椎名林檎さんグッズのヘルプカード酷似とはなにが問題だったのか!?そもそもヘルプマークって?

椎名林檎さんの新作アルバムの特典として配られるはずだったグッズのデザインが、ヘルプマークに酷似していたことが大きな問題となりました。

一体何が問題だったのか、どの様なトラブルなのかをみていきましょう。

目次

ヘルプマークって?

ヘルプマークとは東京都福祉保健局が作成したピクトグラム、絵記号です。
外見ではわからなくても、何らかの援助や配慮が必要、求めていることをピクトグラムで伝えるために作られたものです。

例えば、妊娠初期だったり、義足を使用している場合など、一見すると気づきにくいですが、公共の乗り物などで席を譲ったり、周囲の人が手助けしたり配慮しやすくすることを目的としています。

2012年に東京都独自の取り組みとしてスタートしましたが、現在では全国の自治体に広まっていて、自治体窓口にてヘルプカードを受け取ることができます。

ヘルプカードについて

ヘルプカードはヘルプマークのデザインを用いて作られたカードで、裏面には緊急時の連絡先や必要な支援なども書かれています。

ヘルプカードは都内の駅や東京都心身障害者福祉センターなどで受け取ることができます。
東京都以外でも、千葉、神奈川、愛知、大阪、広島、福岡をはじめ、地方自治体でも配布場所は増えていて、普及しはじめています。

椎名林檎さんのグッズは何が問題だったのか

今回問題となったのは、椎名林檎さんの新作アルバム「百薬の長」に付属したグッズです。
ヘルプカードと酷似したデザインで、違いはハートの部分がリンゴとタイチーマークを模したデザインでした。

赤地に白抜きの十字などはほぼそっくりで、一見すると区別がつきにくいものでした。
そのため、ヘルプカードを持っている人が「椎名林檎さんのグッズですか?」と声をかけられる事案が発生し、問題となりました。

ヘルプカードを持っている人の中には、精神的に問題を抱えていて、突如見知らぬ人から声をかけられるとパニックになってしまう人もいます。

必要とする人が適切な援助を受けられなくなり、またトラブルが発生することも予想されることからその是非について議論の的となりました。

ユニバーサルミュージックの対応

CDを発売するユニバーサルミュージックは、今回の騒動と、東京都、日本赤十字社からの指導もあり、グッズのデザインを変更して発売することになりました。
問題となったヘルプカード似のカードケースだけでなく、もう一つの特典であるマスクにも赤十字マークが入っていたため、そちらもあわせて改訂されることとなりました。

ヘルプマークについては意匠権の問題もありますが、実用的にトラブルを引き起こすという懸念が問題視される一方で、赤十字についてはジュネーブ条約や法律に直接触れかねない問題でもあります。

そのため、当初2022年11月30日を予定していた発売日は延期となりました。

新しい発売日は追って連絡されるということです。

ヘルプカードが認知されるという副次的効果もありはしたが…

今回の騒動では、ヘルプカードについて大きく取り上げられたことで、ヘルプカードの認知が進んだという側面も確かにあります。
少なくとも、椎名林檎さんのファンのほとんどがヘルプカードを認知したことになりましたし、今回のニュースを見た人もまた、ヘルプカードを認知したことでしょう。

今回の騒動で「ヘルプカードをはじめて知った」という声も多く聞こえてきます。
しかし、既にデザインが似ていることで被害にあったという声もあがっていて、ヘルプカードが認知されて良かったとは言えなさそうです。

椎名林檎さんの黙りに不満の声も

騒動が置きてから数日経ってからからのレコード会社の対応、そして何より、椎名林檎さん本人からのコメントがまだないことへの不満の声もあがっています。

椎名林檎さん本人がデザインしたものではないとしても、本人の声で、どうしてそのデザインが採用されたのか、本人の意見を聞きたいという声がネット上では多く見られます。

また、今回のデザインが、たまたま似てしまったものなのか、ヘルプマークのデザインを元に作られたのか、どの様な意図があったのかということへの説明もなく、そういった説明不足に対する不満もあるようです。

騒動が起きた際にはなるべく迅速に本人がコメントを発表するというのは今の時代では重要となりそうです。

まとめ

椎名林檎さんのグッズがヘルプマークに酷似していた今回の問題は、椎名林檎さんサイドが配慮に欠いていたことで大きく話題となりました。

SDGsなど、様々な人が住みよい社会となる取り組みが大きく取り上げられる現代において、たくさんの人に影響を与える有名アーティストの行動としては軽率という批判も多くあります。

それと同時に、そもそもヘルプマークの認知自体が進んでいなかったという社会全体の問題も浮き彫りになり、それぞれの人が住みよい社会について考えることにもなりました。

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