もうすぐ4月、子どもも親も新しい生活のスタートですね!
新学年・新学期を迎える子どもたちにとって、希望に満ちた季節です。
その一方で、保護者にとっては、PTA役員の選出という憂鬱なイベントも待ち構えている季節。
人付き合いの気苦労、わざわざ時間をつくって活動に参加しなければいけない煩わしさ。
「PTAのことを考えると気が重くて…」という人も多いかもしれません。
そもそもPTA活動ってなんのためにするのでしょう?
PTAについてちょっとだけ理解することで、憂鬱な気持ちが少しでも軽くなったりしないでしょうか。
この記事では、PTAという言葉の意味をはじめ、PTAという組織について簡単に説明しています。
まず、PTAについて少し知ってみませんか?
PTAってなんの略?
まず、PTAという言葉について知っていきましょう。
3つのアルファベットでできた「PTA」。
なにかを略した言葉のようですよね。
PTAってなんの略なのか調べてみたところ、
Parent-Teacher Association
の略なのだとか!
Parent-Teacher Association。
聞き覚えはありませんが、3つの英単語が組み合わさってできた名詞のように見えますね。
3つの英単語はそれぞれ
- Parent=親、保護者
- Teacher=先生、教師
- Association=協会、組合
という意味。
この3つの英単語の頭文字「P」「T」「A」をとって省略したものが「PTA」なのだそうです。
Parent-Teacher Associationの読み方
ただでさえ長い英語、読み方がわからないと頭に入ってきませんよね。
カタカナで表すと
ペアレント・ティーチャー・アソシエーション
といったところでしょうか。
Web辞書には、英単語を読み上げた音声を聞くことができるものもあります。
検索して、直接聞いてみるのもおすすめです。
Parent-Teacher Associationの意味
Parent-Teacher Associationは辞書にも載っている言葉です。
一般的に、
「父母と教師の会」という日本語訳を持つようです。
「Parent(親、保護者)」「Teacher(先生、教師)」「Association(協会、組合)」の3つの英単語からなんとなく想像することができますね。
調べた辞書や話す人によって「父母と先生の会」「保護者と教師の会」など、言い回しが多少異なることはありますが、意味は同じ。
また、そのまま「ピーティーエー」と訳すこともあるようです。
PTAの正式名称は何?
PTAが英語の略称だとすれば、日本での正式名称は別にあるのでしょうか?
実は、
PTAのような組織については、
日本でも「PTA」と呼ばれるのが一般的のようです。
つまり、省略前のParent-Teacher Associationが正式名称ということになるのでしょうか。
どうして日本でも英語の略称が使われているの?
日本のPTAは、アメリカのPTAをモデルにつくられたからだと考えられます。
戦後、当時の文部省が使用した名称は「父母と先生の会」だったそうです。
しかし、最近は文部科学省が交付する政令にも「PTA」という名称が使われています。
現在の日本では、保護者と教師によって構成された組織を指して「PTA」と呼んでいるようです。
出典:文部科学省ホームページ (https://www.mext.go.jp/)
出典:「PTA・青少年教育団体共済法」(文部科学省) (https://www.mext.go.jp/content/1298724_1.pdf) (2023年3月4日に利用)
日本でPTAが設置されるようになった背景
戦後、日本の民主化を進めたいアメリカは、その一環として教育の改革にも取り掛かろうとします。
日本の教育事情を調査したアメリカの使節団は、報告書で「父母と先生の会」の必要性を説きました。
それをもとにGHQ(戦後の日本を占領統治し、民主化を主導した組織)は、PTAの設立を奨励する方針を掲げます。
GHQ の指導を受けて、当時の文部省は「父母と先生の会委員会」を発足。
PTA設置のための手引書を作成し、設置を奨励する活動を始めます。
その活動を受けて、各地でPTAが設置されるようになりました。
出典:公益社団法人日本PTA全国協議会ホームページ(https://www.nippon-pta.or.jp/)
出典:「日本PTAのあゆみ」(https://www.nippon-pta.or.jp/history/advance/)
(2023年3月4日に利用)
また、各学校によってPTAにあたる組織に独自の名称を付けていることもあるそうです。
例:
- おおぞら小学校父母と教師の会
- 鈴鹿市立神戸中学校 保護者と教職員の会
- 和歌山県立和歌山工業高等学校育友会
出典:文部科学省ホームページ (https://www.mext.go.jp/)
出典:「平成30年度優良PTA文部科学大臣表彰実践例」(文部科学省) (https://www.mext.go.jp/a_menu/ikusei/ptahyoushou/detail/1415229.htm) (2023年3月4日に利用)
学校PTAって、なんのためにあるの?
憂鬱なPTA活動…。
「そもそもPTAっていったいなんのためにあるんだ!」と疑問に思ったことのある人も多いのではないでしょうか。
文部科学省のウェブサイトによると、
PTAは、子どもの健やかな育成のためにある組織なのだそうです。
つまり、PTAが存在するのは、
保護者と教師が協力して、子どもたちの健やかな成長のために必要な活動をおこなうため
ということのようです。
子どもたちの健やかな成長のために必要な活動ってどういうこと?
先程の説明では、ちょっとイメージしづらいですよね。
子どもたちの健やかな成長のために必要な活動って、具体的にはどんな活動を指しているのでしょう?
たとえば、登下校の見守り。
登下校の時間帯に、横断歩道など注意が必要な場所に待機して子どもたちに声かけをするアレです。
旗を振って子どもたちを誘導するパターンもありますね。
登下校の見守りは、子どもたちの安全を確保するためにおこなわれているPTA活動のひとつです。
子どもたちの安全を守ることは、当然子どもたちの健やかな成長につながるはず。
運動会などの行事の運営を手伝うPTA活動もありますね。
子どもたちが参加する行事がスムーズに進行されるようにサポートすることは、当然子どもたちのためになるでしょう。
実は、これらの活動にはまた別のメリットもあります。
そして、そのメリットこそPTAが持つ重要な役割でもあるのです。
メリットその1 学校と家庭と地域の人たちとの間につながりを生む
PTA活動の一環で、保護者が通学路を歩いたり、学校行事に参加したりすることは、保護者と学校、または地域の人たちとのつながりを生むきっかけにもなるでしょう。
子どもの成長は、1つの家庭だけ、学校の中だけで完結するものではありません。
家庭と学校の連携や地域の方々の協力も必要不可欠。
PTAの活動は、そのための架け橋でもあるのです。
メリットその2 学校生活や教育方針について理解が深まる
家事や仕事、未就学児の育児。
保護者はみんな忙しいなか時間をつくってPTA活動をおこなっています。
PTA活動のために学校に出向くのを億劫に感じることもあるでしょう。
でも、学校での子どもたちの様子を目にすることができるのは、少し楽しみだったりしませんか?
実はそれも、PTA活動が持つ意味の1つ。
学校に出向いた保護者は、子どもたちの学校生活について目で見て確認することができます。
学校生活や学校の教育方針などについて、いっそう理解が深まるでしょう。
保護者が学校や教育について理解を深めることは、子どもの健やかな成長に対していい影響を与えると考えられています。
また、子どもたちも見守られているという安心感を持つことができるでしょう。
まとめ
- PTAとは、「父母と教師の会」と訳されるParent-Teacher Associationの略である
- Parent-Teacher Associationは、「ペアレント・ティーチャー・アソシエーション」と読む
- 日本のPTAは、アメリカのPTAをもとにして設置が進められた組織である
- 現在、PTAの日本での正式名称は特に見当たらず、日本でも「PTA」と呼ばれるのが一般的になっている
- PTAは、子どもの健やかな育成のためにある組織である
- 子どもの健やかな成長には、学校・家庭・地域の人たちの連携と協力が不可欠であり、PTA活動にはそれらをつなぐ役割がある
- PTAの活動に参加することで、私たちは子どもたちの健やかな成長を支える力の1つになっている
PTAについて、少しでも理解を深めるお手伝いができたでしょうか。
億劫な面もあるPTAですが、活動の意味や役割がわかることで、ちょっとだけ気持ちを前向きにできたらいいですよね。
私たちの活動が、子どもたちの健やかな成長につながっているのです!