今回の大手寿司チェーン、”かっぱ寿司社長逮捕”事件はなぜ起きてしまったのでしょうか?
ライバルである”はま寿司”へのどの行為が違反に当たってしまった?
このような異例の社長逮捕という事件について、事件の発端から理由まで解説していきます。
では、まず今回の事件概要から見ていきます。
今回の事件の概要
大手寿司チェーン”かっぱ寿司”を運営する”株式会社カッパ・クリエイト”の社長である田辺公己容疑者ら3人が、不正競争防止法により逮捕されました。
なぜ社長が逮捕に至った?
先程の概要に合ったように、”不正競争防止法”によって逮捕されました。
なぜこの法律が適用されたかというと、競合他社のライバルチェーン店”はま寿司”の営業秘密である「食材の仕入れ価格」などを持ち出し、使用した疑いに問われています。
田辺容疑者は”はま寿司”の親会社”ゼンショー”に在籍していた2020年9月ごろにデータを不正に入手し、今回の事件が起きた”カッパ・クリエイト”に転職した12月ごろ、会社の運営に使用したとみられています。
つまり、本来なら抜き出してはいけない情報を自分のみをつかって競合他社のデータを流入させ、それを自社の営業に使ったとみられます。
他の2人はなぜ逮捕?
他の二人も不正競争防止法に問われています。
先程のデータを不正に使用したとし、同社”カッパ・クリエイト”大友英昭容疑者が不正競争防止法によって逮捕されました。
また、田辺容疑者(社長)にデータを見るためのパスワードを教えたとし、社員で部下だった湯浅宜孝容疑者も逮捕されました。
警視庁は、3人の黙秘を明らかにはしていませんが、社長の田辺被告は画像のように元同僚から受け取ったと話し、自分の容疑を逃れようとする動きも見られます。
このような事件は珍しいことではない?
このように競合他社の営業秘密に当たるデータを不正に入手し、営業に使った事例は、実は過去にも起こっています。
- 昨年、モバイル通信事業を運営する楽天モバイルと競合のNTTdocomoでは、5G開発のためNTTdocomo元社員が楽天モバイルへ技術データを不正流入させ、当時楽天モバイル社員が不正競争防止法に問われた事件があります。
各どの業界にも、競合に対して”ズル”を働かせ、本当はいけないことと分かっていても犯してしまうような事件は、今後も起こってほしくありません。
”資本主義社会”ならではの、スレスレを責めてしまい起こった事件なのでしょうか。