最近よく言われる「○○ハラスメント」。
セクハラ、モラハラ、マタハラなどさまざまなハラスメントがありますよね。
いつの間にか定着していた○○ハラスメント。
この○○ハラスメントというのはいつ頃から使われ始めたのでしょうか。
この記事ではハラスメントの意味、いつ頃から使われ始めたのか、どういったハラスメントがあるのかなどについてまとめています。
ハラスメントってどういう意味?
「ハラスメント」という言葉は英語の「Harass(相手を困らせる・悩ませる・苦しめる)」が語源になっています。
相手を困らせる、悩ませる、苦しめるなど相手からの行動によって苦痛を伴う行為に使われる英語で、Harassを語源としたハラスメントも「いじめ・嫌がらせ」などの意味を持ちます。
身体的な苦痛だけでなく精神的な攻撃もハラスメントに該当します。
何をしたらハラスメントになるのか?
ハラスメントですが、ハラスメントの判定が難しいところもあります。
ハラスメントとは相手を困らせる行為や悩ませる行為などがさまざまなハラスメントに該当しますが、それは悪意なくおこなった行為や言動であっても受け取った相手が不快な思いをすれば、それはハラスメントに該当してしまうからです。
発信した側が「こんなことで?」と思っても、受け取り手の感じ方はそれぞれなので言動等には注意したいですよね。
○○ハラスメント、いつから始まった?
ニュースなどでよく取り上げられる「セクハラ(セクシャルハラスメント)」、「パワハラ(パワーハラスメント)」などの○○ハラスメント。
○○ハラスメントはいつから使われるようになったのでしょうか?
始まりはアメリカ
○○ハラスメントの始まりは、1970年代にアメリカで「セクシャルハラスメント」という造語が誕生したことでした。
使われ方は現在と同じく、「性的嫌がらせ」を意味します。
アメリカで広がったセクシャルハラスメントという造語でしたが、10年後の1980年代には日本でも使われるようになり、略語である「セクハラ」も広まっていきました。
アメリカの造語が広まった理由
アメリカの造語がなぜここまで日本でも広がったんだろう?
アメリカ発祥の造語が日本で当たり前に使われるようになった背景には、セクハラに該当するような行為が日々行われていても、これまでは社会で大きく取り上げられる機会が少なかったことがあるとされています。
そういった行為(性的な嫌がらせ)が「セクシャルハラスメント」という名前の問題行為であると日本でも認知されたため、被害にあっていた人々が「セクハラを受けている!」と、声を挙げたことにより「セクハラ」という言葉が徐々に社会問題として広まっていきました。
ハラスメントの種類
○○ハラスメントの始まりがアメリカ発祥の造語だということは分かりましたが、○○ハラスメントにはどれくらいの種類があるのでしょうか?
よく話題になっている○○ハラスメントと、その意味をまとめました。
セクシャルハラスメント(セクハラ)
- 必要以上に相手の身体や、身体の一部に触れる
- 性的な言動や行為
身体的な特徴をからかう行為や必要以上にプライベートに踏み込む言動、嫌がっている相手をデートにしつこく誘う、身体的接触などもセクシャルハラスメントに該当します。
セクハラに遭うのは女性というイメージが強いですが、男性が被害者になりうることも十分にあります。
ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)
- 性別を理由に昇級を妨げる
- 性別を理由に仕事の差をつける
- 性的マイノリティに対する差別的言動
男性であれば昇級できる実力があるのに女性だからという理由で昇級させないことや、来客に対してお茶を出すのは女性の仕事と決めつけること、残業をさせるのは男性だけ、など「性別を理由に差別すること」が、ジェンハラに該当します。
性的マイノリティといった言葉が普及しはじめたのもここ数年なので、○○ハラスメントの中でもジェンハラは比較的新しいハラスメントです。
マタニティーハラスメント(マタハラ)
- 妊娠している女性に対して無理な仕事を押しつける
- 出産後すぐに職場復帰を強制する
- 妊娠を理由に退職を促す
妊娠している女性に対して無理な仕事(明らかに重たい物を持たせるなど)を押しつけることや、育児休業を取得したため給料を引き下げる行為、妊娠したため退職を促すなどの行為はマタニティハラスメントに該当します。
パタニティーハラスメント(パタハラ)
- 男性が育児休業を取得することに対しての妨害
- 育児支援目的のための短時間勤務などを阻害
女性のマタニティーハラスメントに対して、こちらは育児する女性を支援するために男性が育児休業などの取得することを阻害する行為がパタニティーハラスメントに該当します。
パワーハラスメント(パワハラ)
- 罵詈雑言を浴びせる
- 暴力を振るう
ほかのハラスメントよりも被害者が多く、現代で最も問題視されているハラスメントではないでしょうか。
「こんなこともできないのか」「仕事出来ないんだから休日も休まず働け」など、暴力を振るう以外にも相手を罵る言動や自由を奪う言動もパワハラに該当します。
後述するモラルハラスメントと似た部分もありますが、パワハラは主に被害者よりも上の立場に立っている人から受ける行為であることが多いです。
モラルハラスメント(モラハラ)
- 罵詈雑言を浴びせる
- 暴力を振るう
モラハラはパワハラと混同しがちですがモラルハラスメントは、学校内で考えると「生徒が生徒に対して浴びせる罵詈雑言や行為」、会社内で考えると「同僚が同僚に対して浴びせる罵詈雑言や行為」といった比較的立ち位置が同じような人から受けるハラスメントが該当することが多いです。いじめという言葉が近いかもしれません。
カスタマーハラスメント(カスハラ)
- 顧客が企業に対して理不尽な言動や要求をする
昔から「お客様は神様」という言葉があります。
企業側は顧客に対して強く出ることができないのをいいことに、顧客が企業に対して理不尽な言動をすることがカスハラに該当します。
ただ、その言動が正当な場合もあるため見極めが必要です。
スメルハラスメント(スメハラ)
- においなどで嗅覚に不快感を与える
口臭や体臭以外にも、香水を過度につけて周りにいる人が不快になる行為などもスメハラに該当します。
常日頃嗅いでいるにおいだと、自分では分からないので過度につけてしまうこともあります。
場合によっては匂いが強い柔軟剤などもスメルハラスメントに該当する場合があるため、判断が難しいですよね。
ブラッドハラスメント(ブラハラ)
- 血液型を理由に相手を差別・非難する
「○型は○○だから○○」といったように、血液型で人を決めつけ、不快な思いをさせることをいいます。
A型は几帳面、B型はマイペース、O型はおおざっぱ、AB型は変わり者、などを誇張して差別するような行為はブラハラに該当します。
全員に共通する話題なので飲み会などで出しがちな話題ですが、内容をよく考えて発言する必要があります。
ハラスメントハラスメント(ハラハラ)
- 相手の言動や行為を「○○ハラスメント」と決めつけて相手を非難すること
様々な○○ハラスメントがありますが、最後はハラスメントハラスメントです。
客観的に見てハラスメントに該当しないような行為や言動を誇張して「○○ハラスメントだ!」と非難することがハラハラに該当します。
「被害者がどう感じたか」という基準はとても曖昧で判断が難しいこともありますよね。
そういった場合は客観的に見た人からの意見も取り入れなければなりません。
ハラスメントのハラスメント、すごい時代ですよね。
まとめ
- ハラスメントの語源は英語の「Harass(相手を困らせる・悩ませる・苦しめる)」からきている
- ○○ハラスメントが使われるようになったのはアメリカで1970年代にセクシャルハラスメントという造語ができてから
- 日本では1980年代からセクハラが使われるようになった
- 現在では10種類以上の○○ハラスメントが存在している
いかがでしたか?
挙げ始めるとキリがないところまで種類が増えてきた○○ハラスメント。
多様性を尊重することが求められる現代では個人の多様性や自由を否定するような行為に焦点を当てられる機会が増えたため、言葉としては無かった社会問題に名前が付き、種類も増えてきたのではないでしょうか。