部活動の地域移行が推進されることになったとか。
以前から議論されていたといいますが、最近初めて耳にして戸惑っている人もいるのではないでしょうか。
部活動に励むお子さんを持つ保護者の方は、特に不安になりますよね。
そこでこの記事では、部活動の地域移行について気になる点をまとめてみようと思います。
部活動は廃止になるのか?
部活動の地域移行はいつから始まるのか?
中学校は?
高校は?
部活動の地域移行に対する疑問の解消を目指した記事となっています!
部活動が廃止される? 廃止になるのはいつから?
部活動の地域移行が始まるんですよね。
地域移行が進んだら、部活動は廃止になるんですか?
現段階で、「〇年後に部活動が廃止になる」と決まったわけではありません。
廃止にはならないの?
現段階で、「学校を拠点とした部活動」の完全廃止が決まったわけではありません。
「休日の部活動を学校ではなく地域のスポーツクラブなどでおこなおう(地域移行)」という取り組みが進められることになったところです。
今後、この取り組みが平日の活動にも及んだ場合、学校教育の一環という部活動の位置づけが変わる可能性は考えられます。
部活動の拠点が学校ではなくなる?
2022年、スポーツ庁と文化庁から、部活動の「地域移行」を進めていこうという方針が示されました。
これまで学校教育の一環として学校内でおこなわれるものという位置づけだった部活動。
これを徐々に地域を拠点とした活動に移行していこうというのです。
まず、運動部の休日の活動から移行が進められるそうです。
部活動の地域移行とは
たいていの場合、部活動は学校が活動の拠点で、指導者は教師です。
部活動の地域移行は、活動の拠点を学校から地域のスポーツクラブなどに移そうというもの。
指導をおこなうのも教師ではなく、学校外の指導員になります。
活動は学校単位に限らず、複数の学校の生徒が集まって活動することも想定されています。
- 現段階で、部活動の完全廃止が決まったわけではありません。
- 部活動の地域移行を進めていこうという取り組みが進められることになったところです。
部活動の地域移行はいつから始まるの?
子どもが運動部に所属しているから気になる…
部活動の地域移行がスタートするのはいつですか?
2023年から2025年の3年間で、休日の部活動の地域移行を進めるのが目標のようです。
部活動の地域移行、中学校はいつから?
部活動の地域移行は段階的に進められる計画です。
最初は、公立中学校の運動部からスタートするようです。
2023年から2025年の3年間のうちに、まず公立中学校運動部の休日の活動から地域移行を進めます。
東京都の一部地域など、週末の活動拠点をすでに地域に移している学校もあるようです。
部活動の地域移行、高校はいつから?
高校については、中学校ほど具体的な推進計画は立てられていないようです。
理由は以下の2点が考えられます。
- 高校は義務教育ではないこと
- 部活動が学校の大きな特色になり得ること
部活動が盛んな点が、進学先を選ぶ生徒にとって魅力に映ることもあるでしょう。
そのため、改善が図られるのが望ましいものの、移行の推進期間などは現段階では具体的に設けられていないようです。
- 2023年から2025年の3年間で、公立中学校運動部の休日の活動から部活動の地域移行が進められる予定です。
- 高校の部活動については、地域移行の具体的な目標は設けられていないようです。
部活動の地域移行を進める理由は?
なぜ部活動を地域に移行するんですか?
部活動の地域移行が進められることとなった主な理由には、
- 少子化の影響
- 教師の長時間労働
この2つの問題があると考えられます。
理由その1 少子化の影響
少子化は、部活動においても大きな課題の1つです。
部員数の不足が問題になっているからです。
少子化の影響で中学校に通う生徒が少なくなれば、部活動に参加する生徒も少なくなります。
その結果、活動するのに十分な部員が集まらない部活動が増えているそうです。
生徒の希望する部活動に思う存分打ち込ませてあげたいのに、部員が足りなくてそれがかなわないのはとても残念なことです。
たった1人で練習を続けた野球部員
先日、たった1人の野球部員の最後の夏を取材した番組を見かけました。
普段の練習では壁に向かってボールを投げ、ティーバッティングを黙々と繰り返していました。
連合チームの練習に参加して「楽しい」と顔をほころばせた彼は、最後の大会でランニングホームランとなる打球を放ちました。
これは高校生の話でしたが、十分な部員数で活動ができていればと思わずにはいられません。
理由その2 教師の長時間労働
近年、大きな問題となっている教師の長時間労働。
部活動の指導や大会の引率などで休日出勤が多いのも、原因の1つといわれています。
長時間労働の問題が改善されなければ、「教師になりたい」と希望する若者は増えないでしょう。
教師不足の加速と同時に、現在教職に就いている方々の心身の負担も非常に心配です。
部活動の地域移行が進められることになった主な理由には
- 少子化の影響による部員不足
- 教師の長時間労働
の2つが挙げられています。
部活動の地域移行にはどんなメリットがある?
部活動の地域移行の背景には「少子化の影響」と「教師の長時間労働」の問題があるんですね。
部活動が地域移行されたら、この2つの問題が解決されるということですか?
部活動の地域移行には、
- 少子化による部員不足の改善
- 教師の労働時間の短縮
などのメリットがあると考えられています。
「少子化の影響」と「教師の長時間労働」は簡単に解決できる課題ではありませんが、部活動の地域移行によって改善が期待されています。
メリットその1 少子化による部員不足の改善
部活動の地域移行には、活動のために必要な人数の確保が可能になるというメリットが考えられます。
地域のスポーツクラブなどを拠点とする場合、複数の学校の生徒が集まって活動することも想定されているからです。
一定の条件を満たしていれば、地域のスポーツクラブが中体連主催の大会へ出場するのも認められたとか。
部員が足りずに実現できなかったさまざまな練習が可能になるだけでなく、大会への出場もかなうかもしれません。
メリットその2 教師の労働時間の短縮
部活動の地域移行には、教師の労働時間が短縮されるというメリットも期待できます。
これまでは、週末も平日同様に顧問の教師が部活動の指導や引率をおこなっていました。
部活動のための休日出勤が、教師にとって大きな負担となっているケースは多いでしょう。
休日の部活動が地域に移行されれば、指導を担当するのも教師から学校外の指導員に替わります。
教師の休日出勤が減り、長時間労働の改善につながるはずです。
部活動の地域移行のメリットは、
- 少子化による部員不足の改善
- 教師の労働時間の短縮
などが考えられます。
部活動の地域移行、考えられるデメリットや課題は?
部活動を地域移行すると、そんなメリットがあるんですね!
逆に、デメリットや課題はありますか?
部活動の地域移行には、解決しなければならないデメリットや課題が指摘されています。
- 保護者の負担が増える可能性がある
- 地域格差が大きくなる可能性がある
- 安全管理の徹底に不安がのこる
課題その1 保護者の負担が増える可能性がある
部活動を地域に移行した場合、費用や送り迎えの面で保護者の負担が増える可能性があります。
まず費用ですが、学校外の指導員に支払う報酬や活動に使用する施設の使用料が発生します。
さらに、活動に使用する施設が遠い場合、保護者の送り迎えが必要になることも考えられます。
保護者の負担が増えると、家庭の事情が理由で希望する活動に参加できない生徒が出てくるケースが心配されます。
課題その2 地域格差が大きくなる可能性がある
地域によってはスポーツクラブや活動できる施設の数が少ない場合もあるはずです。
人口が少なければ、指導員の確保が難しいケースも考えられます。
近くに活動拠点がない生徒が活動を諦めたり、休日のたびに遠く離れた施設まで通う負担を強いられたりしないでしょうか。
受け皿となるクラブや施設の数の差が、地域格差の拡大につながる心配も指摘されています。
課題その3 安全管理の徹底に不安がのこる
部活動の地域移行が進めば、保護者は学校外の指導員や施設に子どもを預けることになります。
すべての指導員や施設は、子どもの安全を第一に責任を持って指導を担当してくれるのでしょうか。
指導員の資格制度を整備するべきという声もあるようですが、地域移行の推進期間はすでにスタートしています。
もちろん学校内の部活動でも事故は起こり得ますが、学校外に委ねるとなれば不安を感じる保護者もいるはずです。
- 部活動の地域移行には、デメリットや課題も指摘されています。
- 指摘されているデメリットや課題の例は、以下の3点です。
- 保護者の負担が増える可能性がある
- 地域格差が大きくなる可能性がある
- 安全管理の徹底に不安がのこる
まとめ
- 現段階で部活動の完全廃止が決まったわけではないが、部活動の地域移行が進めば、部活動の位置づけが変化する可能性がある
- 部活動の地域移行は、2023年から2025年の3年間に、公立中学校運動部の休日の活動から進められる
- 高校の部活動については、具体的な目標期間などは設けられていない
- 部活動の地域移行は、「少子化の影響」や「教師の長時間労働」が理由で進められることになった
- 部活動の地域移行には、「少子化による部員不足の改善」「教師の労働時間の短縮」などのメリットがある
- 部活動の地域移行には、「保護者の負担が増える可能性がある」「地域格差が大きくなる可能性がある」「安全管理の徹底に不安がのこる」などの課題が指摘されている
部活動の地域移行には、まだまだ課題も多いようですね。
何より子どもたちが楽しく安全に活動できる仕組みづくりを進めてほしいと思います。