近年スタバなどでもプラスチックストローの代わりに紙のストローが使われていますよね。
環境のためを思って世間はプラスチックのストローから紙のストローに移行していっているという流れのようですが、この紙ストロー、「エコじゃない」「意味がない」「有害」とまでいわれています。
紙ストローは本当にエコじゃないのでしょうか?意味がない、有害だと言われている理由についてまとめました。
紙ストローが使われるようになったのはいつから?
知らないうちにプラスチックストローが紙ストローに置き換わっている店が増えたような気がします。紙ストローが使われるようになったのはいつからなんですか?
すべての企業がプラスチックストローを導入したわけではありませんが、大手企業などが紙ストローを導入しはじめたのは、おおむね2018年以降です。
当時テレビやネットでも紙のストローのことがたくさん取り上げられ、話題性もある印象でした。
紙ストローを導入した大手企業
- スターバックス
- マクドナルド
- ディズニー(米)
- すかいらーくグループ
- 三井住友海上火災保険
- IKEA
名だたる大手企業が紙ストローを導入しています。
なぜ紙ストローを導入しはじめたのでしょうか。
海洋プラスチックごみ問題
紙ストロー導入の背景には海洋プラスチックごみ問題があります。
海洋プラスチックごみ問題とは、きちんと処理がされないまま自然界に流出してしまったプラスチックが自然界の生態系や環境などを破壊してしまう問題のことです。
プラスチック製品は汎用性が高く、様々なものに利用されています。
レジ袋や食品を包むための包装材、ペットボトルなどもすべてプラスチックで出来ており、こういったプラスチックはたいてい使い捨てです。
衛生面を考慮した過剰な包装などにより、プラスチックの生産量は増加している傾向にあります。
適正な処理が行われれば、汚れていないプラスチックは再びプラスチックを作る原材料として利用することができたり、汚れていても産業廃棄物として焼却・埋立て処理を行うなど、何らかの処理をおこなうことができますが、適正な処理がおこなわれなかった場合は海に流れ着くことが多いのです。
海に流れ着くゴミの割合はプラスチックゴミが6割を占めています。(H30年)
さらにその中の7〜8割は、街から流れ出したプラスチックゴミです。
プラスチックゴミを減らす一環でプラスチックのストローを紙のストローへ置き換えていくという企業も増えていきました。
次項ではストローの歴史について少しふれていきます。
元祖ストローは紙だった
元来ストローというと、麦の穂を切り取った麦わらが原材料でした。
1888年にアメリカでマービン・ストーンという方が飲用ストローを特許申請したことがストローの始まりです。
それより前にも古代シュメール人がイネ科のアシの茎を使用してビールを飲んでいたこともあったようで、ストロー自体は1800年代に作られたもののようです。
日本も当初は紙ストローだった
このように、ストローは元々紙で作られたものでした。
日本でも1901年には麦わらを原材料としたストローが作られ始め、1950年代後半頃までは喫茶店やカフェなどで紙のストローが使われていました。
プラスチックのストローが出来たのはいつ?
元々紙製だったストロー。
プラスチックのストローが主流になったのはいつからですか?
プラスチックのストローは1957年イタリアで誕生しました。
その後、日本でもプラスチックのストローが主流になり、現在に至ります。
紙ストローからプラスチックストローへ、そしてまた紙ストローに注目が集まったんですね!
紙ストローの意味がないといわれている理由
海洋プラスチックごみを減らす一環でプラスチックのストローが紙ストローへ変わっていく企業がある中で、紙ストローは意味がないという声も聞こえてきます。
どういうことなのでしょうか?
生産コスト・エネルギー消費が高い
紙のストローは木材から作られており、木材を加工するのはプラスチックを加工、製造するよりも手間やコストがかかります。
紙のストローを製造するには特定の工程が必要であり、これもプラスチックのストローを作るよりもコストがかかるため、そこまでして紙のストローを作る意味はあるのかという声があります。
リサイクルの難易度が高い
紙のストローは、当然紙を使用しているためストローに使用した飲み物が浸透します。
そうなると、リサイクルが難しい場合があるようです。
プラスチックのストローであればリサイクルに回すこともできるため、リサイクルの面を考えると、紙のストローってどうなの?と思う声もあるのかもしれません。
分別されなければ意味がない
飲み物にさして使うストロー。
飲み物を入れている容器や蓋はプラスチック製という場合も多く、ストローをさしたまま捨てられてしまえばせっかく紙で作られたストローもあまり意味がなくなってしまいます。
紙ストローは有害なのか?
紙ストローが有害という声もあがっていますが、ただの紙なのにどうして有害なのですか?
プラスチックを削減できるという面に焦点を当てると紙ストローは環境に優しいと思われがちですが、紙ストローに有害な物質が含まれているらしいのです。
それが「PEAS」とよばれる化学物質です。
PEASは、フッ素原子が結合した有機化合物です。
PEASを使うことによって防水や耐熱などの特性を持っていますが、PEASは分解が難しいため環境や健康に悪影響を及ぼす可能性があるといわれています。
最近では竹製のストローや、ステンレス製のストローなどもあり、紙ストローはまだまだ改善の余地がありそうです。
紙ストローのデメリット
最後に、紙ストローのデメリットについてまとめていきます。
味がまずい
紙ストローは、プラスチックのストローと違い、紙特有の風味を持っています。
気にならない方は良いのかもしれませんが本来の味に紙特有の風味が付くことに抵抗がある方もいます。
紙がふやける
耐水性や耐熱に優れた紙ストローですが原材料は紙です。
それゆえに長時間使用すると紙がふにゃふにゃになってしまうことがあります。
そして、そのままふやけた紙ストローの破片を食べてしまう、なんてことにもなりかねません。
紙ストローのコストで商品が値上がり
プラスチックのストローよりもコストがかかる紙ストロー。
紙ストローは環境に優しいといわれていますが、紙のストローを導入することで商品を提供する店側のコストが上がるため、ドリンクの値上がりの可能性もあります。
何事もメリットとデメリットはつきものですね
まとめ
- 大手企業などが紙ストローを取り入れるようになったのは2018年以降から
- 紙ストローを導入している大手企業には、スターバックスやマクドナルド、すかいらーく、三井住友海上火災保険などがある
- 紙ストローが導入されるようになったのは海洋プラスチック問題があるから
- 紙ストローの意味が無いと言われている理由に生産コストやエネルギー消費が高いことが挙げられる
- プラスチックストローに比べてリサイクルの難易度が高い
- そもそも分別されなければ意味がない
- 紙ストローが有害だと言われている理由に紙ストローの耐水性や耐熱性を上げるために使用されている「PEAS」という化学物質がある
- 「PEAS」は分解が難しく、環境や健康に悪影響を及ぼす危険性があるといわれている
- 紙ストローのデメリットは、味がまずい、紙がふやける、商品の値上がりが懸念される。などがある
いかがでしたか?今回は紙のストローについて調べてみました。
ストローは1本1本が小さなものですが、多くの人が使えばとんでもない量になります。
将来の環境のため、常に自分はどうするのがいいのかというのを考えながら日々生活していきたいと思います。