ソロアーティストのAdoさんが、東京・国立競技場でライブを開催することが発表されました。
東京オリンピックが終わって数年、新国立競技場でコンサートを開催したアーティストの数はほんのわずかです。
コロナ禍に課された制限もすでに解除されているのに、なぜ新国立競技場で開催されるコンサートは少ないのか?
新国立競技場でコンサートができないのにはどんな理由が考えられるのか調べてみました!
新国立競技場はキャパが大きすぎてコンサートができない?
新国立競技場ってすごく広いんですよね。
キャパが大きすぎて集客が難しいんじゃ…?
新国立競技場で開催されるコンサートの動員数は、6万人以上と考えられます。
1日に6万人以上を動員できることが実質的な条件となるため、新国立競技場でコンサートができるアーティストの数は限られるといえます。
新国立競技場のキャパは6万人以上
会場名 | 座席数 | ライブ動員数例 |
---|---|---|
国立競技場 | 67,750席※ | 6万人 |
https://www.jpnsport.go.jp/kokuritu/
(2023年9月19日利用)
新国立競技場のキャパシティ、いわゆる「キャパ」はどれくらいなんでしょう?
新国立競技場に設けられた座席の数は67,750席です。
ただ、コンサートやライブの場合ステージ構成によって座席数が変化します。
ステージ構成上、客席の一部を潰すこともありますし、アリーナ席が設けられるとすれば実際の客席数はもっと多くなるでしょう。
8万人を動員できる可能性も?
旧国立競技場では、L’Arc〜en〜Cielが1日に8万人を動員したそうです!
新国立競技場も8万人の動員が可能だとすれば、このキャパを埋められるアーティストはなかなかいないかもしれません。
実績は6万人
新国立競技場がライブで8万人を動員した実績はまだありません。
新国立競技場初の有観客ライブとなった矢沢永吉さんのコンサートは、初日動員数が6万人と報じられています。
つまり、新国立競技場でライブをおこなう場合、少なくとも6万人は収容できるようです。
日産スタジアムや東京ドームとの比較
会場名 | 座席数 | 動員数の例 |
---|---|---|
日産スタジアム | 72,327席※1 | 7万5,000人 |
国立競技場 | 67,750席※2 | 6万人 |
東京ドーム | 55,000人※3 | 6万7,000人 |
https://www.nissan-stadium.jp/stadium/gaiyo.php
※2 引用元:独立行政法人日本スポーツ振興センターホームページ
https://www.jpnsport.go.jp/kokuritu/
※3 引用元:東京ドームシティ
https://www.tokyo-dome.co.jp/dome/about/
※3 「収容人数」を記載
(2023年9月19日利用)
新国立競技場のキャパを日産スタジアムや東京ドームと比較してみました。
新国立競技場はまだ有観客ライブの実績が少ないですが、やはり座席数以上の動員は可能といえそうですね。
ちなみに、日産スタジアムで1日に7万5,000人を集めたのはB’z、東京ドームの最多動員数6万7,000人を記録したのはKinKi Kidsだそうです。
- 新国立競技場で開催されるコンサートの動員数は、6万人以上と考えられます。
- 1日に6万人以上を動員できることが実質的な条件となるため、新国立競技場でコンサートができるアーティストの数は限られるといえます。
新国立競技場は天然芝だからコンサートができない?
新国立競技場って天然芝ですよね。
あんまり頻繁にコンサートで使ったら芝がダメになっちゃうんじゃ?
たしかに、新国立競技場は天然芝のグラウンドです。
そのため、芝を守るためのルールが厳格に定められている可能性は十分考えられます。
使用時期やステージプランによっては、開催を希望しても実現できなかったコンサートがあるかもしれません。
天然芝を保護するためのルール
人工芝にくらべて選手の足腰にかかる負担が少ないという天然芝ですが、天然ゆえに管理には非常に気を使うそうです。
ライブでダメージを受けた芝での試合を余儀なくされ、サッカーファンが憤慨したケースもあったとか。
そのため、天然芝のグラウンドを持つ会場でコンサートをおこなう場合、厳格なルールが定められている可能性があります。
新国立競技場も天然芝
新国立競技場も天然芝のグラウンドです。
スポーツの試合のために大切に管理されているはずですから、新国立競技場にもコンサートをおこなう場合の厳しいルールが定められている可能性は考えられます。
使用時期や希望するステージプランによっては、開催が難しいこともあるかもしれません。
天然芝の会場でライブを開催したB’zの場合
今年8月に味の素スタジアムで開催されたB’zのライブ。
芝生への立ち入りや客席設置時期など、設けられた厳格なルールを守りながらライブの準備を進める様子がツアー公式アカウントでレポートされました。
- 新国立競技場は天然芝のグラウンドなので、芝を守るためのルールが厳格に定められている可能性があります。
- 芝を守るためのルールとの兼ね合いで、コンサートの実現が難しいケースがあることも考えられます。
新国立競技場は使用料が高いからコンサートができない?
国立競技場って、使用料がすごく高いって聞きます。
だからあんまり使われないんじゃ…?
新国立競技場の使用料が高いという話はたしかにあるようです。
高額な使用料がアーティスト側の負担になっている可能性も考えられます。
新国立競技場の使用料は高い?
まず、新国立競技場の使用料は本当に高額なのでしょうか?
新国立競技場のホームページでは詳しい金額は公開されていませんが、2022年にリリースされた記事ではJリーグのケースについて次のようにあります。
リニューアルされた国立競技場の使用料は、1試合あたり1500万円とされる。FC東京の場合、味の素スタジアムの使用料は同1000万円と言われていて、つまりは全国でも高額な国立競技場で試合を開催するたびに負担が500万円増える計算になる。
引用元:Yahoo!ニュース オリジナル THE PAGE
https://news.yahoo.co.jp/articles/2d5cffc0757d6045de95e687befe98bb69bf936a
文責・藤江直人氏
2022年4月30日更新
記事によれば新国立競技場でJリーグの試合を開催するには1試合につき1,500万円かかり、その額はやはり全国的にも高額だとのこと。
また、2021年にはこんな記事もリリースされています。
旧国立は客席をメインスタンドのみ使用する自治体などのスポーツ大会は50~100万円、入場料の10%と広告掲出料の支払いが派生する陸上の日本選手権などは300~400万円、サッカーJリーグは1000~1500万円、コンサートは実演日が3150万円ということになっていたが、新国立はそれをはるかに上回る高額設定が確実視されている。
引用元:東洋経済オンライン
https://toyokeizai.net/articles/-/478145
著者・元川悦子氏
2021年12月22日更新
こちらの記事によれば、建て替え前の旧国立競技場の段階でコンサートの使用料金が3,150万円かかったといいます。
ドームの使用料と比較してみると3,150万円はやはり高額といえそうです。
会場名 | 使用料(円) |
---|---|
京セラドーム(アリーナ・コンサート使用時基本料金) | 1,400万 |
東京ドーム(土日祝日全面使用時基本料金) | 2,420万 |
https://www.kyoceradome-osaka.jp/use_guide/arena/
出典:東京ドームシティ
https://www.tokyo-dome.co.jp/mice/
(2023年9月19日利用)
新国立競技場はさらに金額がアップしているという話ですから、やはり使用料は相当高いと推測できます。
コンサートを開催するには、会場使用料のほかにも多額の費用がかかります。
高額な使用料がアーティスト側の負担になっている可能性は考えられそうです。
- 新国立競技場の使用料が高いという話は、いくつかの記事に掲載されています。
- 記事の内容が事実であれば、高額な使用料がアーティスト側の負担になっている可能性も考えられます。
新国立競技場には屋根がないからコンサートができない?
新国立競技場には屋根がありませんよね。
雨が降ったら困るし、コンサートには使いにくいんじゃ?
新国立競技場には会場全体を覆う屋根がありません。
そのため、天気や気候の問題も考えられますが、騒音が原因で頻繁にコンサートが開催できない可能性もあります。
新国立競技場には屋根がない?
新国立競技場には、スタンドに設けられた客席の上あたりに屋根があります。
会場全体に屋根がかかっているのではなく、グラウンドにあたる中央部分はぽっかりと空いていて空が見える状態です。
エスコンフィールドHOKKAIDOのように、開閉式というわけでもありません。
当初の計画では開閉式の天井がつく予定でしたが、おもに予算の都合で今のデザインが選択されたそうです。
天気や気温の影響
客席の大部分には頭上に屋根が伸びているため、ある程度の雨や日差しを避けることはできるようです。
しかし、グラウンド部分はぽっかりと空いていますから、コンサートの場合アリーナ席やステージは雨の影響を受けるでしょう。
密閉空間ではないので空調の問題も考えられます。
新国立競技場に開閉式の屋根があれば、天候や気温に左右されずコンサートを含めたさまざまなイベントが開催できたという指摘もあります。
屋根がないとコンサートはできない?
とはいえ、新国立競技場以外の屋外スタジアムでもライブは開催されていますし、野外音楽フェスも人気です。
私も旧国立競技場で開催されたライブに行ったことがありますが、屋外ならではの感動がありました。
屋内の会場でおこなわれるコンサートにくらべて天気が気になるのは確かですが、雨が降るのを想定してあれこれと準備するのも楽しかった記憶があります。
雨が降ってもコンサートはできる!?
実際に雨が降った屋外ライブの映像も見たことがありますが、アーティストも観客も盛り上がっていたように思います。
もちろん楽器や機器にはよくないのでしょうが、雨すらも屋外ならではの醍醐味といえるのかもしれません。
屋根がないと開催が難しいイベントもあるでしょう。
しかし、コンサートについては「開催できない」とはいえないのではないでしょうか。
騒音問題
一方、屋根がないことで避けられない問題となるのが、騒音です。
コンサートの場合、天気よりもむしろ騒音のほうが影響は大きいのではないでしょうか。
音を遮る天井がない国立競技場でライブをおこなう場合、近隣住人に対する配慮は欠かせません。
旧国立競技場でコンサートの開催数が少なかったのも、騒音問題が原因だといわれています。
コスト削減のために屋根をつけなかった新国立競技場でも、頻繁にコンサートはできない可能性があります。
- 新国立競技場には会場全体を覆う屋根がありません。
- 屋根がない会場でコンサートをおこなう場合、大きな問題となるのは騒音です。
- 新国立競技場では、騒音問題への対策としてコンサートの開催数が少ない可能性があります。
まとめ
- 新国立競技場にはライブで6万人を動員した実績がある
- 1日に6万人以上を動員できることが実質的な条件となるため、新国立競技場でコンサートができるアーティストの数は限られると考えられる
- 新国立競技場で開催されるコンサートには天然芝を守るためのルールが厳格に定められている可能性があり、実現が難しいケースも考えられる
- 新国立競技場の使用料が高いという話はいくつかの記事に掲載があり、事実であれば使用料がアーティスト側の負担になっている可能性もある
- 新国立競技場には会場全体を覆う屋根がないため、騒音問題への対策としてコンサートの開催数が少ない可能性がある
なるほど…新国立競技場で開催されるコンサートが少ないのには「キャパ」「芝」「使用料」「騒音」などの理由が考えられるんですね。
Adoさんなら少なくとも動員数は問題なくクリアできそうです!
どんなライブになるのか楽しみですね!