このごろは街中に熊が出現したというニュースをよく目にしますよね。ある意味身近な存在になった熊ですが、熊のニュースの中でも大きく注目を浴びたニュースといえば「OSO18」ではないでしょうか。
駆除されるまでにおよそ4年という時間がかかったOSO18ですが、なぜOSO18は4年も捕まらなかったのでしょうか?
OSO18という名前の由来や、捕まらなかった理由、もし私たちがヒグマに遭遇した場合はどうすればいいのかなどの対策方法についてもまとめました。
OSO18の名前の由来は?
OSO18の名前の由来が気になります。恐ろしいのOSOですか?
私もそうだと思っていましたが、OSO18にはもっとちゃんとした由来があります。
OSO18(オソ)の名前の由来は、OSO18による最初の被害にあった土地が標茶(しべちゃ)町の下オソツベツだったところからきています。
オソツベツの「オソ」と、OSO18が残したと思われるヒグマの足跡が18センチだったところから「18」をとり、「OSO18」と名付けられました。
ちなみにヒグマ(オス)の足幅の平均サイズは15センチ前後なのでOSO18は平均よりもやや大きいようです。
OSO18の体重など
性別 | オス |
年齢 | 10~14歳 |
体重 | 330キログラム |
体長 | 2.2メートル |
体重の330キロは、三毛別羆事件という過去最大規模の熊害事件を引き起こしたヒグマに匹敵する重さです。
OSO18があらわれたのはいつ?被害を起こした場所はどこ?
OSO18が初めて被害を起こしたのは2019年の7月です。場所は標茶町の下オソツベツ。名前の由来になった土地ですね。
その他にも厚岸町で放牧されている牛などを襲っています。
標茶町から厚岸町まではおよそ43キロ離れています。
その距離を移動するとは…行動範囲が非常に広いですね。
OSO18はどれだけの被害をもたらしたのか?
OSO18は、2019年7月から2023年6月頃まで被害をもたらしてきました。
4年の間で被害にあった牛の数は「66頭」。そのうち「32頭」が亡くなっています。
1つの農場だけを襲うのではなく、いくつもの農場の牛を襲っていたようです。
数々の農場に被害が及んでおり、小さな農場では非常に大きなダメージとなりました。
いつOSO18があらわれるか分からないので、牛を放牧するのも怖いですよね。
OSO18に人間が襲われたという報告はありませんでしたが、牛を大量に襲うヒグマが自分の住んでいる近辺にいると思うと恐ろしくて外出することも躊躇われますね。
OSO18が仕留められたのはいつ?場所はどこ?
OSO18が仕留められたのは2023年7月30日です。
駆除された場所は釧路町仙鳳趾村オタクパウシの牧草地でした。
釧路町仙鳳趾村は厚岸町よりもさらに標茶町から離れており、OSO18は当初よりも行動範囲を広げていたようです。
OSO18はなぜ捕まらなかった?
これだけ甚大な被害を派手にもたらしてきたOSO18ですが、なぜ4年間も駆除されなかったのでしょうか。
要因は以下のようなことが考えられます。
- 学習能力が高い
- 用心深い
- 広範囲に移動している
OSO18は人間が仕掛ける罠には一切かかりませんでした。罠の種類や餌を変えても結果は変わらなかったそうです。また、移動する距離も非常に広範囲で、どこにいるのかが分からない状況だったことも駆除に時間がかかった理由の1つになりました。
警戒心が非常に強く、カメラを30カ所以上設置していたようですが、ほとんど姿を撮影することは叶いませんでした。
OSO18が初めてカメラに映ったのは2023年6月25日。OSO18を追って4年目にして、ようやく鮮明な写真を撮ることに成功しました。
忍者熊と呼ばれるのも納得ですね。
ヒグマに遭遇したらどうすればいいの?遭遇しないためには?
ヒグマのニュースを見るたびに怖い気持ちでいっぱいになります。ヒグマに遭遇したらどうすればいいのでしょうか?
まず、ヒグマの生息地は「北海道」のみです。道外に住んでいる方が遭遇する可能性はほとんどありません。
その代わりに本州には「ツキノワグマ」という熊が生息していますが、ヒグマよりも凶暴性が低いです。
そもそもなぜヒグマは人間を襲うのか?
ヒグマが人間を襲う理由は主に以下のとおりです。
- 人間を食べたことがあるヒグマが食料目的で襲ってくる
- 近くに子熊がいるので親熊が小熊を守るために襲ってくる
- 予想しないところで人間と遭遇してしまい、驚いて襲ってくる
- ヒグマのテリトリーに入ってしまったり、人間が持っている食料を目的に襲ってくる
人間を食料目的で襲ってくるヒグマの割合は少なく、予想しないところで人間と遭遇してしまい、驚いて襲ってくるケースが1番多いようです。
ヒグマと遭遇しないようにするには?
当たり前のことですが、熊とは遭遇しないのが1番です!
ヒグマと遭遇しないようにするには以下のようなことに気をつけることが大切です。
- ヒグマがいそうなところ(森など)に行かない
- やむを得ず森に入る場合はヒグマが活動する時間(早朝・夕暮れ・夜)を避ける
- ヒグマの目撃情報がある場所では周りに注意を払って歩く
- 熊鈴を持ち歩く
- ヒグマが寄ってきそうな食べ物の匂いを身の回りにつけない
- ヒグマの餌になりそうなもの(動物の死体等)の近くに近づかない
ヒグマに遭遇した時の対処法
やむを得ずヒグマと遭遇してしまった時はどうしたらいいですか?
熊と遭遇してしまった場合、怖くてその場から逃げてしまいたくなる気持ちは分かりますが、熊に背を向けて逃げ出してはいけません。
熊は本能的に追いかけてきます。
ヒグマは時速50キロで走ることができるので人間がどんなに全速力で走っても逃げ切ることはできません。
なので、遭遇した場合はまずヒグマに背を向けず、静かに後ずさりして立ち去ることが1番大切です。
それでもヒグマが襲ってきた場合は「熊よけスプレー」を使いましょう。こちらは、成分の中に唐辛子の辛み成分が含まれており、熊の目や鼻に噴射することで熊を怯ませることができます。
熊の弱点は「顔」です。熊よけスプレーがない場合でも襲ってきた熊の目を狙って顔を叩くなど、命が助かる行動をとりましょう。
大声を出して威嚇することが効果的な個体もいますが、すべてのヒグマに通じるとは限りません。
大切なのはヒグマと遭遇しないことです。
人間と熊が共存できれば良いのですが、熊も木の伐採などで住みかが少しずつおいやられています。それにより、森に餌などが少なくなっていることから人里に降りてくることが増えてきました。
なるべくならヒグマも人間とは遭遇したくないはずですから、ヒグマの特性を理解し、目撃情報がある場所にはなるべく足を踏み入れないようにしましょう。
まとめ
- OSO18の名前の由来はオソツベツのオソ、足幅が18センチだったことからつけられた
- OSO18により飼育されている牛が66頭襲われ、うち32頭が亡くなった
- OSO18が4年もの間捕まらなかったのは、学習能力が高く、用心深い性格で広範囲に移動していたため駆除に手こずった
- ヒグマに遭遇しないためには、ヒグマが出没しそうな場所や時間帯を避ける
- 遭遇してしまった場合は、背を向けずゆっくりとその場から立ち去る
- 遭遇してしまった場合は、熊よけスプレーなどで顔を狙って攻撃する
いかがでしたか?OSO18は牛を多く襲い、多くの被害が出てしまいました。
4年という歳月が経ち、ようやく駆除されたOSO18。
ヒグマとうまく共存するためにも、今後こういったヒグマが新たに出ないことを願うばかりです。