【特定外来生物】アメリカザリガニはなぜ日本にきた?どういう影響を及ぼすの?

アメリカザリガニは日本の特定外来生物に指定されています。「アメリカ」とついているくらいですから、アメリカザリガニの起源はアメリカですがいったいどのようにして日本にやってきたのでしょうか。

特定外来生物に指定されるほど影響力を持つアメリカザリガニが日本にもたらしている影響とはどんなことなのでしょうか。

アメリカザリガニを見つけたらどうすればいいかなども調べてまとめました。

目次

特定外来生物とは?

アメリカザリガニも指定されている特定外来生物とはいったい何ですか?

特定外来生物とは、日本の生態系を崩す恐れがある農林水産業の分野で被害を出す人間の生命や身体に悪い影響を及ぼすなどの問題を引き起こす危険性がある海外起源の外来生物を特定外来生物として指定しています。

特定外来生物は動物だけではなく、植物も指定されています。

特定外来生物に指定されるとどうなるの?

特定外来生物に指定されると以下のようなことが原則禁止になります。

  • 飼育や栽培、保管、野生の特定外来生物を持ち帰る(運搬)
  • 輸入(研究等の目的により許可を受けている場合は輸入が可能)
  • 特定外来生物を野生に放出、植樹等の行為(許可を得ている場合はその限りではない)
  • 飼育の許可を得ていない者に譲渡・販売

アメリカザリガニも特定外来生物ですが、アメリカザリガニは特定外来生物の中でもさらに「条件付特定外来生物」という項目に該当します。

条件付特定外来生物とは?

特定外来生物の中でも、特定外来生物に関する規制が一部適用除外になる「条件付特定外来生物」という項目があります。

現在条件付特定外来生物に指定されているのは、アメリカザリガニとアカミミガメの2種のみです。2023年6月1日より条件付特定外来生物に指定されました。

条件付特定外来生物と特例外来生物は何が違うんですか?

条件付特定外来生物は、特定外来生物では原則として禁止にされていたことが一部規制解除されます。

  • 一般家庭等で飼育すること
  • 無償で譲渡すること

条件付特定外来生物になると、この2点が可能になりますが、自身で飼育している条件付特定外来生物を飼育することが困難になったからといって野生に放流することは禁止されています。

1度飼育したら最期までお世話をしましょう。

特定外来生物と条件付特定外来生物の違いについては環境省が表を作成しています。

引用:https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/regulation/jokentsuki.html

アメリカザリガニはどうやって日本に来たの?

アメリカザリガニって、アメリカから来たんですよね?海を渡ってくるにも日本とアメリカはかなり離れていますが、どのようにして日本に来たんですか?

アメリカザリガニはもともとウシガエルの餌として昭和2年(1927年)に日本へ持ち込まれました。

ウシガエルも生態系に深刻な影響を及ぼす危険があるため、現在は特定外来生物に指定されていますが、当時はウシガエルが稲作を荒らす害虫を効率的に駆除することができると期待されていたため、日本に輸入されました。

養殖池で飼育していたウシガエルと餌用のアメリカザリガニでしたが、いつのまにか養殖池から逃げ出したアメリカザリガニが野生で個体を増やしていきました

逃げ出したアメリカザリガニもそんなに数は多くないはずですが、どうしてこんなに増えることができたんですか?

アメリカザリガニは非常に丈夫で、様々な環境に適応することができます。汚い水質にも耐えることができ、雑食のため、捕食するものを選びません。

産卵の数も多く、1度の産卵で300個から500個の卵を産みます。

アメリカザリガニが日本に与える影響とは?

アメリカザリガニは雑食性なこともあり、自分が住みかに決めた場所で暮らしている水生生物をたくさん捕食したり、水草を食べたりします。

水草が無くなると、水草に産卵したい水生生物は産卵することができなくなり、住みかもなくなってしまいます。それだけではなく、水草が無くなることによって今度はプランクトンが繁殖するため、水質が悪化してしまうのです。

外来種に比べて在来種は力の弱いものが多いので、あまりにもアメリカザリガニが増えすぎてしまうと在来種が絶滅してしまう可能性も出てきます。

アメリカザリガニは見た目もカッコ良く、子どもが外で見かけたら思わずテンションが上がってしまう生き物ですが、元々ある生態系を破壊してしまう危険性があるのです。

アメリカザリガニはどこにいる?見かけたらどうすればいいのか?

アメリカザリガニって具体的にはどこにいるんですか?

アメリカザリガニは日本の各地で見ることができます。環境省がおこなった既往調査記録によると、全都道府県で存在が確認されていました。

引用:https://www.env.go.jp/nature/amezari_keii.html

もっと真っ赤に染まっているかと思いましたが、意外と確認されていない地域も存在しています。

近所でアメリカザリガニを見かけた場合でも、アメリカザリガニを法律で持ち帰ることは禁止されていますので観察するだけにとどめておきましょう。違反がバレてしまうと罰則・罰金が科せられてしまいます

もし、アメリカザリガニを見過ごすことが不安な場合は環境省に問い合わせてみましょう。見つけた場所の環境によっては駆除を奨められることもあるかもしれません。

まとめ

  • アメリカザリガニは特定外来生物の中でもさらに「条件付特定外来生物」
  • アメリカザリガニが日本に来たのは昭和2年、ウシガエルの餌として輸入された
  • アメリカザリガニが増えると生態系が崩れ、在来種を絶滅に追いやる危険性がある
  • アメリカザリガニを見かけた場合でも持ち帰ることは禁止、野放しにしておくことが不安な場合は環境省に連絡をいれて指示を仰ぐ

アメリカザリガニを見つけた場合は、持ち帰らず黙って見過ごすか、生態系を崩されるのが不安な場合は環境省に連絡を入れましょう。

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