしょう。
私も塾講師の面接を受けたことがあり、履歴書の「免許・資格」欄に教員免許を記入して持参しました。
未経験ながら採用していただけましたが、教員免許を持っていたのがアピールにつながったのかなと想像しています。
教育関連の業種
直接生徒に勉強を教える以外にも、教育に関連した仕事はあります。
たとえば教育関連の出版社、学習塾の事務員など。
教員とは仕事の内容が異なるため大きな効果はないかもしれません。
しかし、「教育に関心を持っている」「教育について勉強してきている」という熱意や経験は伝わるはずです。
子どもに関連する業種
教員免許の取得を目指す過程で、教育心理学なども勉強します。
子どもの心理や行動について勉強したことがアピールポイントになる業種はあるでしょう。
たとえば、おもちゃや育児用品をあつかう店舗・企業などです。
生徒に勉強を教えられるといってもあまり評価されないかもしれませんが、子どもの心理や発達・行動について勉強した点はアピールできるはずです。
- 教員免許を持っていることがアピールポイントになる業種には、
「塾講師・家庭教師」
「教育関連の業種」
「子どもに関連する業種」
などが考えられます。
逆に、教員免許を持っていてデメリットになることはある?
すぐに教員にならない場合、教員免許を持ってるだけでデメリットになることはありますか?
せっかくとった資格がデメリットになったりしたらショックですよね。
ただ持っているだけでデメリットになることはないはずです。
しかし、一般企業への就職活動では、教員免許を持っていてもメリットが薄い可能性がある点は注意が必要です。
一般企業への就職活動でメリットを得られることは少ない
教育や子どもに直接関連のない一般企業への就職活動では、教員免許が高い評価につながることは少ないようです。
評価が上がらないばかりか、「教員免許があるのに教員を目指さないのはなぜ?」とツッコまれる羽目になるケースも。
教員免許を履歴書に記入する場合、「教員免許を取得した理由」と「一般企業に就職を希望する理由」を用意して面接に臨むのがおすすめです。
取得過程で得たスキルをアピールする手も
教員免許自体があまり評価されないなら、教員免許を取得する過程で得たスキルをアピールするという手もあります!
特に、実際に学校へ出向いて生徒とかかわる教育実習は貴重な経験。
これまでにない体験を通して身についたスキルがきっとあるはず。
その中から、目指す業種・職種でいかせるものを見つけてアピールしましょう。
例1 リーダーシップ
教育実習では授業をおこなうだけでなくクラス活動にも参加します。
特別活動や運動会の練習でクラスやグループの指導を任されることもありました。
自由奔放な子どもたちに同じ方向を向いて行動してもらうには、前に立って引っ張っていく力が必要でした。
教育実習の期間を通して磨かれるスキルには、リーダーシップもあると思います。
例2 プレゼンテーションスキル
どうしたら子どもたちが関心を持ってくれるか、飽きないで授業に参加してくれるか。
教育実習生は毎日頭を悩ませながら学習指導案を作成します。
話の切り出し方や展開を工夫しながら改善していくうちに身につく可能性があるのは、プレゼンテーションスキルです。
仕事をするうえで必要なスキルの向上を具体的にアピールできるでしょう。
取得するまでの苦労にメリットが見合っていない
スキルアップをアピールできたとしても、それが教員免許取得までの苦労に見合うメリットだとは感じられないかもしれません。
教員免許を取得するのは決して簡単ではないからです。
大学が教育学部ではない場合、教員免許を取得するために必要な単位を別に履修しなければなりません。
当然ながら教員免許を取得しない場合とくらべて学生生活は忙しく、余裕が少なくなります。
教育実習は特に大変
さらに大変なのは、教育実習です。
もちろんかけがえのない経験になりますが、毎日帰宅するころにはへとへとになることも。
しかも私の場合、教育実習期間と課題の提出期限が重なってしまった講義がありました。
帰宅後翌日の学習指導案を作成してから大学の課題も進めなければならず、睡眠時間が削られてしまいました。
就職活動との両立
教育実習と就職活動の時期が重なると、2つの両立が必要になります。
しかし、教育実習期間中に身を入れて就職活動をするのはなかなか厳しいように思います。
日中は慣れない授業とパワフルな子どもたちの相手で疲れ果て、帰宅後も授業の準備に追われてなかなか休めません。
さらに、企業の面接と教育実習の日程が重なってしまって慌てることもあるとか……。
大変な思いをして取得した教員免許が一般企業への就職活動でメリットにならない可能性がある点には、十分注意しておきたいところです。
- 大変な思いをして取得した教員免許も、一般企業への就職活動ではメリットにならない可能性があります。
教員免許を持ってるだけで先生になれる?
教員免許を持っていれば、すぐ先生になれますか?
非常勤講師などを除いて、教員免許を持っているだけでは学校の先生にはなれません。
教員になるためには、教員採用試験を受験して合格する必要があります。
教員採用試験の受験が必要
「教員免許、持ってるだけでもメリットある?」の項目で、教員免許を持っていればいつでも教員になれると書きました。
しかし、教員免許をもっているだけで先生になれるわけではありません。
正規雇用の教員になるためには、自治体ごとに実施される教員採用試験を受験しなければなりません。
試験に合格すると自治体の名簿に登録され、必要に応じて各学校に配属されようやく先生として働けます。
教員採用試験の難易度は地域によって異なる
以前は教員採用試験といえば難関で、大学4年生で受験した教育学部の友人たちも合格できたのはほんの僅かでした。
しかし、教員不足が問題となる現在は倍率が低下しているとか。
以前より合格しやすくなっている可能性はありますが、教員採用試験の難易度は地域や教科によってさまざま。
そして、やはり入念な準備が必要です。
- 非常勤講師などを除いて、教員免許を持っているだけでは学校の先生にはなれません。
教員採用試験を受験して合格する必要があります。
まとめ
- 教員免許を持っていることで得られるメリットがある
- 教員免許を持っていることで得られるメリットには、「履歴書に書ける」「非常勤講師ができる」「いつでも教員になれる」「相手の信頼を得られることがある」などがある
- 教員免許を持っていることがアピールポイントになる業種は「塾講師・家庭教師」「教育関連の業種」「子どもに関連する業種」などが考えられる
- 教員免許を持っていても、一般企業への就職活動ではメリットにならない可能性がある
- 教員免許を持っているだけでは正規雇用の教員にはなれないため、教員採用試験に合格する必要がある
教員免許を持っていることで得られるいくつかのメリット、魅力を感じるものはありましたか?
もし教員にならなくても、資格の取得までに得た知識や経験は無駄にはなりません。
せっかく取得した資格をうまく活用しながら前進していきたいですね!