最近「AI」という言葉をよく目にしませんか?
それもそのはずで、AIは現在めざましい発展を遂げています。非常にレベルの高いイラストを描いたり、最近では文章も書けるようになりました。オセロや将棋などのゲームに関しても、一瞬で活路を見いだせるAIは圧倒的に有利です。
これほどまでに知能を上げてきたAIは今後、人間の仕事を奪うようになるのではないか?という疑問が囁かれていますが、AIは現在どういったことができて、何が問題なのでしょうか?
AIとは何?何の略?
まずAIという言葉がよくわからないです。何の略なのですか?
AIとはArtificial Intelligenceの略称で、「Artificial」は直訳すると「人工」、「Intelligence」は「知能」「理解力」という意味を持っています。
なのでAIは人工知能と呼ばれたりもします。
AI(人工知能)は言葉通り「人工的に作られた知能」、つまり「人間のように自分で考えること」ができるようになるためのコンピュータの研究のことです。
コンピュータなのに、なぜ自分で考えることができるのですか?
AIには自分が経験して培った情報を整理して改善(学習)できる「機械学習」が備わっており、これを駆使することによって人間の手を借りることなく自分で物事を考えることができるようになりました。
AIという言葉がよく聞かれるのはここ数年ですが、AIの研究自体は1950年から行われています。
人工知能(AI)はどんなことができるの?
具体的にAIはどのようなことができるのでしょうか?
AIができることは主に以下のとおりです。
- 画像を認識する
- 音声を認識する
- 文章を理解する
- 異常を検知する
- 推論や予測
画像を認識する
AIは画像を認識することができます。画像を見て画像から対象物の特徴を認識し、過去に学習したデータから対象になるものを検出します。
このことを利用しているものとして、人の顔を覚えるペットロボットや、スマートフォンの顔認識などがあります。
音声を認識する
スマートフォンなどに備えられている「声(音声)で文字を打ち込む」機能などにもAIが一役買っています。
何かを検索するときにわざわざ手で打ち込むことなく、音声で検索したい言葉を言うだけで文字に変換してくれる機能はとても便利ですよね。
このことは「音声認識」と呼ばれています。
逆に「文字を音声にする」ことは「音声合成」と呼ばれ、Siri・Googleアシスタントなどで利用されています。
SiriやGoogleアシスタントには「音声対話」も備わっているので、話しかけたこちらの言葉に対して、向こうも音声で返事をしてくれます。
文章を理解する
AIは人間が使う文章を理解することができ、このことは翻訳などにも利用されています。
言葉が理解できなければ、翻訳は難しいですよね。
たまに変な翻訳も見られますが、概ね合っています。
最近ではAIの文章理解度の精度もあがり、AIが数百ページにのぼる文章を執筆することも可能になりました。
いつかAIが小説を執筆する日が来るかもしれません。
異常を検知する
人間ならば見落としてしまうかもしれない小さな異常もAIなら検知することができます。
食品の中の異物混入や、診断が難しい病気などを見つけ出すことにも秀でており、今後もっとAIを使用する機会が増えていくのではないでしょうか。
AIは人間のように忘れることがないので、こういった面は非常に強いですね。
推論や予測
検索エンジンを使用するときに、単語を入れると予測が出てきますよね。あれもAIを使用しています。
予測で検索したい単語が出てきてくれたら打ち込む手間が省けるのでとても便利です。YouTubeのオススメ動画などもAIが選別していますよ!
たまに見当外れな動画もすすめられますが、概ねこちらの趣味を理解している感はあります。
オセロや将棋などもAIにプレイさせると非常に手強い相手になります。これは過去に行ったプレイや情報を学習しているため、AIは様々な攻め方を何千・何万通りも頭に浮かべることができるからです。
そして、それを一瞬で処理してしまうので人間にとっては非常に厄介な対戦相手ですよね。
AIが苦手なことはあるの?
ここまで何でもできちゃうAIですが、AIに苦手なことはあるんですか?
AIが苦手なことは以下のとおりです。
- 人の気持ちを理解したコミュニケーション
- 何かを創り出すこと
人の気持ちを理解したコミュニケーション
AIは現在の技術では感情を持つことができません。なので、音声を理解することはできても、こちらの複雑な心理を読み解くことは現状まだまだ厳しい状況です。
保険会社の営業や、服屋さんなどでの接客は絶望的です。
何かを創り出すこと
先ほど、AIができることの1つに文章を作りだすことを挙げましたが、AIは何かを創り出すことが苦手です。「過去のデータを読み解いて作業をすること」は得意ですが、何かクリエイティブな作業をしようとすると今までのデータには無かったものを生み出さなければいけないですよね。「今までになかった何か」を創り出すというその作業がAIには不向きなのです。
しかし、今後もっと様々なものを学習していけば状況は変わっていくかもしれません。
AIの問題は?
ここまで良いことづくしだったように思いますが、AIにはどんな問題点がありますか?
AIはまだまだ発展途中で、問題点もいくつかありますが、問題視されているのは以下のような点があります。
- 人間の仕事を奪う可能性
- AIの不具合によって起った問題は誰が責任をとるのか
- プライバシーの問題
- 軍事利用される危険性
- セキュリティの問題(データが漏洩する危険性)
人間の仕事を奪う可能性
これまでのAIの特徴を見ていくと、単純な作業や流れ作業は間違いなく人間よりもAIのほうが得意そうです。AIなら人間が手作業でおこなうよりミスも少なく済みます。
何よりもAIには給料を支払う必要がありません。AIを導入する初期投資はかかりますが、導入してしまえばあとはお金がかからないのです。
誰がおこなっても同じ結果になるような仕事はこれから先AIに置き換わっていく可能性があります。
AIは便利な反面、自分の仕事を奪う存在にもなり得るということですね…。
何かを創り出すことは苦手とされているAIですが、かなりハイクオリティなイラストを描くことができるようになってきました。
ある中学校のパンフレットでは、AIが作成したイラストを使用しています。
学習させたイラストレーターさんの絵柄の面影や、AIが苦手としている「手」の描写が課題になりそうですが、こちらもいずれ改善されていきそうな勢いでAIは進化を遂げているので、いつか「AIイラストレーター」が誕生してもおかしくないかもしれません。
AIにいいものを描かせるにはかなりの労力がかかりそうです。
AIが身近な存在になりすぎている?
読書感想文に生成AIは使わないで…?
いつか犯罪に繋がりそうで怖いですよね。
AIの不具合によって起った問題は誰が責任をとるのか
AIはミスが少ないですが、全くミスを起こさないとも言い切れません。AIが関与したもので損害が発生した場合、誰が責任を取るのでしょうか?
自動運転システムを用いた自動車で事故が発生した場合などが挙げられます。
この場合、自動運転システムを作った人に責任があるのか、運転していた人の責任になるのか。
AIに関する法律は今後制定されていくのでしょうか。
プライバシーの問題
YouTubeのオススメに出てくる動画や、それぞれ個人が興味のあるものに焦点を当てて表示させる広告など、様々なところでAIは使用されています。
しかし、これはAIが個人の情報を学習した上で表示しているものであり、度をいきすぎて情報を収集してしまうとプライバシーの侵害にもなりかねません。どこまで情報は収集してもいいのでしょうか?AIを使う上では非常に重要な課題です。
軍事利用される危険性
AIを軍事目的に利用することも危惧されています。
AIを搭載した無人ロボットの兵器を使用して戦争になったとすると、確かに敵に倒されても人間が命を失うことはありません。しかし、無人ロボットの兵器を使用して人間に危害を加えるという最悪の事態も考えられますよね。
現段階でAIの知能はまだ人間よりも下ですが、人間の知能をAIが追い越したとき、人間にAIを制御することは可能なのでしょうか?
使い方によってAIは便利にもなりますが、時に恐ろしいことにもなりかねません。
セキュリティの問題(データが漏洩する危険性)
AIはネットワークを利用してたくさんの個人情報や機密情報を取り扱っています。
AIの精度を高めるためにはより多くの情報が必要となり、この大量の情報群のことをビッグデータと呼んでいます。
それだけ膨大なビッグデータが、万が一漏洩してしまったらどうなるでしょうか?データを適切に管理しないと、漏洩する情報はとんでもない量になります。
AIは便利ですが、扱いにも気をつけなければいけません。
まとめ
- AIとはArtificial Intelligenceの略称で、人工知能とも呼ばれる
- 画像や音声を認識することや、文章も理解できる
- 異常を検知する力や、推論や予測も可能
- 逆に、人の気持ちを理解することや、何かを創り出すことは苦手としている
- AIの問題点として、人間の仕事を奪う可能性や軍事利用される危険性などがある
いかがでしたか?AIとひとくくりにしても、様々なAIがあります。スマートフォンには特に色々なAIが使われていることがわかりました。
AIは便利ですが、時に危険なものという認識も忘れず、正しい方法で利用していきたいですよね。