カフェや珈琲専門店で飲む入れたてのコーヒーは格別の味ですね。
知ってますか?実は、本格的なコーヒーってご自宅でも飲むことができるんです。
本格コーヒーとは何を指しているのか、どんな風に入れるのかをご紹介していきます。
これを読めば、より本格入れたてコーヒーの沼にハマってしまうこと間違いなしです!
本格とは?
本格入れたてコーヒーというだけあって、本格的なお店で注文して飲むコーヒーのことだと思っていませんか?
もちろんそれは間違いなく本格的なのですが、実は本格コーヒーの「本格」とは、様々な意味を含んでいるのです。
例えば豆を挽いて入れるという意味も本格的ですし、器具やコーヒーを入れる方法にこだわることも本格的といえるでしょう。
本格入れたてコーヒーの基本
本格入れたてコーヒーをおいしく飲むために、覚えておきたい基本があります。
それはお湯の温度と抽出時間です。
本格にこだわればこだわるほどこの基本が大切になりますので、ぜひ覚えてみてください。
お湯の温度
コーヒーに含まれる成分はお湯の温度によって抽出濃度が変わります。
高温で入れると深めのコクがある味わいに、低めの温度では甘味や酸味などが感じられるようになります。
それらの成分がちょどよく、一般的に飲みやすい味わいとして抽出される温度が95度と言われています。
料理用の温度計もありますが、沸かす温度を設定できる電気ケトルがあれば、簡単にお湯の温度を設定することができます。
抽出時間
コーヒーがお湯に触れる時間によって、味わいが変化します。
これはこの後ご紹介しますが、コーヒーを入れる方法によって抽出時間の短い・長いが異なります。
抽出時間が短いとすっきり飲みやすい味わいに、抽出時間が長いと味わい深く濃厚になるという特徴があります。
本格入れたてコーヒーに必要な豆の豆知識
豆の種類
本格入れたてコーヒーを楽しむためには豆を用意する必要があります。
コーヒー豆の名前はコロンビアやグァテマラ、ブラジルなど産地に由来するものやキリマンジャロやモカ、ブルーマウンテンなど比較的よく耳にするものまで様々で、これらはレギュラーコーヒー(コーヒー豆100%)という名称で呼ばれます。
豆の種類だけでも味わいに特徴がありますので、お好みのレギュラーコーヒーを探してみてください。
焙煎
厳選されたコーヒー豆を焙煎(ロースト)することにより、酸味やコクなどの風味が変わってきます。
焙煎には浅煎りのライトローストから深煎りのイタリアンローストまでの8段階の焙煎度があります。
スーパーや食料品店では焙煎してあるコーヒー豆が販売されていますので、お好みを選ぶと良いでしょう。
コーヒー豆専門店なら産地や種類を選べるだけでなく焙煎具合をリクエストしたりできるので、より自分に合った本格入れたてコーヒーを楽しむことができるようになります。
例えばアメリカンコーヒーならミディアムロースト、本格入れたてコーヒーにはハイローストがおススメです。
豆を挽く
本格入れたてコーヒーを楽しむためにはコーヒー豆を粉砕する工程が必要です。
コーヒーミルは手回しタイプとマシンタイプなどがあり、ミルの大きさによって1回分であったり数回分をまとめて挽いたりすることができます。
挽き方には細挽き・中挽き・粗挽きなどがあり、豆の特徴や味わいを引き出すだけでなく、飲んだ時の濃さなどにも大きく影響します。
本格入れたてコーヒーの8つの入れ方
本格入れたてコーヒーを楽しめる、8種類の入れ方を紹介していきます。
ご自宅で入れる際の参考にしてみてくださいね!
ハンドドリップ
もっとも一般的に知られている本格入れたてコーヒーの入れ方です。
ご自宅でこの方法を楽しまれている人も多いのではないでしょうか。
注意点はコーヒー粉を平らにしておくこと!
そうすることで、均一にドリップすることができます。
ハンドドリップは、用いるフィルターの違いにより次の3つに分けられます。
ペーパードリップ
豆を挽いたコーヒー粉を、ペーパーフィルターで抽出(ドリップ)する方法です。
ペーパーフィルターには形(台形型・円錐型・バスケット型)や色(白・茶色)、製法(漂白・未晒し)などに違いがあり、ものによってはペーパーのにおいがコーヒーに移ってしまうなど、風味を左右する重要なアイテムです。
ペーパーフィルターは目が細かく、コーヒーオイル(豆に含まれる油脂分)を通しにくいためすっきりとした味わいになります。
ネルドリップ
ハンドドリップのうち、ネル(フランネル)を用いてドリップする方法です。
ペーパーに比べネルの目が粗いため、まろやかな風味の中にも飲みごたえのあるコーヒー感を楽しめます。
使い捨てのペーパーに比べるとネルは1回ごとに洗うなどの手入れに手間がかかりますが、そこまでの工程を含めて本格入れたてコーヒーの醍醐味だとする愛好家も。
金属フィルターでドリップ
コーヒーの持ち味をダイレクトにドリップできる、金属のフィルターです。
ペーパーのようなフィルターのにおい移りがなく、コーヒーオイルもしっかりドリップされるため深い味わいが期待できます。
しかし、金属フィルターの目の粗さによっては飲み口にざらつきを感じるなどのデメリットもあるため、なるべく目の細かいものを選ぶと良いでしょう。
コーヒーマシン(コーヒーメーカー)
セットするだけでドリップはお任せできるコーヒーマシン(コーヒーメーカー)でも、本格入れたてコーヒーが楽しめます。
コーヒー粉と水を入れペーパーフィルターをセットすれば、自動的にドリップしてくれる便利なアイテムです。
ドリップ式や全自動までメーカーによって価格や仕様が様々です。
ドリッパーは1つ穴(シングルショット)が主流ですが、フィルターレスや全自動など仕様に違いがありますので購入の際は参考にしてみてください。
サイフォン
喫茶店のカウンターで眺めるサイフォン式の本格入れたてコーヒーが好きだという人、多いんです。
アルコールランプやヒーターなどでフラスコが熱されてお湯が上部のロートへと上がり、コーヒー粉が高温のお湯の中でくるくると踊る様は大変見ごたえがあります。
サイフォンで入れるコーヒーは粉をお湯に漬けた状態で撹拌するなど抽出時間が長く、香り高い深めの味わいの本格入れたてコーヒーが楽しめます。
フレンチプレス
紅茶と同じプレス式でコーヒーを入れる方法です。
金属フィルターのため、コーヒーオイルの風味も十分に味わえます。
お湯を注ぐなどしてはじめにプレスを温めておくと、温度変化が少なくなります。
コーヒー粉はお湯によく撹拌すると抽出しやすくなります。
3~4分ほど放置したらシャフトをゆっくり下げていきますが、その際は一番下まで下げず、コーヒー粉をつぶして雑味が出ないように注意します。
また、カップに注ぐ際も、もったいないからと最後の1滴まで注ごうとすると雑味が加わりますのでご注意を!
エアロプレス
エアロプレスは2005年に登場した最新の本格入れたてコーヒーの入れ方です。
コーヒーの粉はチャンバーと呼ばれる筒の中で10〜50秒間お湯に浸され(この時間は挽目の粗さやコーヒーの濃さによって異なる)、その後プランジャーと呼ばれるピストンで圧力をかけられ、フィルターを通り抜けて抽出される。フィルターはエアロプレス専用ペーパーフィルターか、または円盤状の薄い金属フィルターが用いられる
エアロプレス – Wikipedia
クレバー
クレバー式はドリッパーの底にある弁に秘密があります。
この弁はテーブルの上では閉じていますが、カップにドリッパーをセットすると開いてコーヒーが注がれる仕組みです。
ハンドドリップは透過法と言ってコーヒー粉にお湯をくぐらせる方法ですが、コーヒー粉をしばらくお湯に浸しておく浸漬法はクレバーのほかに、サイフォンやフレンチプレス、エアロプレスなども当てはまります。
エスプレッソ
エスプレッソマシンで圧力を高くかけてコーヒーを抽出する透過法と、そのコーヒーのことをエスプレッソと呼びます。
短時間で抽出するため雑味が少なく、大変風味豊かな本格入れたてコーヒーを楽しめます。
豆は深煎り、挽き方は極細挽きが基本です。
ハンドドリップなどでは1回に130~150mlほどのコーヒーが出来上がりますが、エスプレッソは25~30mlほどしか抽出できません。
飲み終えた後の余韻を楽しむのためのコーヒーともいわれています。
エスプレッソマシン
マキネッタ(直火式エスプレッソマシン)
コールドブリュー(水出し)
水出しコーヒーは水で抽出するため雑味が出にくく大変まろやかな味わいを楽しめるコーヒーです。
お湯と違い、低温の水では抽出に大変時間がかかるため、8時間かけて抽出する専門店もあるくらい貴重なコーヒーとされています。
最近では8時間よりも短い時間で抽出する様々なタイプがあり、ご家庭でも水出しコーヒーを楽しめるようになりました。
しかしここで間違えてはいけません。水出しコーヒーはアイスコーヒーではないということを!
アイスコーヒーはお湯で抽出したコーヒーを冷やしたもの、水出しコーヒーは水抽出のコーヒーであることをお忘れなく!
本格入れたて以外のコーヒーは?違いは何?
思い出してみましょう。
本格コーヒーに使うレギュラーコーヒーはお湯に溶けないため、フィルターなどを使って入れました。
しかし、インスタントコーヒーはお湯にサッと溶けるという大きな違いを持っています。
これこそが本格入れたてコーヒーと、本格入れたて以外の違いになります。
インスタントコーヒーとは
お好みの量をカップに取り、お湯を注ぐだけで飲むことができる大変手軽なコーヒーです。
おいしく飲むためのコツは、あらかじめカップを温めておくこと!
インスタントコーヒーの保存には湿気が厳禁なので、詰め替える際は乾燥材などを用いたり密封性の高い容器に保存することが重要です。
用いるスプーンは乾いたもの、インスタントコーヒーの瓶の開封フイルムはすべて剥がして使うことが注意点です。
インスタントコーヒーの製法
インスタントコーヒーとは、抽出したコーヒー液を乾燥させ、粉末状に加工したもの。ペーパーフィルターなどでドリップして使うレギュラーコーヒーの製造過程に「抽出」と「乾燥」の工程を加えることで出来上がります。
インスタントコーヒーのおいしい淹れ方|コツやアレンジレシピをご紹介 | My COFFEE STYLE MAGAZINE (ucc.co.jp)
濃縮したコーヒーを抽出(ドリップ)したあとに、コーヒー液を乾燥(ドライ)して作ります。
ドライ製法には凍結乾燥(フリーズドライ)と噴霧乾燥(スプレードライ)があり、凍結乾燥は真空低温で乾燥させるためコーヒーの香りや風味を保ちやすく、噴霧乾燥は噴霧したコーヒー液に熱風を浴びせ乾燥させる方法で、きめ細やかな粉に仕上がるためお湯に溶けやすくなるという特徴があります。
レギュラーソリュブルコーヒーとは
レギュラーソリュブルコーヒーとは、コーヒー豆の抽出液と微粉砕したコーヒー豆を混ぜ乾燥させて粉末状にしたコーヒーです。ドリップ器具を使用してコーヒー液を抽出して飲むタイプのレギュラーコーヒーではなく、粉末にお湯を注ぐだけで手軽に飲めるタイプのインスタントコーヒーの一種。
レギュラーソリュブルコーヒーとは?普通のインスタントとレギュラーとの違いは? – cofisso[コフィッソ]|コーヒー専門メディア
レギュラーと名がつくので本格コーヒーなのかな?と思うかもしれません。
しかし、お湯に溶けるという点が本格入れたてコーヒーと異なりますので本格入れたて以外ということになります。
番外編?これも本格入れたてコーヒー
簡易ドリップパックコーヒー
1回分のコーヒー粉が袋に入った簡易ドリップパックコーヒーも、お湯の温度を調節したりお湯を注ぐ量や速度を調節して味わいをコントロールできる、本格入れたてコーヒーです。
ミル挽きコーヒー(自動販売機)
高速道路の一部サービスエリアなどで見かけるカップ式自動販売機のコーヒーはどうでしょう。
お金を投入してからコーヒー豆を挽き、ドリップ中の様子は映像で見ることができます。
できあがると正面の扉が開いて入れたてコーヒーがカップで出てきます。
そう!これはまさに、本格入れたてコーヒーと言えるでしょう!
まとめ
本格入れたてコーヒーと本格入れたて以外の違いは、入れたてのレギュラーコーヒーかインスタントコーヒーかであることが分かりました。
本格入れたてコーヒーは豆選び、焙煎方法、豆の挽き方、抽出方法やお湯の温度、抽出時間などにより味わいが広がるため、自分好みの道具をそろえたり、入れ方を研究するなどハマってしまうのも納得です。
アウトドアがお好きな人は、自然の中で飲む本格入れたてコーヒーは憧れではないでしょうか。
是非みなさんこれを機に本格入れたてコーヒーを楽しんでくださいね!