2回目の開催となる『THE SECOND(ザセカンド)~漫才トーナメント~』は、2024年5月にグランプリファイナルが放送される予定です。
漫才の大会といえば、気になるのは「誰が審査員を務めるか?」ですよね。
ところが、『ザセカンド』の審査員は有名人ではないというのです。
いったいどういうことなのか、昨年開催された『ザセカンド』第1回の審査員について調べてみました。
誰が務める?『ザセカンド』の審査員
『THE SECOND(ザセカンド)』の場合、予選にあたる選考会の審査は番組スタッフらがおこないます。
予選会を勝ち抜いた漫才師たちが出場する「ノックアウトステージ」と「グランプリファイナル」を審査するのは、なんと会場のお客さんです。
選考会の審査は番組スタッフら
予選にあたる選考会の審査は、番組スタッフらがおこないます。
放送作家やディレクターだけでなく若手女性ADも審査に参加したとか。
VTRを何度も確認しながら意見を出し合ったそうです。
次のステージ進出者は、選考会の全日程が終了後に決定します。
何日にもわたって開催される選考会は、日によってお客さんの雰囲気などの条件が変わるためです。
選考会突破後は一般審査員による審査
選考会を勝ち抜くと、待っているのは「ノックアウトステージ」「グランプリファイナル」と銘打つ1対1のトーナメント戦。
これらは、会場のお客さんが一般審査員として審査をおこないます。
会場の観客に審査をゆだねているのは、その他の大会とは異なる『ザセカンド』の大きな特徴です。
大会名 | 決勝審査員 |
---|---|
『THE SECOND~漫才トーナメント~』 | 一般審査員(観客) |
『M-1グランプリ2023』 | お笑い芸人・タレント |
『キングオブコント2023』 | お笑い芸人 |
『R-1グランプリ2024』 | お笑い芸人 |
『女芸人No.1決定戦 THE W 2023』 | お笑い芸人 視聴者投票 |
- 『ザセカンド』の選考会(予選)は、番組スタッフらが審査をします。
- 「ノックアウトステージ」と「グランプリファイナル」(決勝)は、会場のお客さんが審査員を務めます。
なぜ一般のお客さんを審査員にしたの?
笑いのプロである芸人やタレントではなく一般のお客さんを審査員に起用したのには、以下の理由があるそうです。
- ベテラン漫才師の出場が見込まれる
- 普段劇場で漫才をしている人たちが出場する
- 匿名性が確保できる
その1 ベテラン漫才師の出場が見込まれる
結成16年以上が応募資格の『ザセカンド』は、「師匠」と呼ばれるような大ベテランも出場する可能性のある大会です。
お笑い芸人に審査をゆだねる場合、大ベテランの芸に点を付けられる審査員の選考は非常に難しくなります。
実際、今年の大会には1972年結成の「ザ・ぼんち」が出場し、「ノックアウトステージ」進出を決めています。
その2 普段劇場で漫才をしている人たちが出場する
『ザセカンド』に出場するのは、その多くが普段劇場で漫才を披露している芸人たち。
それなら、審査員も同じく普段劇場で漫才を見ているお客さんが適任ではないかと考えたようです。
その3 匿名性が確保できる
有名人とは異なり、一般のお客さんは匿名性の確保が可能です。
個人を特定できなければ、審査員個人をターゲットにした炎上を防げる可能性が高くなります。
『M-1グランプリ』の審査結果やコメントを巡り、審査員個人に批判が集まる例がこれまでたびたびありました。
『ザセカンド』では、そういった放送後の炎上を防ぎたいという考えが制作陣に強くあったようです。
誰も炎上させない大会を目指す『ザセカンド』は、審査員に選ばれたお客さんの顔も公開しないようにしているといいます。
審査員を一般のお客さんから選んでいるのには、以下の3つの理由があります。
- ベテランの芸に点を付ける審査員をお笑い芸人から選考するのは非常に難しい
- 劇場で漫才をしている漫才師の審査は、同じく劇場で漫才を見ているお客さんが適任といえる
- 匿名性が確保できるので、審査員の炎上を防げる
『ザセカンド』の審査員の選び方は?どこで募集したの?
『ザセカンド』の決勝にあたる「グランプリファイナル」の一般審査員は、以下の中から選ばれたようです。
- 選考会を観覧したお客さん
- 観覧募集に応募したお客さん
観覧募集は、フジテレビ『THE SECOND(ザセカンド)』公式サイトでおこなわれました。
選考会を観覧したお客さんから選出
「グランプリファイナル」の審査員は100人。
その1〜2割は、予選にあたる選考会を観覧したお客さんから選ばれたそうです。
選考会の観覧は有料。
わざわざお金を払って予選を見に来るお客さんは熱量が高い人が多いという考えが製作陣にあったようです。
観覧募集に応募したお客さんから選出
残りの8〜9割は、観覧募集に応募したお客さんから選ばれました。
観覧募集はフジテレビの番組公式サイトでおこなわれたそうです。
バランスに配慮した選び方を工夫
スタジオで観覧できるお客さんは270人。
その270人から審査員を選ぶときには、さまざまな面でバランスに配慮したそうです。
大阪と東京で好きなお笑いの傾向が異なることも考えられるので、その点も偏りがないようにしたとか。
「去年観たお笑い番組」や「好きなお笑い芸人」などを聞く質問も用意したそうですよ。
- 好きなお笑いの傾向
- お笑いライブの観覧数
- 住んでいる都道府県
- 性別
- 年齢
- 「グランプリファイナル」(決勝)の一般審査員は、選考会を観覧したお客さんと観覧募集に応募したお客さんの中から選出されました。
- さまざまな面でバランスに配慮して審査員を選出したそうです。
- 観覧のお客さんは、フジテレビの『ザセカンド』公式サイトで募集されました。
『ザセカンド』の審査に不満は出なかったの?
審査のタイミングに不満を感じた出場者はいたようです。
審査のタイミングに不満?
1対1の対決となる「ノックアウトステージ」は、各コンビのネタ披露後に審査がおこなわれる形式でした。
「ノックアウトステージ」
先攻のネタ披露
↓
採点
↓
後攻のネタ披露
↓
採点
その結果、先攻のコンビが不利になった可能性があると不満を持った出場者もいたようです。
審査員は先攻の点数を低めにつける傾向があるからだといいます。
たしかに、『M-1』などで「1組目に高得点をつけてしまうと後半困る」と聞いた気がします。
一方で「グランプリファイナル」は2組のネタ披露後に審査がおこなわれました。
「グランプリファイナル」
先攻のネタ披露
↓
後攻のネタ披露
↓
両者の採点
先攻のコンビが不利になるのではないかという不満が解消されたように感じます。
しかし、このタイミングでの審査に対しても「相対評価になってしまう」などの指摘があったとか。
『ザセカンド』では相対評価ではなく絶対評価での審査が求められていたそうです。
不満はゼロにならない
『ザセカンド』の制作陣は、審査方法について何度もシュミレーションを繰り返したそうです。
それでも残念ながら不満はゼロになりませんでした。
審査のタイミングにはどちらもデメリットがあり、難しいところです。
今年の審査がどうなっているのか注目したいですね。
- 『ザセカンド』の審査には、「審査のタイミング」に対して不満や指摘がありました。
まとめ
- 『ザセカンド』の選考会(予選)は、番組スタッフらが審査する
- 「ノックアウトステージ」と「グランプリファイナル」(決勝)は、会場のお客さんが審査員を務める
- 審査員を一般のお客さんから選んでいる理由は以下の3つ
1. ベテランの芸に点を付ける審査員をお笑い芸人から選考するのは難しい
2. 劇場で漫才をしている漫才師の審査は、同じく劇場で漫才を見ているお客さんが適任
3. 匿名性が確保できるので、審査員の炎上を防げる - 「グランプリファイナル」(決勝)の一般審査員は、選考会を観覧したお客さんと観覧募集に応募したお客さんの中から選出された
- さまざまな面でバランスに配慮して審査員を選出した
- フジテレビの『ザセカンド』公式サイトで観覧者を募集した
- 『ザセカンド』の審査には「審査のタイミング」に対して不満や指摘があった
誰も炎上しない大会を目指した結果、審査員が一般のお客さんになったんですね!
審査後にコメントを求めたこともあり、審査員はみんな真剣に根拠を持って採点してくれたようです。