どんなSNSを使っていますか?と聞かれて「ツイッター」と答える方は多いはず。それほど「ツイッター」は身近なSNSであり普及しているSNSサービスです。発信したいことを140字以内で投稿するという至ってシンプルなSNSですが、利用ユーザーが多いのでツイッター1つから様々な情報を得ることができますよね。そんなツイッターですが、2022年10月28日「イーロン・マスク」氏によって買収されました。イーロンマスク氏が買収したことによってツイッターにはどういう影響が出ているのでしょうか。また、ツイッターを買収した経緯、イーロンマスク氏とはどういった人物なのか・ツイッターと似たようなSNSは他にもあるのか?などについてもまとめました。
この記事で分かること
- イーロンマスク氏はどういう人物なのか?
- ツイッターが買収された経緯
- ツイッターに出ている影響
- 移住先SNSはあるの?
イーロンマスクはどういう人物なのか?
イーロン・マスクさんは1971年生まれの現在(2023年)51歳です。南アフリカ共和国の出身であり、エンジニアの父親とモデルの母親の間に生まれました。イーロンマスクさんはフォーブス世界長者番付では2022年に1位を獲得しており、2023年も2位に君臨しています。資産額は1800億ドル(約23兆7600億円)と、現在は膨大な資産をお持ちですが幼少期はあまり裕福な家庭ではありませんでした。
そんなイーロンマスクさんは幼少期から「ものづくり」に興味があり、ロケットを使用した実験などを行っていたようです。さらに10歳の頃にはコンピュータを購入し、プログラミングを独学しました。その2年後(12歳)には「Blaster」というゲームも開発しています。
下記のURLからイーロンマスクさんが開発したゲーム「Blaster」をプレイすることができます。興味がある方はぜひ12歳のイーロンマスクさんが制作したゲームをプレイしてみてください。
Blaster
http://blastar-1984.appspot.com/
インベーダーのように動いている相手を弾で撃つという至ってシンプルなゲームですが、12歳の子どもが作ったと思うと、凄いことですよね。
起業家としての活躍
このように、幼少期から色々とものづくりに励んでいたイーロンマスクさんでしたが、その後は様々な企業を設立しています。
PayPal(ペイパル)
1999年にイーロンマスクさんが共同設立した「X.com」と、ピーターティールさんが率いる「コンフィニティ社」が合併したことによって設立されたのがPayPalです。
こちらは共同創業者ということになりますが、PayPalという名前を聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
「X.com」
オンライン金融サービスと電子メール決済を兼ね備えた連邦政府が保証する最初のオンライン銀行。
「コンフィニティ社」
PayPalを設立した大元の企業。
テスラ
イーロンマスクさんは電気自動車開発企業も設立しています。それがテスラであり、イーロンマスクさんは、2019年の時点で世界中の自動車メーカーの中で最も在職期間が長いCEOです。テスラは完全自動運転車の開発も手がけており、これからもまだまだ成長していきそうな勢いです。
スペースX
この他に、イーロンマスクさんは宇宙開発企業にも関心を示しています。スペースXは2002年に起業し、CEOおよびCTOに就任しました。
イーロンマスクさんは「人間を火星に移住させて、人類を他惑星種にする」ことを目指しているようです。
まさに宇宙規模の目的とも取れますが、イーロンマスクさんならいつかやり遂げてしまいそうですね。
これらはすべてイーロンマスクさんが創設した企業ですが、どれも有名で聞いたことのある名前ばかりですよね。
ツイッターが買収された経緯
Twitterが買収された経緯は以下のとおりです。
- 2022年1月 Twitter株の購入を開始する
- 2022年3月 イーロンマスク氏のTwitter株式保有率が5%に到達・購入を重ね、さらに株式保有率が7.5%まで上昇
- 2022年4月 Twitterの株式9.1%を26億4000ドルで購入
- 2022年10月28日 440億ドル(6兆4000億円)でTwitterの全株式を買収
- 2022年10月31日 イーロンマスク氏CEO就任後、9人の取締役全員を解任した
おおまかな流れですが、イーロンマスクさんがツイッターを買収するまでの経緯はこのようになっています。
Twitter,Incも買収を阻止しようと対策はしていました。
Twitter,Incは当初イーロンマスクさんの株式買収を阻止しようと買収者の議決権の比率を下げる「ポイズン・ピル」と呼ばれる防衛策を導入しました。しかし、イーロンマスクさんの提案を上回る条件の支援先が見つからないまま、4月25日に買収提案を受け入れることとなりました。
双方買収するという意見で合致していたかと思われましたが…
このまま買収まで順風満帆に進むのかと思われていた両者のやり取りですが、ここでイーロンマスクさんはTwitter,Incに「企業価値の算定に関わるTwitterの偽のアカウントの数が、会社側が説明しているよりも実際には多い」と主張しました。
そして、このことを理由に7月8日、イーロンマスクさんは一方的に「買収の合意を撤回する」と言い放ちます。Twitter,Incはこのことについて「買収の実施」を求める訴えを裁判所に起こすなど、ついには裁判沙汰になってしまいました。
この裁判ですが、イーロンマスクさんが勝てる可能性は低いとした結果、イーロンマスクさんは再度買収を提案することに決めます。
そして、訴訟の継続を避けるためには2022年10月28日までにTwiter,Incの買収を完了するよう裁判所に命じられたのです。
買収するためにイーロンマスクさんは自身がCEOを務めるテスラの株を約440万株売却し、およそ40億ドルのお金を現金化しました。
こうまでして買収した理由って何なんでしょうか。
なぜ突然イーロンマスクさんがTwitterに目を付け、買収しようと思ったのかについて理由は明らかにされていません。
ただ、Twitter買収についてイーロンマスクさんは
- 「簡単だからでも、儲けたいからでもない」
- 「Twitterが世界中の言論の自由のためのプラットフォームになることを願っている」
- 「自身の資産のために買収するわけではない」
と仰っていたそうです。
ツイッターで起きている問題
イーロンマスクさんがツイッターを買収してから起きている現状をまとめました。
現在ツイッターは従業員の大幅解雇により、システムの不具合による対応が追いついていないなど、様々な問題が起きています。
①Twitter,Incは消滅している
Twitter,Incを買収したイーロンマスクさんですが、2023年にX Corp.(イーロンマスクさんが保有するX Holdingd Corp.の子会社)と買収したTwitter,Inc.を合併しています。なので、Twitterというサービス自体は現在も残っていますが、Twitterを創設した「Twitter,Inc」は合併したので、もう存在していません。サービスを利用する顧客からはあまり影響が無いと思われますが、初期から利用していたユーザーにとって会社の消滅は寂しいものを感じるのではないでしょうか。
②従業員の大幅解雇
ツイッターを買収した2022年10月の次月にイーロンマスクさんはTwitter,Incの総社員の半数にあたる3500人を解雇しています。
その後も従業員の退職は続いており、元々8000人いた従業員は現在1500人まで減少しました。(80%を超える従業員が退職)
このような従業員の大量解雇の理由にイーロンマスクさんは「今はコストが収益を上回っている」と発言しています。一時的な解雇を思わせる発言ですが、果たしてもう1度声を掛けて戻ってくる従業員の方はどれくらいいるのでしょうか。
退職した従業員の中にはソフトウェアの不具合を修正するエンジニアが多くいたそうです。重篤な不具合が起きた時はどうなってしまうんでしょうか?
③広告主の大量撤退
従業員が大量に居なくなっただけではなく、広告主の大量撤退も目立っています。ツイッターの収益はなんといっても広告費。9割近い収益が広告で賄われていました。そんな中で、広告主の7割が撤退したことはかなり大きな痛手と言わざるを得ません。広告主が撤退した理由として挙げられたのが「イーロンマスクさんの方針に賛同できない」ということでした。
このまま収益が減り続けていけばユーザーから料金を徴収しないと賄えなくなってしまうかもしれませんね。
2023年7月1日にAPI制限が設けられた?
※2023年7月1日に起きたばかりの出来事です。まだこの先どうなるか分かりません。
APIってなんですか?
APIとは「Application Programming Interface」の頭文字を取った3文字のことです。
ツイッターでいうAPIは、ツイートを見るたびに消費されていき、一定数ツイートを見ると制限がかかってしまうというイメージです。
そして、API制限がかかってしまうとツイートを閲覧することができなくなります。
どれくらいツイートを閲覧するとAPI制限がかかってしまうのでしょうか?
イーロンマスクさんは、自身のツイッターでこのように述べており、要約すると
- 非課金アカウントは1日800ツイート
- 課金アカウントは1日8000ツイート
- 新規アカウントは1日400ツイート
ということになります。
1日800ツイート?!タイムラインを流し見してたらいつの間にか達成していまいそうな数ですね
しかし、このことについてAPI制限が設けられているのはサーバーメンテナンスのための一時的なものであり、永続するものではないという意見があります。突然の出来事で様々な憶測が飛び交っていますが、一旦冷静になってみましょう。数日中に正式な発表があると思います。
ツイッターユーザーによる過度な反応が多い状況になっていますが、イーロンマスクさんの普段の行動を考えると、過敏になるのも少し分かる気がします。
ツイッターに似ているSNSはある?
Twitterのこの先を不安に思うユーザーの方は多いですよね。Twitterでしか繋がりが無い友人もいるでしょう。Twitterが無くなってしまう前に、どこかTwitterに似ているSNSは無いのか?と次の移住先を考えている方も多いはず。
Twitterで人気の移住先を2つご紹介します。
Mastdon(マストドン)
アカウント作成ページ
https://joinmastodon.org/ja
マストドンもツイッターと同じように短文を投稿するSNSの1つです。2016年に開発された比較的新しいSNSです。
ユーザーが「トゥート」(ツイッターでいうツイート)を投稿し、それに対して返信や「いいね」を押したりすることができます。
フォロー機能もあるので、マストドンとツイッターは似ている部分が多いです。
マストドンは1つの投稿で500文字まで投稿できるので、ツイッターよりたくさん文字数を投稿することができます。
ツイッターと大きく違うところは、マストドンはサーバーが分かれているところですね。
マストドンはサーバーがそれぞれ分散していて、サーバー同士が結びつくことによって大きな1つのネットワークを形成しているのが特徴です。サーバーが違っていても友人になることは可能なので、あまり気にしなくても良いかもしれません。
こういったイメージでしょうか。
Misskey(ミスキー)
サーバー一覧
https://join.misskey.page/ja-JP/instances
Misskeyもマストドンと同じく分散型のSNSです。こちらもサーバーが分かれており、1つのサーバーに属することになりますが、違うサーバーの方とも知り合いになることができます。
Misskeyにはいいね機能の代わりに「リアクション」という絵文字やMisskey独自で作成されたスタンプなどで反応することができます。
また、投稿内容の公開範囲を決めることもでき、「これは全員に見てほしい」「これは一部の親しい人にだけ見てもらいたい」など、好きに範囲を指定することができるのです。
自分でサーバーを作成することもできるので、色々試してみるのもいいかもしれません!
1番ユーザー数が多いサーバーは、ツイッターからの移住が急増したため、一時的に登録できない状態になっています。
サーバーのタイトルや雰囲気で決めるのも良いですよね!
ツイッターが今後、どのような形に変更されていくのかは想像もつきませんが、いきなり明日サービスを終了しますということも考えにくいので、少しずつ自分に合うSNSを探していきましょう。最後までツイッター一筋も良いと思います。私はそうしたいです。
まとめ
- イーロンマスクは2023年時点で51歳
- フォーブス世界長者番付では2022年に1位・2023年は2位になっている
- 資産額は1800億ドル、日本円にして約23兆7600億円
- PayPal・テスラ・スペースXの創設者
- Twitterを買収したのは2022年10月28日
- 買収総額は440億ドル、日本円にしておよそ6兆4000億円
- Twitter,Incの従業員を大幅解雇
- Twitterの広告主が大量撤退
- 今後どうなるかは不明
- ツイッターの移住SNSとしてはMastdon・Misskeyが有力
いかがでしたか?ツイッターは、2006年からサービスが始まっており、今年で18年を迎えます。SNSとしてはかなり長寿だと思いますが、イーロンマスクさんがCEOに就任したことによって今後どうなっていくのでしょうか。これ以上改悪しないといいのですが……