【世界卓球】東京オリンピックで活躍した石川佳純、平野美宇、丹羽孝希が出ていなかったのはなぜ？

2023 10/19

2023-10-19 2023-10-19

2022年の世界卓球選手権（通称「世界卓球」）は、男子が銅メダル、女子が銀メダルをそれぞれ獲得して幕を閉じました。

中国選手との戦いで見せた張本智和選手の気迫あふれるプレーにはワクワクしましたし、決勝までストレートで勝ち上がった新生日本女子チームには新しい風を感じましたね！

ところで新生チームといえば、今回の大会には石川佳純選手や平野美宇選手の姿がありませんでした。
ふたりともこれまで日本女子卓球を引っ張ってきた選手です。
新しい力の躍動は喜ばしいことですが、東京オリンピックの代表も務めた人気選手たちの活躍する姿が見られなかったのは少し寂しい気もします。

彼女たちはなぜ今回の世界卓球に出場していなかったのでしょう？
世界卓球に姿のなかった人気選手たちの事情を調べてみました！

石川佳純選手が世界卓球に出場していなかったのはなぜ？まさか引退？

女子の人気選手といえばやはり石川佳純選手。
彼女はなぜ熱戦が繰り広げられた世界卓球の会場にいなかったのでしょうか？

東京オリンピックの後、日本卓球界のレジェンドと呼ばれた水谷隼選手が引退を発表しました。
水谷選手より年齢は下になりますが、石川佳純選手も長きにわたって卓球界の顔であり続けた選手。
これまでの日本代表戦には、大抵の場合彼女の姿がありました。
その石川選手がいないとなれば、「まさか引退？」「それとも怪我？」と心配になってしまいますね。

しかし、石川選手は今年の9月に開催された国内の大会に参加しています。
競技から引退したわけではないようですね！
引退でも怪我でもなく、世界卓球代表メンバーの選考基準に届かなかったため、今回は出場していなかったということのようです。

今年3月に開催された「LION CUP TOP32」という大会があります。
この大会は世界卓球の代表選考を兼ねており、石川選手も出場。
ベスト4以上の成績を収めれば代表に内定が決まったのですが、残念ながら石川選手は準々決勝で敗退しました。
最終順位は6位に終わり、世界卓球代表の座を逃してしまったとのこと。
この大会の結果をもって、優勝した早田ひな選手をはじめベスト4に入った⾧﨑美柚選手・木原美悠選手・佐藤瞳選手と、すでに代表に内定していた伊藤美誠選手の5人が世界卓球に日本代表として出場することになったのです。

実に14歳のころから世界卓球に出場してきた石川選手。
長い間代表を務めてきた彼女ですから、今回出場を逃してしまったのがとても残念です。

石川選手はもう代表になれないの？「世代交代」って本当？

代表に選出された若い選手たちが活躍し、「世代交代」という声も聞こえてきます。
石川佳純選手は現在29歳。
実際に、10代から20代前半の選手との代表枠争いに破れてしまったわけですが、現在の彼女はもう若い世代の選手たちにかなわないのでしょうか？

いえいえ、まだまだそうとはいえません！

先述したように、石川選手は今年9月に開催された「2022 全農CUP TOP32福岡大会」という大会に出場しています。
そこで石川選手は、今回の世界卓球で日本代表として活躍した⾧﨑美柚選手にストレートで勝利。
決勝に駒を進めているのです。

決勝では伊藤美誠選手に敗れ惜しくも準優勝となりましたが、その結果をもってパリオリンピックの選考基準となるランキングで早田ひな・伊藤・長崎選手に続く4位につけることとなりました（2022年9月26日更新分）

パリオリンピックを目指すのかどうかまだ名言していない石川選手ですが、出場する大会やTリーグの試合に今も一戦一戦全力で挑み続けています。
卓球に対する熱い思いは失われていない様子。
石川選手の活躍をまだまだ楽しみにしていていいのではないでしょうか！

平野美宇選手が世界卓球に出場していなかったのはなぜ？

もうひとり、東京オリンピックの団体戦メンバーである平野美宇選手の姿が見えなかったのも気になるところですね。
平野選手も石川佳純選手同様、世界卓球の代表選考から漏れてしまったようです。

LION CUP TOP32に出場した平野選手は、準々決勝で木原美悠選手と対戦しましたが敗戦。
順位決定戦では石川選手に接戦の末敗れ、最終順位は7位。
ベスト4入りを逃し、世界卓球の代表内定を勝ち取れなかったようです。

ちなみに、この大会では東京オリンピックを戦った伊藤・石川・平野の3選手が全員準々決勝で姿を消しています。
オリンピックという大きな大会が終わったあとに再び試合に向けて心身のコンディションを整えるというのは、私たちが思うより難しいことなのかもしれませんね。

思うように上位に食い込めない大会もあるようですが、実は平野選手はTリーグの個人戦である「Tリーグ NOJIMA CUP 2022」で準優勝を果たしています。
今年の8月のことです。
自分の人生をジェットコースターに例えたことのある平野選手。
世界卓球出場は逃してしまいましたが、この先まだまだ何が起こるかわかりません。
チームの移籍、かつて共に歩んだコーチとの再タッグと、パリ五輪のシングルス代表を目指して競技のための環境を整え選考レースに挑んでいます！

男子代表チームに丹羽孝希選手がいなかったのはなぜ？

東京オリンピックでの活躍が記憶に新しい丹羽孝希選手もまた、今回の世界卓球の試合会場に姿がありませんでした。
丹羽選手も女子の人気選手たちと同じく代表の座をつかめなかったのでしょうか？

実は、丹羽選手はLION CUP TOP32でベスト4入りを果たし、代表チームに加わることが決まっていたのです。
では、なぜ出場していなかったのでしょう？
その理由は、意外にも「インフルエンザ」だったのです。

丹羽選手の所属チームが発表したところによると、9月21日にインフルエンザに感染していると診断されたとのこと。
世界卓球の開幕が9月30日ですから、大会直前に起こってしまったアクシデントだったんですね。
迷惑をかけたと謝罪のコメントを発表している丹羽選手。
どんなに注意していても感染してしまうことはあるものですが、ご本人もショックだったことでしょう。

しかも男子日本代表は入国ビザの関係もあり、丹羽選手の代わりの出場者をたてることができなかったのだとか。
「レジェンド」水谷隼選手が引退し、さらに経験豊富な丹羽選手を欠いたうえ、ひとり少ない人数で大会に挑むことになっていたとは。
19歳のエースを中心に力を合わせ、ピンチを乗り越えてつかみとった銅メダルだったんですね。
なんとも頼もしい代表選手たちです！

ゆっくり療養したのち、丹羽選手の活躍にもまた期待したいですね。

パリオリンピックの代表はどうなるの？石川選手や平野選手は出場できる？

若い選手たちが躍動し、さらに経験豊富な選手たちもまた調子を上げてきている日本の卓球界。
世界卓球でも男女ともに素晴らしい結果を残し、こうなると気になるのは次のオリンピックのこと。
2024年に開催されるパリオリンピックの代表はいったい誰になるのでしょうか？

現状代表にもっとも近いのは、選考ポイント1位の張本智和・早田ひな両選手といえます（2022年9月26日更新分）

パリオリンピックの代表はポイントレース。
国内でおこなわれる大会の成績によって各選手にポイントが付与され、その合計を競います。
選考基準がはっきりと目に見えるので、わかりやすい仕組みといえます。

まだ前半戦ではありますが、そのポイントレースで男女それぞれのトップを走っているのが張本選手と早田選手。
張本選手は2位の及川瑞基選手に54ポイントの差をつけており、好調ぶりがうかがえます。

とはいえ、今後の大会の結果で大きく数字が動くことも考えられるポイントレース、最後まで何が起こるかわかりません。
最新の更新では、丹羽孝希選手を含む世界卓球の代表メンバーはもちろん、女子では石川佳純・平野美宇の両選手も獲得ポイント上位8名にランクインしています。
東京オリンピックでは、選考レース終盤の大会で直接対決を制した石川選手が大きなポイントを獲得し、平野選手を逆転。
そのままシングルス代表の内定をつかむというドラマがありました。
最後に代表の座をつかむのはどの選手なのでしょうか。

選考レースに挑むには、大きな覚悟がいるといいます。
東京オリンピックの選考でシングルス代表を逃した平野選手の涙を覚えている人も多いのではないでしょうか。
パリオリンピックを目指すすべての選手が大きな怪我や病気などのトラブルに見舞われることなく、最後まで選考レースを走り抜けることができるよう願うばかりです。