台風14号の日本列島縦断も一段落した今日この頃、いまだに世間的重大関心事といえばコロナ第7波の感染状況でしょう。
そういえば最近ニュースで全国の感染状況を以前ほどみなくなったと思いませんか。では「本当にコロナは沈静化しつつあるのか?!」を検証してみましょう。
2022年9月19日現在の全国の感染者数は、新規感染者数が64,009人、7日間の平均感染者数が76,755人となっています。
そして第7波のピークとされる2022年8月24日の新規感染者数が243,382人、7日間の平均感染者数が226,915人となっています。
つまり、新規感染者数は4分の1に、7日間の平均感染者数は3分の1となっており感染者数は減少しています。
感染者減少の大きな2つの要因
感染者数の減少について大きな要因があります。
ワクチンの接種率が大きく増えたこと
- 2回のワクチン接種率が8月中旬には全人口の50%、高齢者では90%近くの接種率
- コロナの感染者数の合計数が全国では2070万人を超えており国民の10%以上がコロナに感染
上の2つの要因について併せて免疫を獲得した人の割合が増加しているのです。
確かに最初のワクチン接種が医療従事者から始まった2021年2月中旬から約1年半の間ワクチン接種の機会が継続・増加してきたこと、この間のコロナに患した人の多くが回復していることもあわせて考えると一応の納得はいきそうです。
ただワクチン接種の機会について全国民の割合が増加しているとはいえワクチンの効果も時がたてば効果がなくなるとされるので必ずしも減少率につながっているとはいえず、他にも考えられる理由を見てみましょう。
他に挙げられる5つの要因
他に挙げられる減少率として5つの要因が挙げられます。
7月下旬から夏休みやお盆休みなど感染拡大が集中する時期が過ぎた
これらの時期は人の移動・集合が活発となりますが終わってしまえば感染拡大要素も減少します。
医療危機が伝わり感染対策が一層進んだ
感染拡大に歯止めがかからず医療ひっ迫により感染者が十分な医療を受けられにくくなったというニュースが頻繁に報道されたことによるものです。医療が危機的な状況になっていることが一般人にとって身につまされることとなり感染対策を重視することにつながったと考えられています。
夜間の外出が減少した
夜間外出の減少とは主に繁華街での夜間の人出の減少を表しますが、東京では繁華街の夜間外出が一定程度減少しています。
度重なる緊急事態宣言の結果、東京の夜間の繁華街のワクチン未接種者の割合はコロナ禍前の70%も減少したという統計もあるようです。
私の住む地方でも夜間の繁華街はほとんど人がおらずコロナ禍前であればタクシーの長い駐車の列もかき消えていたのを思い出します。
気温が下がって窓を開けて換気しやすくなった
今年は特に暑く「酷暑」と呼ばれていましたが、9月となり空調冷房の効いた部屋での活動が減って「密」なる距離が解消されたことが挙げられます。
「コロナの患者数は若者で増えて若者で減った」という現象が目立った
若い世代間で拡大した感染拡大がワクチンの効果で高齢層に拡大せず自らの効果で感染拡大を抑えたという結果に分析されたことです。
これらの5つの要因は感染拡大の歯止めの抑止力として挙げられますが、2021年の冬から2022年の春にかけてコロナの飲み薬である「ラゲブリオ」、「パキロビッド」が承認されたことも大きく関わってきます。コロナに感染しても自宅で治せるならば患者に関わる人も減らせるので、感染のリスクも減らせることが容易になりますね。
コロナ飲み薬、普及期へ
— 岡村サチコ (@sachi77711) September 16, 2022
の新聞記事です。オミクロン株にも効くなんて凄い😊 pic.twitter.com/h5oKMXaDad
世界の感染状況はどうなっているのでしょうか
では世界のコロナの感染状況はどうなっているのでしょうか。
2022年9月19日現在で新規感染者は439,815人で7日間の平均感染者数は474,658人で、ピーク時に比べると新規感染者は88%、7日間の平均感染者数も87%減少しています。
要因として、
- 先進国を中心にワクチン接種率が増加したこと
- 人口の多くが感染したことによる免疫率が増加したこと
- 北半球を中心に季節的に変化したこと
が挙げられます。
WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長も2022年9月14日の記者会見で先週の世界全体のコロナウイルスによる死者数が2020年3月以来の低水準になったことに言及し、「感染拡大の終わりが視野に入ってきた」と述べています。
世界全体の感染拡大の減少は日本の感染減少理由と似ています。しかし各国別でみると検査数を減らして報告する国や感染者の絶対数を把握しようとしない国もあるため減少率は慎重にみるべきでしょう。
まとめ
今後も新しいコロナの変異株が生まれる可能性は否めません。しかしこれまでに現れた変異株に対するワクチンや経口薬の開発が進み、マスクや物理的な距離感をとることによって一定の防御策が徹底されるのならコロナの根絶時期も近い未来にあるでしょう。