Twitterの「認証バッジ」が、多くの公式アカウントから削除されてしまいましたね。
今後認証バッジが付くのは有料サービスに加入しているアカウントに限られるとか。
これまで、あの青いチェックマークの有無で、公式アカウントを見分けていた人も多いはず。
認証バッジの削除によって「なりすまし」アカウントが増えるようなことにならなければいいのですが。
そもそも「なりすまし」アカウントは、いったいどんな目的で作成されるのでしょうか?
SNSで他人の名前をかたることにどんな理由があるのか、不思議に思いますよね。
この記事では、
- Twitterで「なりすまし」をおこなうアカウントの目的
- 実際に起こった「なりすまし」の事例
- 「なりすまし」にだまされないための対策
について簡単にまとめています。
「なりすまし」アカウントの目的や対策を知り、「なりすまし」にだまされないための準備をしておきましょう!
Twitterの「なりすまし」アカウント、目的は何?
なぜ「なりすまし」アカウントが作られるの?
ツイッターで「なりすまし」アカウントを作成する行為には、以下の3つの目的が考えられるようです。
- 嫌がらせ
- お金儲け
- 承認欲求の充足
目的は1つではないんですね!
「なりすまし」の目的その1 嫌がらせ
たとえば、あなたの名前で作られたアカウントで、不適切なつぶやきが繰り返されたらどうなるでしょう。
つぶやきの内容は、乱暴な言葉や悪質な嘘、さらには友人の悪口かもしれません。
これらがあなたになりすましたアカウントからツイートされれば、周囲の人から誤解を受けたり、友人と関係が悪化したりする可能性がありますよね。
そうなれば、あなたはつらく悲しい思いをすることになるでしょう。
「なりすまし」アカウントの中には、このように嫌がらせを目的に作成されるものがあります。
なりすました相手の評判を落とすようなツイートが繰り返されるため、精神的に大きなダメージを負うことが予想されます。
個人的な恨み、ストレス解消など嫌がらせをする理由はさまざまです。
一般人から有名人、企業や団体までその被害を受ける可能性が考えられます。
「なりすまし」の目的その2 お金儲け
なんらかの形で利益を得るために「なりすまし」アカウントが作成されることもあるといいます。
企業や友人・知人になりすますことで、相手の信頼を得ようとする手口です。
たとえば、次のようなパターンがあるようです。
- 企業の名をかたってDMを送り、言葉巧みにクレジットカードなどの重要な個人情報を聞き出す
- 友人や知人、または有名人になりすまして相手を信用させ、利益を得るためのウェブサイトに誘導する
さらに、フォロワーを集めるために有名人になりすますこともあるとか。
有名人のアカウントだと信じた多くの人がフォローをしたあとでアカウント名を変えてしまえば、多数のフォロワーを持つ巨大アカウントが手に入る仕組みです。
そのアカウントは、フォロワー数を武器にしてなんらかの形でお金儲けに使われると考えられます。
「なりすまし」の目的その3 承認欲求の充足
承認欲求とは、「他人から認められたい」という欲求です。
また、「自分は他人から認められるような価値のある存在だ」と思いたい気持ちのことでもあります。
この欲求を満たすために、Twitterで「なりすまし」をしてしまう人がいます。
彼らは、フォローやリプライ、「いいね」やリツイートといった反応が自分のツイートに集まり、注目を受けることを期待しているようです。
有名人の「なりすまし」アカウントを作成する人や、他人が描いたイラストを無断でアップしてイラストの作者になりすまそうとする人なんかもいるとか。
他人の名前や実績で得た「承認」で、本当に欲求が満たされるのでしょうか……。
実際にどんな「なりすまし」があったの?
これまでにどんな「なりすまし」被害が起こっているのかな?
「なりすまし」は多数確認されていますが、その中から以下の3つの事例をご紹介します。
- 株式会社タニタの「なりすまし」アカウントが確認された今月の事例
- 弁護士の「なりすまし」アカウントで芸能人の訃報がツイートされた事例
- 「なりすまし」アカウントの存在を上司に知られ、勤務先を自主退職した一般女性の事例
悪質なものがあるんですね。
株式会社タニタの「なりすまし」アカウントが確認された今月の事例
ユーモアあふれるツイートが人気を集め、30万以上のフォロワーを持つ株式会社タニタのツイッターアカウント。
その「なりすまし」が確認されたと注意を促すツイートが更新されたのは、まさに今月15日のことです。
タニタのツイートによれば、「なりすまし」の目的はフィッシング詐欺だったようですね。
タニタのほかにも企業の「なりすまし」アカウントはこれまでに多数確認されています。
弁護士の「なりすまし」アカウントで芸能人の訃報がツイートされた事例
ご家族が発表するより前に、他人の「なりすまし」アカウントを使って芸能人の訃報をツイートするという悪質な事例もありました。
実在する弁護士の名前をかたり、フリーアナウンサーの小林麻央さんの訃報がツイートされた2017年の事例です。
嫌がらせなのか承認欲求なのか、「なりすまし」をはたらいた目的はわかりません。
ただ、「なりすまし」の被害を受けた弁護士はもちろん、小林麻央さんのご家族・関係者の心情を思うとあまりにも悪質に感じられます。
「なりすまし」アカウントの存在を上司に知られ、勤務先を自主退職した一般女性の事例
2022年、「なりすまし」の被害に遭った一般女性がその経緯についてツイートしました。
彼女は自分の「なりすまし」アカウントの存在を職場の上司から知らされたといいます。
女性の実名や顔写真まで掲載されていたそのアカウントには、彼女に対して誤解を抱かせるような事実無根の内容が書き込まれていたそうです。
女性は「なりすまし」の被害者でしたが、驚くことに勤務先は彼女の雇用に難色を示したとか。
ツイートの文面には勤務先の社名まで含まれており、その点が問題とされたのかもしれません。
結果的に、女性は自主退職を選ぶことになったそうです。
のちに「なりすまし」アカウントを作成したのは女性の友人だったと明らかになりました。
友人は女性の行動に気に入らない点があったといい、「なりすまし」の目的はおそらく嫌がらせだったと考えられます。
身勝手な感情からとった友人の軽率な行動のせいで、女性は職場にいられなくなってしまいました。
彼女は友人に対して民事訴訟を起こし和解が成立したといいますが、心の傷が簡単に癒えることはないでしょう。
Twitterの「なりすまし」アカウント、見分け方やだまされないための対策・対処は?
「なりすまし」かどうか見分ける方法はある?
「なりすまし」アカウントにだまされないために、私たちも対策をとるようにしたいですよね。
ツイートの内容に違和感を覚えたら、まず以下の3点を確かめてみるのがおすすめです。
- フォロワー数
- 公式ウェブサイト
- Twitterの利用開始日
本物だと思い込む前に確認ですね!
対策その1 フォロワー数を確認する
企業や有名人なら、たいていの場合本物のアカウントには多数のフォロワーがいるはずです。
そのため、フォロワー数は「なりすまし」の1つの判断基準になると考えられます。
企業や有名人の名前をかたっているにもかかわらずフォロワー数が極端に少ないアカウントは、「なりすまし」の可能性が高いといえるでしょう。
注意!
- なんらかの手段を使ってフォロワー数の多いアカウントを用意していることもあるため、「フォロワー数が多いから本物」とは言い切れません。
- 「アカウントを引っ越したばかりでフォロワー数が少ない」などの説明で信用させようとすることもあります。
対策その2 公式ウェブサイトなどを確認する
企業や有名人の場合、公式ウェブサイトのリンクから公式Twitterに移動できるようになっていることが多いと思います。
公式ウェブサイトやYouTubeの公式チャンネルがわかっているなら、それらに用意されているリンクからツイッターアカウントに移動するのがおすすめです。
公式サイトのリンクから移動できたアカウントは、「なりすまし」ではない可能性が高いといえるでしょう。
対策その3 Twitterの利用開始日を確認する
Twitterのアイコンをクリック、またはタップしてプロフィール欄を確認しましょう。
「〇〇年△月からツイッターを利用しています」という表記があるはずです。
このTwitterの利用開始日があまりにも最近の場合、「なりすまし」を目的に作成された可能性も疑うことができます。
注意!
- もちろん、公式や本人のアカウントが作成から間もない場合もあります。
- 「アカウントができました!」「ツイッターを始めました!」などの言葉を使って信用させようとすることもあります。
一般人の「なりすまし」を見分けるのは難しい
フォロワー数および公式ウェブサイトなどが判断の基準になりうる企業や有名人とちがい、一般人の「なりすまし」アカウントを見分けるのは難しいかもしれません。
もし、友人・知人の名前をかたったアカウントのツイート内容に違和感を覚えたら、最初から本人のアカウントだと思い込むのではなく「なりすまし」の可能性を考えてみましょう。
「なりすまし」に遭うのは有名人だけではありません。
一般人であっても嫌がらせなどの目的で「なりすまし」をされることがあります。
信頼関係のある友人であれば、本人に確認してみてもいいのではないでしょうか。
顔の見えないSNSよりも、まずは目の前の友人を信じて話ができたらいいですね。
まとめ
- Twitterの「なりすまし」アカウントは、「嫌がらせ」「お金儲け」「承認欲求の充足」などの目的で作成されることがある
- 今月、株式会社タニタの「なりすまし」アカウントが確認されている
- 弁護士の「なりすまし」アカウントで芸能人の訃報がツイートされた事例がある
- 「なりすまし」アカウントの存在を上司に知られ、勤務先を自主退職せざるをえなくなった事例がある
- Twitterの「なりすまし」アカウントにだまされないために、「フォロワー数」「公式ウェブサイト」「Twitterの利用開始日」を確認するなどの対策が考えられる
最近も、ツイッターには「なりすまし」アカウントが多数作成されているようです。
公式アカウントが利用者に注意を促すなど対応に追われています。
私たちも「なりすまし」にだまされないように、気をつけてTwitterを利用していきたいですね。