4月21日は日本の水族館で現在3頭しか飼育されていないラッコのうちの1頭、キラちゃんのお誕生日でした。ラッコはSNSでも絶大な人気を誇り、キラちゃんが飼育されている鳥羽水族館のYouTubeチャンネルは11万人を超えています。(2023年4月時点)しかし、喜ばしいことだけでもないのが現状。ラッコは絶滅危惧種に指定されているということもあり、現在飼育されている3頭がいなくなってしまうと日本の水族館でラッコを見るのは非常に厳しい状況におかれているのです。この記事では海の人気者・ラッコの魅力、会いに行く方法・ラッコがおかれている現状についてまとめています。
この記事でわかること
- ラッコが飼育されている水族館はどこ?
- ラッコがおかれている現状
- 日本でも野生のラッコを見ることができる?
ラッコってどういう生き物?
ラッコは食肉目イタチ科ラッコ属に分類される哺乳類です。
体長は1メートルから大きいものだと1.2メートルにまでなるようです。自然界では直立する姿を見ることはほとんどありませんが、直立すると人間の子どもくらいの背丈があることになりますね。
なかなかの貫禄ですね!
ぼんやりと海に浮いていたり、見た目も穏やかそうなラッコですが、意外にも食性は肉食で、貝類や甲殻類、ウニなども捕食して食べているようです。
確かに!ラッコというと貝殻を持って海に浮かんでいるイラストなどをよく見かけますね!
ただ貝殻を持っているだけではなく、お腹に石を乗せその石で貝殻を割るなどなかなか賢い一面もあります。
ラッコはテレビでもたびたび取り上げられており人気漫画「ぼのぼの」、「ちいかわ」にもラッコをモチーフにしたキャラクターが登場するほど非常に人気が高い生き物であることは間違いありません!
ラッコはなぜ絶滅危惧種になったの?
国際自然保護連合が2000年にラッコを絶滅危惧種に指定しました。
ラッコは世界1毛深い生き物とも言われるほど体毛密度が高く、それゆえに1700年代にはラッコの毛皮を目的に乱獲が行われ、個体数が激減したためです。
全身は、およそ8億本もの体毛で覆われています!
乱獲のしすぎで絶滅したかと思われたラッコでしたが、1980年代には再び北海道の道東でラッコの姿が確認されました。ですがまだまだ個体数は少なく、絶滅危惧種に指定されているのが現状です。
北海道・浜中町で確認されている自然のラッコ
遠いですね。ですが日本では北海道まで行かなければ自然のラッコに会うことは叶いません。
絶滅危惧種に指定されるとどうなるの?
絶滅危惧種に指定されると海外からラッコを輸入することができないので、水族館内にいるラッコ同士で繁殖するしか方法はありませんが、ラッコも代を重ねるごとに繁殖力が落ち、ラッコの寿命はおよそ20年と短いため繁殖がうまくいかず数が減っていきました。
日本の水族館で最後に妊娠したのはマリンワールド海の中道で飼育されていたマナちゃんというラッコでしたが、死産してしまいました。
1990年代には100頭を超えるラッコが全国の水族館で飼育されていましたが、このような状況により2023年の現在、日本で残されたラッコは3頭のみとなっていまいました。
現在飼育されているラッコはオスが1頭、メスが2頭。いずれの個体も15歳以上で繁殖は絶望的な状況です。
日本ではラッコの研究が遅れているため野生のラッコを保護しようにも、野生のラッコと保護すべきラッコの判別ができるようになるには20年から30年かかることが推測されているようです。
長い道のりになりそうですね。
ラッコが飼育されている水族館はどこ?
ここまで悲しい現実ばかりお話してきましたが、2023年・水族館に足を運べば会えるラッコがいるのも事実です!
しかし、現在日本で飼育されているラッコはいずれも高齢なので、できれば元気なうちに会いに行きたいですよね!では、どこの水族館に行けば会えるのでしょうか?
ラッコが飼育されている水族館は全国で2カ所です!
①鳥羽水族館(三重県)
②マリンワールド海の中道(福岡県)
各水族館では、それぞれお誕生日の日には氷で作ったケーキなどをラッコにプレゼントするなどサプライズショーが行われているので、ぜひその日に合わせて行きたいところですね!
①鳥羽水族館
メイちゃん(18歳)
メイちゃんは人間の年齢に換算するとおよそ80歳になります。2023年のお誕生日を迎えると19歳になります!
3頭の中では最高齢ですね!
鳥羽水族館のアイドル的存在のメイちゃん。ジャニーズグループのなにわ男子のメンバーである道枝駿佑さんが「俺よりアイドル性ある」と豪語するほど、ファンサもしっかりこなしてくれます!2足歩行も上手でスタスタと歩きますよ!芸も上手です。
鳥羽水族館のオンラインショップでもメイちゃんとキラちゃんのグッズはいつも即日完売してしまい、入手が大変困難なほど大人気です!
キラちゃん(15歳)
キラちゃんは2021年3月に京都大学白浜水族館からお引っ越ししてきたラッコです!マリンワールド海の中道で飼育されているリロくんとは兄妹関係にあたります。
よくよく見ると顔立ちが似ていますね!
キラちゃんはおっとりとした性格で、よくメイちゃんに好物の氷を横取りされている様子が見られます。キラちゃんも直立歩行はできますが、メイちゃんよりはぎこちない歩き方で進んでいきます!そして、芸もたくさん練習する頑張り屋さんです。
そんな一生懸命なキラちゃんの姿に、ラッコファンはハートをがっちり掴まれています!
2023年のお誕生日もおめでとうツイートで溢れかえっていました。
2頭揃うと、可愛さも2倍!元気に長生きしてほしいですね!
②マリンワールド海の中道
マリンワールド海の中道
福岡県福岡市東区大字西戸崎18-28
【営業時間】9時半~17時半
リロくん(16歳)
リロくんはメイちゃんのお兄ちゃんにあたります。同じくマリンワールド海の中道で飼育されていたマナちゃんとの間に子どもを宿しましたが、死産となってしまいました。マナちゃん自身も2021年2月に亡くなってしまい、現在マリンワールド海の中道にはリロくん1頭のみとなっています。リロくんは直立歩行をしませんが、わっかを使った芸などを披露してくれます!
まとめ
- 日本の水族館で飼育されているラッコは全員で3頭
- 三重県の鳥羽水族館にいるメイとキラ
- 福岡県のマリンワールド海の中道にいるリロ
- 野生のラッコは北海道浜中町で見ることができる
- まだまだ絶滅危惧種に指定されるくらい野生の個体数は少ない
- 輸入も厳しく、水族館内での繁殖も絶望的
- 現在飼育されているラッコが亡くなると水族館でラッコを見るのはかなり厳しい状況
いかがでしたか?一時期は100頭を超えるラッコが飼育されていた日本でしたが、現在は3頭まで数が減少してしまいました。
悲しい事実ですが、水族館でラッコを見ることが出来なくなる日は近い未来に必ず訪れます。
チャンスがある方は是非会いにいってほしいですね♪