2023年6月1日、将棋の藤井聡太さんが「名人」のタイトルを獲得しました。
藤井聡太さんといえば、これまでにもさまざまなタイトル戦勝利がニュースになっていますよね。
現在、藤井聡太さんは「名人」以外にも数々のタイトルを持っているはず。
いったいどんなタイトルをいくつ持っているのか、まとめてみました!
- 藤井聡太さんが現在保持しているタイトルの種類と数
- 藤井聡太さんがまだ保持していないタイトルの種類と数
- 歴代七冠および八冠達成者
藤井聡太さんが現在持っているタイトルは?
藤井聡太さんが現在持っているタイトルを全部知りたい!
2023年6月4日現在、藤井聡太さんが保持しているタイトルは以下の7つです。
- 竜王(りゅうおう)
- 名人(めいじん)
- 王位(おうい)
- 叡王(えいおう)
- 棋王(きおう)
- 王将(おうしょう)
- 棋聖(きせい)
なるほど!
それぞれどんなタイトルなのかな?
竜王(りゅうおう)
主催 | 読売新聞社・日本将棋連盟 |
設立時期 | 1987年 |
優勝賞金 | 4,400万円(準優勝賞金1,650万円) |
開催方式 | 竜王ランキング戦(予選) ↓ 竜王戦決勝トーナメント(予選の勝者11名が出場) ↓ 竜王戦七番勝負(竜王戦決勝トーナメントの勝者1名が前期竜王と対局) |
特徴 | アマチュアの参加枠がある 名人とともに、その他のタイトルよりも格上とされる |
藤井聡太さんは、2021年10月から11月にかけておこなわれた竜王戦七番勝負で勝利し、第34期竜王の座に就きました。
豊島将之竜王(当時)を相手に4連勝、ストレート勝ちでタイトルを奪取しています。
翌2022年には、広瀬章人八段の挑戦を受けました。
藤井聡太竜王は初戦を落としますが、4勝2敗で第35期竜王の防衛に成功しています。
名人(めいじん)
※以下、優勝賞金は非公開のため、各種メディアなどで推定されている金額を掲載しています。
主催 | 毎日新聞社・朝日新聞社・日本将棋連盟 |
設立時期 | 1935年 |
優勝賞金 | 非公開(推定2,000~3,500万円) |
開催方式 | 順位戦(予選) ↓ 名人戦七番勝負(順位戦の勝者1名が前期名人と対局) |
特徴 | もっとも歴史が長いタイトル戦 竜王とともに、その他のタイトルよりも格上とされる |
藤井聡太さんは、2023年4月から6月にかけておこなわれた名人戦七番勝負で勝利し、第81期名人の座に就きました。
三連覇中だった渡辺明名人(当時)を相手に、4勝1敗の成績でタイトルを奪取しています。
王位(おうい)
主催 | 新聞三社連合・日本将棋連盟 |
設立時期 | 1960年 |
優勝賞金 | 非公開(推定1,000~2,000万円) |
開催方式 | 予選(トーナメント戦) ↓ 挑戦者決定リーグ(予選の勝者8名とシード棋士4名が2つのリーグに分かれて対局) ↓ 挑戦者決定戦(各リーグ優勝者同士が対局) ↓ 王位戦七番勝負(挑戦者決定戦の勝者が前期王位と対局) |
特徴 | 特別協賛企業とその商品名から「伊藤園お~いお茶杯王位戦」として開催 |
藤井聡太さんは、2020年7月から9月にかけておこなわれた王位戦七番勝負で勝利し、第61期王位の座に就きました。
木村一基王位(当時)を相手に4連勝、ストレート勝ちでタイトルを奪取しています。
翌2021年には、豊島将之竜王(当時)の挑戦を受けました。
藤井聡太王位は初戦を落としますが、4勝1敗で第62期王位の防衛に成功しています。
2022年の王位戦も、挑戦者は豊島将之九段。
藤井聡太王位は、同じく4勝1敗で第63期王位の防衛に成功しています。
今年の7月には、佐々木大地七段の挑戦を受けて3回目の防衛を目指します。
叡王(えいおう)
主催 | 株式会社不二家・日本将棋連盟 |
設立時期 | 2015年(※タイトル戦としては、2017年第3期) |
優勝賞金 | 非公開(推定1,000~2,000万円) |
開催方式 | 段位別予選 ↓ 本戦(予選の勝者12名とシード棋士4名のトーナメント戦) ↓ 叡王戦五番勝負(本戦の勝者と前期叡王が対局) |
特徴 | もっとも歴史の新しいタイトル戦 |
藤井聡太さんは、2020年7月から9月にかけておこなわれた叡王戦五番勝負で勝利し、第6期叡王の座に就きました。
豊島将之叡王(当時)を相手に3勝2敗の成績でタイトルを奪取しています。
翌2021年には、出口若武六段の挑戦を受けました。
藤井聡太叡王は、3連勝で第7期叡王の防衛に成功しています。
今年の挑戦者は菅井竜也八段。
藤井聡太叡王は、3勝1敗で第8期叡王の防衛に成功しています。
棋王(きおう)
主催 | 共同通信社・日本将棋連盟 |
設立時期 | 1974年(※タイトル戦としては、1975年) |
優勝賞金 | 非公開(推定900~1,300万円) |
開催方式 | 予選(トーナメント戦) ↓ 挑戦者決定トーナメント(予選の勝者8名とシード棋士あわせて約30人が参加) ↓ 棋王戦五番勝負(挑戦者決定トーナメントの勝者と前期棋王が対局) |
特徴 | アマチュアの参加枠がある 特別協賛企業名から「棋王戦コナミグループ杯」として開催 |
藤井聡太さんは、2022年2月から3月にかけておこなわれた棋王戦五番勝負で勝利し、第48期棋王の座に就きました。
渡辺明棋王(当時)を相手に3勝1敗の成績でタイトルを奪取しています。
王将(おうしょう)
主催 | 毎日新聞社・スポーツニッポン新聞社・日本将棋連盟 |
設立時期 | 1950年(※タイトル戦としては、1951年) |
優勝賞金 | 非公開(推定800~1,200万円) |
開催方式 | 一次予選(トーナメント戦) ↓ 二次予選(一次予選の勝者を含めた18名のトーナメント戦) ↓ 挑戦者決定リーグ(二次予選の勝者とシード権保持者あわせて7人のリーグ戦) ↓ 王将戦七番勝負(挑戦者決定リーグの勝者と前期王将が対局) |
特徴 | 名人戦に次いで長い歴史を持つタイトル戦 特別協賛企業名から「ALSOK杯王将戦」として開催 |
藤井聡太さんは、2021年1月から2月にかけておこなわれた王将戦七番勝負で勝利し、第71期王将の座に就きました。
渡辺明王将(当時)を相手に4連勝、ストレート勝ちでタイトルを奪取しています。
翌2022年には、羽生善治九段の挑戦を受けました。
藤井聡太王将は、4勝2敗の成績で第72期王将の防衛に成功しています。
棋聖(きせい)
主催 | 産経新聞社・日本将棋連盟 |
設立時期 | 1962年 |
優勝賞金 | 非公開(推定700~1,100万円) |
開催方式 | 一次予選(トーナメント戦) ↓ 二次予選(一次予選の勝者8名を含めたトーナメント戦) ↓ 決勝トーナメント(二次予選の勝者とシード権保持者あわせて16人が参加) ↓ 棋聖戦五番勝負(決勝トーナメントの勝者と前期棋聖が対局) |
特徴 | 特別協賛企業名から「ヒューリック杯棋聖戦」として開催 |
藤井聡太さんは、2020年6月から7月にかけておこなわれた棋聖戦五番勝負で勝利し、第91期棋聖の座に就きました。
渡辺明棋聖(当時)を相手に3勝1敗の成績でタイトルを奪取しています。
翌2021年には、渡辺明名人(当時)の挑戦を受けました。
藤井聡太棋聖は、3連勝で第92期棋聖の防衛に成功しています。
2022年の挑戦者は、永瀬拓矢王座でした。
藤井聡太棋聖は初戦を落としたものの、3勝1敗の成績で第93期棋聖の防衛に成功しています。
今年の6月には、佐々木大地七段の挑戦を受けて第94期棋聖の防衛を目指します。
藤井聡太さんの現在の肩書きは「竜王・名人」
タイトルを保持している棋士は、タイトル名が肩書きになります。
タイトルを複数持っている場合は、より序列の高いタイトル名を名前のうしろに付けて呼ぶそうです。
藤井聡太さんは、その他のタイトルよりも格上とされる「竜王」と「名人」の両方を保持しています。
そのため、藤井聡太さんの現在の肩書きは「竜王・名人」。
「藤井聡太竜王・名人」と呼ぶのが正式のようです。
当記事では、将棋に詳しくない人でも読みやすいように「藤井聡太さん」という呼び方を使っています。
ご理解いただければ幸いです。
2023年6月4日現在、藤井聡太さんは
- 竜王
- 名人
- 王位
- 叡王
- 棋王
- 王将
- 棋聖
のタイトルを保持しています。
藤井聡太さんは、今何冠? 残りのタイトルは?
藤井聡太さん、たくさんのタイトルを持っているんですね!
ということは、藤井聡太さんは今何冠?
藤井聡太さんは現在、七冠です。
七冠!
あと残っているタイトルはいくつあるんですか?
残るタイトルはあと1つです。
藤井聡太さんは現在、七冠
前述のように、藤井聡太さんは現在以下の7つのタイトルを保持しています。
竜王・名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖
つまり、藤井聡太さんは現在、七冠の達成者。
数々の最年少記録を塗り替えてきた藤井聡太さんですが、20歳10か月での七冠達成もまた、最年少記録だそうです。
残るタイトルは、「王座」1つ
将棋界では、8つのタイトルを指して「八大タイトル」と呼びます。
現在七冠の藤井聡太さんは、八大タイトルのうち7つを保持しています。
藤井聡太さんにとって残るタイトルは1つ、「王座」です。
王座(おうざ)
主催 | 日本経済新聞社・日本将棋連盟 |
設立時期 | 1953年(※タイトル戦としては、1983年) |
優勝賞金 | 非公開(推定1,000~1,400万円) |
開催方式 | 一次予選(トーナメント戦) ↓ 二次予選(一次予選の勝者6名を含めたトーナメント戦) ↓ 挑戦者決定トーナメント(二次予選の勝者とシード権保持者あわせて16人が参加) ↓ 王座戦五番勝負(挑戦者決定トーナメントの勝者と前期王座が対局) |
特徴 | タイトル戦としては比較的新しい |
王座のタイトルは、現在、永瀬拓矢(ながせ たくや)さんが保持しています。
永瀬拓矢さんは、藤井聡太さんの”研究パートナー”だとか。
2022年には棋聖戦を戦っていますが、お互いよく知った相手なのでしょうね。
タイトル名 | 読み方 | 保持者 |
---|---|---|
竜王 | りゅうおう | 藤井聡太 |
名人 | めいじん | 藤井聡太 |
王位 | おうい | 藤井聡太 |
叡王 | えいおう | 藤井聡太 |
王座 | おうざ | 永瀬拓矢 |
棋王 | きおう | 藤井聡太 |
王将 | おうしょう | 藤井聡太 |
棋聖 | きせい | 藤井聡太 |
- 藤井聡太さんは現在七冠で、残るタイトルは「王座」1つです。
これまでの将棋界で七冠は誰がいた? 八冠は?
七冠を達成した人は、藤井聡太さん以外に誰がいるの?
藤井聡太さん以外では、羽生善治(はぶ よしはる)さんただ1人です。
そうなんだ!
じゃあ、八冠達成者は?
八冠の達成者は、これまでに1人もいません。
歴代七冠達成者は2人
歴代七冠達成者は、羽生善治(はぶ よしはる)さんと藤井聡太さんの2人だけです。
羽生善治さんが七冠を達成したときには、まだ8つ目のタイトルが新設されていませんでした。
つまり、当時の七冠は全タイトル独占を意味します。
棋士名 | 七冠達成日 | 当時の年齢 |
---|---|---|
羽生善治 | 1996年2月14日 | 25歳4か月 |
藤井聡太 | 2023年6月1日 | 20歳10か月 |
八冠達成者はゼロ
叡王戦が新設された現在は、八冠を達成すれば全タイトル独占となります。
しかし、これまで八冠達成者は1人も出ていません。
もし藤井聡太さんが残る1つのタイトルを獲得すれば、史上初の八冠達成者となるんですね。
残る1つ、王座戦は、現在挑戦者決定トーナメントの途中。
藤井聡太さんも勝ち上がっているそうですよ。
- 七冠達成者は、羽生善治さんと藤井聡太さんの2人です。
- 八冠達成者は、これまでに1人もいません。
まとめ
- 2023年6月4日現在、藤井聡太さんは、【竜王・名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖】のタイトルを保持している
- 藤井聡太さんは現在七冠で、残るタイトルは「王座」1つである
- 歴代七冠達成者は、羽生善治さんと藤井聡太さんの2人である
- 八冠達成者は、これまでに1人もいない
藤井聡太さんの活躍は本当にすばらしいですね!
現在のタイトルを防衛しながら残るタイトルを奪取して、史上初の八冠を達成してしまうのでしょうか!?